夢想家ばかりは困ったもんだ
とても寒い冬の日の夕暮れ
色とりどりの煌めくイルミネーションが
通りをやさしく暖める
君に降る粉雪は奇跡のかけら
清楚な幻想は毎年レストランの前の街頭の下で
記念碑のように立ち尽くしたまんま
「昨夜どう過ごしてた?」
クリスマスは終わったけど、
今日からはクリスマスが嫌いだなんて言わないよ。
なんちゃって
冬の旅
そこに君が在ると私は知っている
あなたはうわの空で身を委ねる
音楽を聴きながらだったり
雑誌のモデルを真似てみたりしながら
受話器の向こうで過去は泳いでいる
それを奇跡ととるか
見過ごすか。
今回も後者でいいだろう。
それにしてもきみはいい女だ。
99以外(ブラジルじゃないんだから)
ピアノで
ギターで
そうさ あたりまえさ
夜は嘆いているよ
昨夜もそのまえの晩も
きみが望む甘美な夜を今夜腕の中に
抱えたとしても
明晩も同じように冷えきった悲しい夜は嘆く
ひどく寂しそうに
人生平等ではないし
格差を気にする事もない
皆が不満を抱いてるのは
配給のパンを待っているのと同じ
行進は衛兵のように整然としてるか?
ちがうだろ
豊かさが生んだものは
発想を瞬時に形に変えていく事だ
宝島で君らはなにしてる?
もったいないぜ
嘆いてる夜に同情してる時間はないよ
ソビエトが崩壊するときも
今と似たような状況だったみたいだぜ
友よ
忘れないで欲しい
僕らには夢があるんだ。
きみもそうだろ?
Un dia de Noviembre
「ときどき、せかいは」
by euReka/ remix by Ryusay
ふわふわした
でも何かをあきらめただけの
素直な
朝焼けの白いテーブルに差し出された
真っ黒なコーヒーは
長い夜に埋もれた
灰色の死に体に
掛ける言葉を一つ一つ切り棄てながら
ゆらゆらと
無言のまま生まれていく湯気を逃がしながら
甘い香りだけを
部屋中に満たしていった
あとは白いテーブルの上に
一輪の花の痛みが
切り取られた一片(ひとひら)の悲しみがあれば
暗い夜を越えて
ときどき世界は完成する
また今日という一日が
なに食わぬ顔をして
おはようと語りかけるように
そんなつもりじゃないんだ
「草原の終わりで」
by euReka
口笛を吹く
少年たちは顔を上げながら
空の高さと背くらべする
手には瀕死のリスをぶら下げ
細い足はミミズを踏みつける
秋を征服したあとの
やけに透明な空気にめまいを感じながら
次は少女たちを犯してやろうと
少年たちは死を覚悟した兵士のように
無抵抗なススキの原を
ナイフで切り裂きながら進んでいく
誰がいちばん残酷になれるか
競争しようじゃないか
いちばんか弱い少女を
いちばん残酷に傷つけられるやつだけが
王様になれる
しかし
瀕死のリスも
踏まれたミミズもまだ生きているし
少女たちもまた
秋の透明な空気に疑問を感じながら
草原の終わりで銃を構え
何も知らない少年たちを待っていた
そして森のフクロウは
草原の子どもたちを眺めながら
ずっと季節を刻み続けてきた透明な体内時計を
静かに止める
もうあと三分で
この世界が終わってしまうというのに
さてはて
あの子どもたちにもちゃんと
この事実を伝えてあげるべきか
それとも
一眠りしようか
ある見解
道端に落ちた
革命とやらを拾い集めることが
私のシゴトです
今じゃ革命は
ドラッグストアでも売られてるし
一家に一つくらいは革命がある時代だけど
あきたらところ構わず棄てちゃうし
古くなったら逆にカッコ悪いとかそんな理由でもって
みんな新しい革命を買い求めています
お金さえ払えば
誰だって革命が買えちゃうんですけど
そのお金さえ持っていない私は
冬の近づく乾いた道端で
みんなから見向きもされなくなった
古くてカッコ悪い革命とやらを
生き恥に暗殺されそうになりながら
駐車場の片隅に吐き棄てられた
緑の茂みで鳴く虫の声に耳を澄ませながら
一つ一つ
拾い集める
その革命とやらを
だってそれしか
まともなシゴトがないのです
〆切に追われてます(笑)Ⅱ
アホやなあ
ウンコもらして
ケツびちびちやん
うわ~ なにやってんねん
なんでブエノスアイレスまできて
アルゼンチンタンゴの生演奏聴きながらウンコもらすねん
お腹下したんか
そやったらはよ言うてや
あ
なんかパンツの染み
茶色いアフリカ大陸みたいなってるし
お前のケニアはどこやねんって
キリンの首アンテナにして
アフリカの人らは地デジ受信しよるって
そんなん嘘やろ
ああ泣かんでいい 泣かんでいいやん
悪かった 悪かった
パンツはきかえたらええだけの話や
ああちょっと そこのイケメンの店員さん
あたらしいパンツないですかって
あるわけないよな
だからもう泣くなやって
じゃあな
じゃあ俺もな
ぜったい間違ってると思うのやけどな
ブエノスアイレスの夜に
お前と一緒に
ウンコもらしてみるか
〆切に追われてます(笑)
夏の木の下で待っていた
あなたの白いワンピースは不満そうに膨らみながら
あなたの体を地面から奪い取ろうとしていた
でも浮き上がろうとするそのタイミングに
私が精一杯走ってあなたの腕を握ったから
あなたはようやく空に奪われなくて済んだのですよと
百年後の秋の木の下で
やはり私を待っていたあなたに説明すると
あなたは赤いカーディガンの奥から腕を伸ばし
もう動かなくなった私の心臓を掴んだ
木の上に棲むリスは
秋の実をじっと握りしめながら
私たちの秘密を静かに語り始めた
まずはこの世界が
生まれた理由から
