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ネットリンチの末路

昨年、東名高速道路で死亡事故を起こした犯人の父親だと、ネット上に書き込まれた方がいます。

その誹謗中傷の被害に遭われた石橋さんとは直接お会いして、打開策を考えていました。

石橋さんの懸命な努力が実を結び、今日大きな局面を迎え、デマの拡散に関与した11名が特定されました。

捜査に従事された福岡県警八幡西警察署の捜査員の方々に感謝いたします。

何の前触れもなく事件の親族だと名前をばら撒かれ、社名や住所などの個人情報が拡散される。

匿名の集団からの言葉のリンチ。

どのような状況に陥るのか、これが現実です。

普段見かけない人物や車が自宅や会社周辺をうろつき、脅迫や無言電話が鳴り響く。

こんなことが起きれば生活が一変します。

さらに嫌がらせはエスカレートして、頼んでもいない引っ越し業者や中古車買取業者が会社に問い合わせをしてくる。明らかに第三者の仕業です。

本人だけではなくご家族や職場の方々とそのご家族、取引先や近所、お子さんたちが通う学校や友人にまで被害が及びます。

誹謗中傷の被害に遭われたのは1人ではないんです。

今現在も煽り運転の事故をネットで検索すれば「犯人の実家」や「犯人の父親」としてデマが閲覧できる状態です。

1度でもネットに書き込まれた言葉は画像が消えません。

投稿された悪評が削除されずに残っていたら、それは永遠に書き続けているのと同じことです。

これから先、何らかの事故や事件が起きた時「犯人の名前と一緒」「犯人の住所と近い」という理由だけで、ネットに犯人や親族などとデマを書き込まれてしまう人がいるかもしれません。

誹謗中傷や風評被害に遭われてしまう人が増えるのは心底悲しくなります。

噂やデマに惑わされないようにするには感情に流されず、冷静に情報を精査する必要があります。

世間を騒がすような事件が発生した場合、まとめサイトや掲示板、SNSなどに「犯人の名前」「犯人の住所」「共犯者」などという情報を見かけたら、、、

書き込まれた人を疑う前に、書き込んだ人物が何者かを疑いましょう。

情報提供者の素性や過去の書き込みを遡り、発信者の人間性や素性を調べてください。

◯  安易な拡散は避けましょう。

情報は借金と同じです。コピペやリツイートは連帯保証人のようなもので最初の情報発信者と同等の責任に問われる危険もあります。

◯  言論の責任

「言論の自由」や「表現の自由」と主張される人もいますが、自由は何をやってもいいと訳ではありません。

何をやってもいいという解釈なら、それは自由ではなく無法になります。

言論にも表現にも、どちらにも責任が伴います。

◯  正義と暴力は紙一重

今回の事件で特定された11名も、まさか自分が捕まるなんて考えずに、ネットに書き込んでいたと思います。

11名の中には正義のつもりで書き込んだ人物がいるかも知れません。が、本当に正義感のある人は匿名で言葉のリンチなんてしないと思います。

ましてや無関係な人を吊るし上げるなんて正義を逸脱した行為です。

◯   言葉は人の人生を潰す凶器にもなります。

たとえ書き込みが事実であったとしても、ネットリンチは逆に被害者を不利な状況に追い込んでしまいます。

デマであろうと真実であろうと、他人を傷つける行為は最終的に自分を傷つけます。

だからこそ、言葉の責任を持ってください。

同じ犠牲者を増やさないためにも根拠もない無責任な書き込みが、今後の人生にどれだけの弊害を及ぼすか、今一度考えてほしいです。

石橋さんと初めてお会いした時「私はブログとかもやっておりませんし、普通の人間ですから、まさか自分がネットの中傷に遭うは想像もつきませんでした」とお話をされていました。

誹謗中傷は決して他人事はありません。自分の身に降りかかるかもしれないんです。

ネットは人の幸せや人生を潰すツールではありません。

同じ過ちを繰り返さないためにも、みんなでリテラシーを高め、言葉が犯罪になると意識しましょう。