遅くなりましたが、前回の続きです。



海外のフリースクールを訪問した体験と、保育研修で聞いた話について。

(海外のフリースクール訪問は随分昔の話でして、その点ご了承いただければと思います)



オルタナティブ教育に興味を持った私は、当時、日本にフリースクールが少なく、あったとしても学校の代替(出席日数や単位)として認められなかったため、海外のフリースクール(先進国:アメリカ、途上国:タイ)の現状を知りたくて、実際に現地に行きました。

ただ見学するだけでなく、各校に数日滞在させていただき、スタッフの方のお話を伺ったり、子どもたちと関わらせていただきました。



アメリカはフリースクール以外にも、ホームスクーリング制度や飛び級、そして一度社会に出てから大学で学び直す学生も多いなど(キャンパスの敷地内に保育園があり、学生も自分の子どもを預けられる)、教育の選択肢が多様であったため、「学校に行かないことが、日本ではなぜ、それほど問題になるのか?」と聞かれました。

逆にタイでは、「学校に行きたくても貧しくて行けない子どもたちもいるのに、日本にはどうして学校に行きたくない子がいるの?」と質問されました。



どちらの国にも共通していたのは「登校拒否」「不登校」に該当する単語がなかったこと。
(日本でも最初は「登校拒否」という言葉しかなく、のちに「拒否しているわけではない、行きたくても行けない子どももいる」として「不登校」という言葉が生まれました)



アメリカのとある州では「大人1人と、子ども3人」が集まれば学校(ホームスクール)とみなされ、一般の学校に通ったのと同じ扱いになると聞いたときは、日本の不登校って単に制度の問題(子どもの資質を伸ばすための制度でなく、制度に子どもの方を合わさせようとしている)なのでは?と思いました。

アメリカが必ずしも全ての点において優れているわけではなく(その後、留学して実際に暮らすようになると、いろいろ見えてくることがありました)、

そしてタイの子どもたちの状況を知って「自分は恵まれているのに学校に行かない(行けない)なんて」と日本の子どもたちが自責する必要ももちろんなく、



国が変われば「問題」が問題でなくなることもある、

制度が変わることで、個人が自分を責めたり追い詰めたり悩んだりする必要がなくなることもある、

(個人に問題があるのではなく、制度が時代に合わなくなっている、という可能性もあるわけです)


ということを考えました。



そして保育研修で聞いた話ですが、

ご存知の方も多いと思いますが、厚労省が毎年、年齢別の死亡率と死因のデータを出しており(厚労省のサイトで閲覧可)、

乳幼児は呼吸障害や不慮の事故や多いため、子どもたちの見守りのポイントについて改めて教わります。

ですが10歳以降の子どもたちの死因の一位は自死なのです。

これを聞いて、ではせめて未就学のお子さんに関わらせていただくあいだに、自分ができることは何だろう?と考え取り組んできました。



不登校について(3)
目醒めることが、教育制度にも影響を与える

に、つづく。