先日、一枚の写真が届きました。
そこに写っていたのは、
祖母の家族の名前が刻まれた
平和の礎でした。
この写真を送ってくれたのは、
ある一人の生徒さんです。
その子は、中学校でわたしの舞台を観たあと、
お母様を連れて、もう一度観劇に来てくれました。
そのとき、まっすぐな目で、わたしにこう言ってくれたのです。
「沖縄に行ったら、絶対に谷ノ上さんのおばあさんの家族の名前を探してきます」
そして本当に、
その子は約束を守ってくれました。
24万人もの名前が刻まれている
あの広い平和の礎で、
祖母の家族の名前を探し、
写真を送ってきてくれたのです。
祖母は、沖縄戦で家族を全員亡くしました。
石に刻まれた名前は、
ただの文字ではありません。
そこには、
確かに生きた一人ひとりの人生があります。
笑った日があった。
泣いた日があった。
帰りたかった家があった。
守りたかった人がいた。
その一つひとつの命のつながりが、
戦争によって断ち切られました。
わたしはこの写真を見て、
涙があふれました。
舞台から想いを受け取ってくれる子がいる。
しかも、それをただの平和学習で終わらせず、
沖縄へ行き、名前を探し、
家族とともにその場所に立って、
祈ってくれた。
その行動が、
本当に嬉しかったのです。
先日、
「谷ノ上さんが、そこまでお芝居を頑張れる源は何ですか?」
と聞かれました。
わたしは迷わず、
「子どもたちの言葉です」
と答えました。
これからの未来を生きる子どもたちの心に、
「ぬちどぅ宝」が届くこと。
それは、わたしにとって何よりの喜びです。
けれど今、
その子どもたちの中には、
生きづらさを抱えながら毎日を過ごしている子がたくさんいます。
厚生労働省は、
10歳代と20歳代の死因順位の第1位が自殺であること、
また小中高生の自殺者数は近年増加傾向が続き、
令和6年には過去最多の529人だったとしています。
この現実に触れるたび、
わたしは強く思います。
もっと伝えなければいけない、と。
あなたの命は大切なんだよ、と。
あなたは、生きていていいんだよ、と。
そして、
その命を、
誰かのために差し出していい命だなんて、
絶対に思わないでほしい。
どんな理由があっても、
失われていい命などない。
ぬちどぅ宝。
命こそ宝。
この言葉は、
きれいごとではありません。
失われた命の重みの中から、
それでもなお残された祈りだと、
わたしは思っています。
舞台を通して伝えたことを、
こうして受け取って、
行動にしてくれる子がいる。
そのことが、
どんなに苦しいときでも、
わたしにもう一度立ち上がる力をくれます。
だから、わたしはこれからも伝え続けます。
舞台を通して。
言葉を通して。
ひとりでも多くの人に
「ぬちどぅ宝」が届くように。
そして、
もう二度と、
誰かの大切な人の名前が、
戦争によって石に刻まれることのない未来を願って。
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谷ノ上朋美ひとり芝居 作品紹介
「ゆんたくしましょうね。」
「旅立ちの詩〜彼女たちの羅針盤〜」
「ワタクシ、ゴト」
「人魚姫...の娘。」
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