金曜の夜、ペットで家族のセキセイインコの一羽が、夜間救急にかかることがあった。

ムスメは翌日、朝からバイトがあるとかで、同行しなかったが、わたしは急ぎタクシーをつかまえて、キーちゃんの時にお世話になった動物病院へ向かった。


すぐに酸素室に運ばれた。

説明は丁寧だったが、次々わかってくる状況、手術の話を聞けば聞くほど、こころが冷たくなっていった。

点滴をし、痛み止めをして、手術をした。
そのあと、レントゲンやエコーを撮った。

説明は、つどつど丁寧に行われた。
「インコちゃんは小さい体なのなので、休み休みやっていきますが、お時間は大丈夫ですか?」
そんなふうにも聞かれた。

土曜日に授業があったが、わたし自身も疲れており、夜中に帰るのであれば、休もうとおもっていた。


酸素室でも呼吸が荒く、元気がないので、入院させますか?という提案もあった。

インコに会ってから決めてもいいということだったので、対面した。

たしかに、肩で息をしている感じで、目を閉じて、じっとしていた。

苦しいだろう。

それでも、わたしと目が合うと、キラキラした目を見せた。


だから、ますます連れて帰りたいと、強くおもった。
多少の迷いを残しながら。

以前、置いて帰って、1時間程度で「残念ながら…お迎えに来てください」と言われたつらい過去がある。


薬を処方してもらい、タクシーで帰宅した。


ムスメはバイトに備えて寝ていた。


帰宅したのは1時過ぎ。
インコも帰ったら落ち着いたのか、プラケースの中で暴れ出した。

いつもの鳥カゴを、先生の指示通りの室温にして、毛布をかけて寝かせた。


2時をまわっていたとおもう。


ムスメから、バイトのお弁当を頼まれていたので、一度は断ったもののおにぎりくらいならとおもい、5:30に起きて作ってやった。


インコはげんきとまではいかないが、病院で見たつらそうな姿は見せず、自分のカゴでピヨピヨ鳴いていた。


ムスメを送り出し、わたしは一日、寝ることに決めた。

横になっていたら、呼吸が荒くなり、涙が溢れ、過呼吸になっていた。

一人で耐えた。
泣いて、苦しくても、一人だった。


気づいたら、眠っていた。
目が覚めて、また眠った。

そんなことを4回くらい繰り返したら、夕方だった。


起きてインコを見ても、げんきだった。
安心した。


わたしには、家族とインコズが必要。
愛するものを失うかもしれないという恐怖が、わたしのパニック発作を誘発した。


いまは、もう大丈夫。

きっと大丈夫。