今までないものの両立
今回のスペインは、一言でパスサッカーということに関してはわかると思います。
ただ、パスサッカーにしても、それを支えるのはパスを受けたときにどこにボールを置けばとられないか把握する能力、味方を常に視野で探していて、そして、フリーランニングの多さが全て備わっている。
これが一つの姿。
もう一つは、ボールをとられた時に自分のいるポジションがどの位置かで、最良のプロセスでとろうとする守備判断の良さだった。
守備のスペインが二つ目の姿だ。
実は、後者がチームの屋台骨と見えた。
概して、攻撃的なチームというのは、攻撃するのはこいつら、守るのはこいつらと決まっているように見える。攻撃が好きな故にボールをとられたあとに一瞬気持ちが切れて、守備が遅れがちになる。
試合は、終わっていないのに…。
基本的に、そういう中途半端な攻撃的なチームは好きじゃありません。
今大会のスペインは、両方が備わっていたからこそ、決勝でドイツが決定機を1つも作れなかった。
こんな難しい両立を可能にするのは、攻撃と守備のどちらでも核になれる選手が必要だ。
セルヒオ・ラモス、マルコス・セナ、シャビエル・アロンソ、アンドレス・イニエスタの4人はそれが出来るプレイヤーでした。
加えて、攻撃では、ダビド・ビジャ、フェルナンド・トーレス。守備では、カルレス・プジョール、イケル・カシージャスとスペシャルな選手がいることで勝ち切れるチームが完成を見た。
今大会のMVPは、セルヒオ・ラモスにあげたい。右から崩したのも、右を崩させなかったのも、彼の運動量と攻守にわたる広いプレイエリアをカバーできる戦術眼は、他に並ぶ選手はいないのでは?
優勝スペイン、得点王ダビド・ビジャ思い描いた通りになった。本当言うと得点王は、トーレスとどちらかで良かった。
初戦から全勝。決勝トーナメントで、無失点。一番日程的にきついD組から勝ち上がったこと。
そして、ほとんどのゲームが相手を完全に抑えた完勝だったこと。歴史的な優勝になったのではないでしょうか?
『最高の攻撃的守備でした。』