前回は、学習障害(LD)の
気づきと症状を見ましたが
今回は、治療について見てみます。
きょうは、非常に長い文を転記しますが
お付き合いください。
(厚生労働省HPアドレス)
自閉症スペクトラム障害
幼児期に診断された場合には、個別や小さな集団での
療育を受けることによって、コミュニケーションの発達を促し
適応力を伸ばすことが期待できます。
また、療育を経験することによって、新しい場面に対する
不安が減り、集団活動に参加する意欲が高まります。
言葉によるコミュニケーションに頼りすぎず、視覚的な
手がかりを増やすなどの環境面の工夫をすれば、
子どもの不安が減り、気持ちが安定し、パニックが少なく
なることが期待できます。
早期に診断することは、親が子どもをありのままに理解し、
その成長を専門家のサポートとともに見守っていくことに
役立ちます。
自閉症を治す薬はありませんが、睡眠や行動の問題が
著しい場合には、薬の服用について医師と相談してみるのも
よいかもしれません。
思春期以降になって不安症状やうつ症状が現れた場合には
抗不安薬や抗うつ薬を服用すると改善することがありますが
その場合にも、症状が現れる前に過度なストレスがなかった
か、生活上の変化がなかったか等、まず環境調整を試みる
ことが大事です。
また、幼児期から成人期を通して、身近にいる親や配偶者が
本人の特性を理解していることがとても重要です。
それによって本人が安心するだけでなく、親から教師、上司
などに対し特性を伝えることによって、本人にふさわしい学校や
職場環境が整い、支援の輪が広がっていきます。
成人を対象とした対人技能訓練や認知リハビリテーションを
行っている施設は少ないですが、対人関係上の問題への
対処方法を身につけるには有効です。
地域の発達障害者支援センターが、自閉症スペクトラム
障害者を対象にしたグループ活動を行っていることがあります。
注意欠如・多動性障害(ADHD)
幼児期や児童期に診断された場合には、薬物療法と行動変容
そして生活環境の調整が行われることが多いです。
薬物療法としては、脳を刺激する治療薬であるアトモキセチンや
塩酸メチルフェニデートという薬がおもに用いられます。
どちらも脳内の神経伝達物質であるノルアドレナリンやドーパミン
の不足を改善する働きがあります。
現在のところ、日本では成人のADHDの人が服用できる治療薬は
ありませんが、将来は成人への処方も認められる可能性があります。
生活環境の調整としては、勉強などに集中しないといけないとき
には本人の好きな遊び道具を片づけ、テレビを消すなど、集中を
妨げる刺激をできるだけ周囲からなくすことが重要です。
また、集中しないといけない時間は短めに、一度にこなさなければ
いけない量は少なめに設定し、休憩をとるタイミングをあらかじめ
決めておくことも効果的です。
自閉症スペクトラム障害と同様、親をはじめとする家族がADHDに
対する知識や理解を深め、本人の特性を理解することが、本人の
自尊心を低下させることを防ぎ、自分を信じ、勉強や作業、社会生活
への意欲を高めることにつながります。
学習障害(LD)
学習障害の子どもに対しては、教育的な支援が重要になります。
読むことが困難な場合は大きな文字で書かれた文章を指でなぞり
ながら読んだり、書くことが困難な場合は大きなマス目のノートを
使ったり、計算が困難な場合は絵を使って視覚化するなどの
それぞれに応じた工夫が必要です。
親と学校とが、子どもにある困難さを正しく理解し、決して子どもの
怠慢さのせいにしないで、適切な支援の方法について情報を共有する
ことが大事です。
やはり、ここでも理解です。
本人の特性を理解し、支援する。
フレンズは、そんななかでも
ほんの少しだけでも、お役に立てればと思います。