今日は視覚障害・ロービジョンについて書いてみます。
以前に書いた記事を、少しだけ変えていますが、だいたい同じかな。
私は先天性緑内障のため、中途でロービジョン、いわゆる「弱視」といわれる視覚障害者になりました。
全盲ではなく「見えにくい」という状態です。
ロービジョンの見え方って、本当に人それぞれ全然違うので、見え方の説明もとても難しい。
視覚に障害をもった友達がたくさんいますが、同じ視覚障害者同士でも、私は彼らの見え方はあまりよくわかっていません。
見える方たちがわかりにくいのも無理はないですね。
ちなみに私の見え方は…
左の耳側は視野狭窄で全く見えません。
そのほかは、下のほうが見えていません。
中心視も欠けているので人と目を合わせることは苦手です。
でも、見えている部分は霞みなどはないので、「強度の近視」と言う感じでぼんやりと見えています。
…状態としてはこんな感じですが、こういう言い方だとよくわからないですよね。
画像で表すとこんな感じです。
【画像1】黒まな板でキャベツを刻む私の手元が写っています。
これが晴眼の方の見た感じ。
【画像2】これが私の見え方に近い感じ。
視野が欠けている部分が白く表現されています。
でも実際には、見えない部分が全部白くなっているわけではなく、左側は黒く見えています。
白い部分も、こんなに白く見えている感じではないのですが、言葉で説明するのはとても難しいので、まあこんな感じ、ということで(^^ゞ
日常生活での例えなどで言うと
ファミレスやカフェで、向かい合って座った人の、男女の区別はつきますが、個人の区別はわからないことのほうが多いです。
文字を読むことは少し難しいです。
新聞を読むことはできません。見出しなら少し見えるかな。
室内も外も、何か物があるのはわかるけど、それが何なのかがわかりにくいです。
ただ、近づくとわかることも多いので、
近づける場合は近くに行って確認することもできます。
外出時には白状を使っています。
外では、段差がとてもわかりにくいので、杖は必須ですね。
…という感じです。
では、どのように生活をしているかというと…
個人の区別は、私は色はわかるので、着ているお洋服の色を区別のヒントにしています。
あとは声を覚えるので、それと組み合わせて区別をしています。
文字の対応は、ルーペや拡大読書器を使うと短い文章なら読めるようになります。
でも「書く」となると、拡大でもなかなか難しいですね。
【画像3】小型の拡大読書器。新聞が拡大表示されています。
大きくても見えないこともあります。
特に視野狭窄や欠損のある場合、その部分に文字が隠れてしまう時があるからです。
ちなみに私は、縦書きを読むのが苦手です。
たまに和食のお店や居酒屋など、縦書きのメニューがあるけれど、短い単語でも縦に書かれているものは本当に苦手…。
外出時はとにかく白杖が大活躍!
もちろん、周囲の方々に、たくさん助けていただいております。
お声掛けや見守り、本当に感謝しています。
【画像4】私の白杖。ストラップにふわふわのぼんぼんと雪の結晶のチャームがついています。
このアクセサリーを、季節ごとに変えるのが楽しみのひとつ♪
これは冬ver.
買い物なんかも、困ることはよくありますが、
iPhoneという優秀な相棒のおかげで、助かることがたくさんあります。
1~2m先のポップなどを見たい時はカメラを起動しズームで見ることもあります。
「拡大鏡」という機能も使えるので、それを使うと拡大率がめっちゃすごい☆
カメラの時にシャッターボタンに当たる位置のボタンを押すと、「フリーズフレーム」となって、対象物が固定されます。
写真を撮った時みたいになりますが、これもまた拡大率がすごいので、めちゃめちゃよく見えます!!
駅の中で迷った時などは、案内板を撮影して拡大で見ることもあります。
(ちなみにですが、駅の案内板で「出口」を示してある表示はだいたい黄色です。
なので、色のわかる方なら、出口を探してるときには「黄色」の看板を見つけてみてください。
やっと見つけた案内板、近づいてよく見たら乗り換え案内しかなかった…なんていう経験ないですか?
…私はしょっちゅうありました。そこで気付いたのが「出口は黄色」でした)
そうそう。
拡大したら文字は読めるんだけど、長い時間は無理なので、PCやiPhoneは、音声で操作しています。
なのでメールもSNSも問題なく使えています♪ありがたい~☆
iPhoneをお使いの方、Siriに「ボイスオーバー、オン」と言ってみてください。
音声読み上げでの操作が体験できます!(操作方法は多少変わります)
↓【動画】私のパソコン。Twitterの画面を読み上げています。
こんな感じでわりと毎日楽しく過ごしています。
街で見かける白杖を持った視覚障害者には、全盲の方ばかりではなく、私のようなロービジョンもいます。
視覚障害者全体では、ロービジョンと呼ばれる人のほうが多いと言われています。
なので「白杖=全盲」とは限らないということを皆さんにぜひ知ってほしいと思います。
白杖を持っているのにスマホや携帯を見ていた、人をよけた、「見えてるんじゃないの?」など、誤解されることが多いのです。
それを恐れて白杖を持つことをためらってしまう人もいると聞きます。
ロービジョンはとても多様です。
それぞれの状態をご理解いただくことはとても難しいとは思いますが、いろいろなロービジョン者を見ていただけるだけでも嬉しいです。
こちらの記事 をご覧いただけると
ロービジョンの“多様”についてすこしだけおわかりいただけるのではないかと思います。
私も少しだけご取材いただきました。ぜひご覧ください。
先ほどの見え方再現画像はこちらの取材時に製作していただきました。
(記事内に登場します☆)
そして最後に…
街で白杖を使う視覚障害者を見かけたら、ぜひお声がけいただけると嬉しいです♪
ひとりで街を歩いていると、何の問題もなく歩いているように見えるかもしれませんが
実は困っている方、半信半疑で不安な気持ちで歩いている方もいるのです。
どのように声をかけたらいいかわからないという方もたくさんいらっしゃるかと思いますが
そんなときは
「お手伝いすることはありますか?」などと声をかけながら、肩や腕などに軽く触れてください。
声だけでは、自分に声をかけられていることに気づきません。でも、何も言わずに体に触れるととても驚きます。
お手伝いを必要としていない場合ももちろんあります。
もし断られたとしても、その勇気あるお声がけは本当に嬉しく、とても感謝しています。
またどこかで白杖の人を見かけたら、またぜひお声がけください。
もし声をかけることが難しい場合は、見守っていてください♪
みなさまのご協力をお願いいたします。
最後までお読みくださりありがとうございました<m(__)m>
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☆ねとらぼさんに取材をしていただきました☆
◆目は見えなくても原稿は超クオリティー・テープ起こし専門集団「ブラインドライターズ」ライター&運営インタビュー



