なにも ジャングルというほどのものではない。
地平線には届かないがある程度は見渡しもよく、道こそないが数多の轍が行き交っている。
それに沿って行こうが新たに踏み締めて行こうが、そこから好きに進めばただそれだけでいいはずなのにどうしてなかなか動けない。
なぜなら全方位に足下から自由に形を変えて広がっていく轍の途中に、まるでその先を隠すかのような標識が無数に立っているからだ。
それらに文字はなくただ道路標識にあるような記号と色とそれ自体の形の違いしかない。
しかしそれらを見ているとなんとなく先のことが心配になってくる。
こっちで良かったのだろうかあれが表す意味は何であろうかと。
曲がりくねる轍は処々で他から伸びているものと重なりそこが分岐点のようになっていて、途中で振り返ってみても自分がどのように歩んできたかはわからない。
思いきって踏み出してみると自分を遠くで囲う標識の全てが次々に色や形を変えていく。
晴れの日も雨の日も轍と標識と空だけの景色、気づけば他の誰とも会わない他人を見掛けない。
不安に思うかもしれないがそれが正しい。
人生は常に自分で選択して行かねばならないのだ。