つづき

夫から離れて
実家に帰り、
親友や従姉妹と話せた私は
すごく力をもらった。
春休みが終わりに近づく。
帰らないといけない。
私の中に、
悲しみとショックのドン底から
ここからどうにかしなければ
という思いは
だんだん芽生えてきていた。
子供のためにも
グルグル同じ場所には
ずっといられない。
この時は
まだどこかで、
夫の事を信じていた部分も
確実にあったと思う。
夫は精神的に
何かに追い詰められて
普段しない事をしたんじゃないか?
とか↓
この不倫は
完全に女性の方から誘われて
夫は、
引き摺り込まれてしまったのだ。
という考えも
やはり、捨て切れなかった。
なぜなら
不倫相手からのメールで
ほんとにほんとにごめんなさい。
幸せ家族だったのに、、、
私のせいでぶち壊して。
息子さんも小さいのにごめんなさい。
私のエゴで、、、クソ女だよね。
と、来ていたのが
ずっと忘れられなかったから↓
だから私は
家に帰ったら
夫から色々話しを持ち掛けてくれて、
昔と
全く同じ夫が戻っていて、、、
みたいな事も
期待していたのだと思う。
実家に居る間
夫からの連絡はなかった。
ただ
家の業務連絡のやり取りを
数回した時は
すぐ折り返しがあったりしていた。
東京に帰った日は平日で
夫には知らせず
息子と2人で戻った。
母は
がんばれ!いつでも電話しなさいね。
と励ましてくれたが、
私の心は
鉛が一杯に詰まった様だった。
マンションが見えてきた時には
物すごく
心が沈んでいた。
部屋に入る。
夫は出社していた。
散らかった部屋。
ソファーに投げられた洗濯物。
帰ったら
私のために家が綺麗にされている
なんて事は、無かった。
数時間して、
夫が帰宅した。
帰ってきてたのー?
と一言、
普通の表情で言う夫。
息子は、パパー!!
と嬉しそうに駆け寄り
夫も楽しそうに話していた。
息子が寝静まった夜
お風呂から上がると
リビングに夫が居た。
変わりなかった?
と私は聞いた。
別に。いつも通りかな。
それが、
Netflixで『地面師』観たんだけど
すごく面白くてさ、ルイも観た?
毎晩寝不足な位、
一気見しちゃったよ。
いやーあれは面白い。
私の中で
また何かが壊れた。
心の中で思った。
私と息子に連絡はしないで、
Netflix観てたんだ。
不倫した事とか、、、
何とも思ってないわけ?
ありえない。
その後も
夫は『普通の日常もどき』
みたいなのを始めていった。
『俺たち夫婦について話そう』なんて
向こうから言われた事は、
今まで一回もなかった。
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