八戸に来て1ヶ月、ようやく慣れてきました。
そこで、八戸とその近郊の交通機関について紹介しましょう。
まず、鉄道はJR東北新幹線(東京方面)、東北本線(青森方面)、八戸線(久慈方面)。特に八戸線は鮫までは市内区間「うみねこライン」として、本数も多めに設定されている。
その他、私鉄は青い森交通(いわて銀河鉄道直通 盛岡方面)と十和田観光電鉄(東北本線三沢から十和田市方面)。
飛行機は三沢空港が最寄りで、JALが羽田、そして伊丹に就航している。
ローカル空港ながら羽田や千歳と肩を並べられる3000m滑走路があり、ジャンボも降りられる(実際に降りたことがあるかはわからないが)。そんな空港は他に下地島空港ぐらいしかない。
もっともそれはワケありで、米軍と自衛隊、そして民間(JAL)の共用だからである。ちなみに下地島はパイロットの訓練所を併設している(というか逆にこちらは旅客便は現在のところない)。
バスは八戸市交通局(市営バス)のほか、それを補完するものとして南方面は南部バス、北方面は十和田観光バスがある。十和田観光は国際興業グループなので、国際興業のお下がりがほとんどである。市営と南部も関東などからのお下がりがほとんどで、ノンステップバスは八戸には1台もない。
高速バスは仙台行き(南部バス・十和田観光バス・宮城交通・JRバス東北)、東京・池袋行き(南部バス・十和田観光バス・国際興業バス)がそれぞれ運行中。他、特急バス(ようは路線バスに近いもの)として盛岡行き(南部バス・岩手県北バス)、三沢空港行き(十和田観光電鉄)、十和田湖行き(JRバス東北)がある。このほか十和田湖行きは三八五観光主催のツアーバスもある(実際の運行は南部バス・十和田観光バス・三八五バスの輪番制)。
これで薄々感づいたかもしれないが、南部バスも十和田観光バスも、高速バスや貸切バスの黒字で路線バスの赤字を埋めているようである。しかし、路線バスは市民の生活に不可欠なものであり、そうめったやたらと廃止にはできない。
さて、今年から八戸市中心部の商店街では、「おんでカード」なるものがデビューした。
買い物をし、レシートと駐車(整理)券を呈示すると、その金額に応じて、従来渡されていた駐車(サービス)券に替えてこれが渡されるようになった。これは、駐車券としても使えるほか、バス、タクシー、そして運転代行にも使える。
「おんで」とは南部弁で「おいで」という意味で、街へおいでという意味を込めている。郊外ではなく、街へおいでと。
八戸もご多分にもれず、典型的な地方都市の特徴である「郊外化」が進んでいる。
まず臨海部にはピアドゥ(イトーヨーカドー)、そして隣接するおいらせ町にはイオン。
特にイオンに行けば従来盛岡や東京に行かなきゃ買えなかった代物が手に入るということで、これの出現が八戸を中心とする三八上下エリアの商業地図を塗り替えたのだ。
やれ従来は下北半島から八戸のデパートに買い物に来ていた人が、その手前のおいらせのイオンで止まってしまう。それどころか、八戸からの流出さえ少なくない。
いま街はピンチである。
で、その「おんでカード」だが、何か気付いたことはないか?
聡明な皆さんなら、このカードには重大なピットホールがあり、しかもそれが言葉巧みに隠されているのだ。
(レシートと)駐車券を呈示すると「おんでカード」がもらえる
↓
「おんでカード」をもらうには駐車券が必要
↓
駐車券がないと「おんでカード」はもらえない
↓
バス(タクシー・運転代行も)で来た人は「おんでカード」はもらえない
どうしても、不都合なことはうまく包み隠そうとするんだよね。
カードを発行する「まちづくり八戸」はようは八戸市の天下り会社みたいなものだからね。
やはり、お役所仕事というのはどこまでツメが甘いんだろう?
このご時世だし、いつまでもアグラをかいていられるわけではない。
行政とて、いまの時代はかゆいところに手が届くことをやらないと、すぐに信用を失い、夕張の二の舞になるからね。
カードには期限がある。
もらったカードを使わずに、いつ乗るかわからないバスで使うために取っとくバカはいないだろう。
普通は、もらったらその日のうちに使うのが関の山で、発行されたカードのうちいかほどがバスやタクシー、そして運転代行で使われたか、問い詰めたい。小一時間問い詰めたい。
せいぜい考えられるのは、例えば200円分カードをもらったが駐車料金が100円で済んだ。
これで残った100円分のカードをどうするかということだが…普段車両で街に来る人が、突如バスで来るなんてことはちょと考えにくい。
実質上バスで「使えない」に等しいこんなカードなんて、やめちまえ!
カネのムダ以外の何物でもない。
そもそも、口車に乗るバス会社もバス会社だ。
このような見通しの甘さで、誰がこのカードでバスに乗ってくれるだろうか?
「バスはピンチです」という前掛けがバスに掛っているのをよく見るが、助けてほしいなら助けてほしいなりのアピールをしないとね。
口を開けて待っていればエサを与えてくれる、そんな生ぬるい時代ではないのである。
甘ったれてんじゃない!
バスで来た人にもこのカードがもらえるようにすることは、程度の大小はさておき方向性としては間違っていないであろう。問題はバスで来たことをどう証明するかなんだよね。
え~い、このさい割り切って、レシートのみでカードを手渡してもいいんじゃないか?それぐらい太っ腹にいこうよ。1人に何枚もカードを渡したくないというのはわからなくはないが、ケチケチしていいことはない。
もちろん、他に倣いバス車内に引換券を設置し、これとレシートをサービスカウンターに出すとカードがもらえるというやり方でもいいのだろうが、手間があるとどうしても浸透してくれないんだよね。日本人はとにかくめんどくさがりな国民だから。
先日、盛岡に行ったのだが、盛岡と言えば川徳デパートである。
盛岡の郊外にイオンはあり(それも2件あるそうな)、結構流行っているようだが、それでも決して川徳は落ちぶれることなく、岩手県民の憧れであることには変わりない。
実際、休日ともなると県内各地、さらに県外の大館や八戸からも買い物客が来ては、駐車場に列を作る。地方都市ながらこれは珍しい。
日用品や普段着はイオンで買っても、スーツと贈答品は川徳で買いたいのだろう。
人それぞれだけど、どうもイオンの包み紙で人様に改まった贈り物はしたくない。できたらデパート、特にその地の土着のデパートの包み紙は好印象だ。
青森県民のボクだが、同じ南部藩なだけあって、実家には川徳の包み紙で何か持って帰りたい。
八戸のデパートと言えば「三春屋」と「さくら野」だが、どちらも土着のデパートではなくなってしまっている。イオンはおろかこういう包み紙で持って帰るぐらいなら、川徳の包み紙のほうがずっといい。
スーツも、1着ぐらいは川徳で買いたいね。量販店のスーツはもうそれなり持ってるから。
そうは言っても、盛岡までは100キロもある。
やっぱり、八戸に住んでる以上、大なり小なり三春屋&さくら野、そして地元の商店街は利用する機会はある。
このカードもあと少し頑張ってくれれば、「街」と「バス」のピンチを救う足掛かりぐらいにはなるのではないか。
期待する。