今回は雑誌メディアなどの取材報道ではなく、捜査関係者への取材に基づくものであり、さらに球団もコメントを出したことで、否定しにくい事実関係として広がったことが大きいだろう。

同時に、昨今の「コンプライアンス意識」の変化があった可能性もある。

MLB同様、著名な野球人による家庭内暴力疑惑は、プロ野球という人気稼業のイメージをダウンさせる。

この事態を放置して、阿部慎之助監督に交流戦の采配をゆだねれば、メディアは「阿部慎之助の暴力体質」として連日報じるかもしれない。

SNSでも「DV体質の阿部をクビにしろ」的な論調が広がり、そのことで選手がゲームに専念できなくなる可能性もあった。球団にとってはリスクヘッジだったのかもしれない。

26日、交流戦の開幕当日の午前、阿部慎之助監督は球団に辞意を伝えた。

午後には記者会見を開き、「こういう形で去るということは本当に申し訳なく思っています」と話した。

さらに「私の家族のトラブルで、多くの野球ファンの方、そしてプロ野球関係者の方、会社に多大なご心配とご迷惑をおかけしました。

そして伝統ある巨人軍という監督の名も汚してしまって、とても深く謝罪したい気持ちでいっぱいでございます」と涙を浮かべながら語った。

また長女については「娘も高校3年生というお年頃な子ですので、どうか皆様温かく見守っていただければ幸いです」と語った。

代理人が、長女の手紙を代読した。

「今回の件につきましては家庭内のことにも関わらず大々的な報道になってしまったこと、大変申し訳ございません。

これは私の意思で出しております。(中略)大事に発展してしまったこと、とても恥ずかしく思います。

私の体が丈夫だったこともあり心配はご無用です。

父とはすでに仲直りをしておりますので、ご安心ください。

この先家族や父や私のことで、SNSでたたく、誹謗中傷、さらし行為はおさまらないかと思いますが、やめていただけますこと、切に希望しております」