先日ある講演終わりで
「絵本の読み聞かせに音楽を入れることについて
どのようにお考えですか?」という質問を頂きました。

そこで詳しくお話を伺うと
音楽が感動的で子供たちは泣いてしまうのですが
音楽で泣く感じがして
絵本の内容とまったく合っていないと感じたのだそうです。
福島県で今年9月頃、
図書館主催の講座をさせて頂いたときも
同じような疑問を職員の方から伺いました。
重なったので、わたしなりにどのようにしているか
書いてみたいと思います。
理由は・・・
そういえば・・・
そういうお話会けっこうあるなぁ・・と
改めて思い返したからです。
絵本の読み聞かせ会は、
音楽を絵本につけることに関しては、
お話し会などお客様も無料で
読み手もボランティアで行う時などは、
申請は必要ないことが多いです。
でも・・・
このお話しにハープ??和の世界だから三味線の方が??
とか、
このお話しに、この音楽?
絵本の絵とお話が、音楽のダイナミックなストーリー性に負けてしまう・・・
などなど、作者のかたが聞いたら残念に思わないだろうか・・
と思うような音楽がついていることも多いように、
わたしも感じています。
昔、私はアナウンサーから声のお仕事に特化しようと
声を主にする事務所に所属したことがあります。
そのときに、声のサンプルを制作するのですが
まず、原稿があり
その原稿が一番生きる読み方を練習して
最後にその世界に合う音楽をさがす・・・
と、今でも尊敬し感謝しているかたから教えて頂きました。
マネージャーも録音するとき、同じように現場で話していました。
私も読み聞かせステージなどのときは、音楽を入れることもありますが
そのときも、まず、絵本をぶつぶつ表現してみて
作者のかたの意図を作品資料などから確認してみて
絵も良~く見て・・・
最後に、お話の世界が膨らむような、お話の世界から
一歩下がったような曲を選んでゆきます。
効果音などは、想像して頂いた方が良いなと思うので
入れません
そして、
普段の園や学校のお教室(体育館などのステージ的なものは除く)や、
静かさを保てる図書館などは音楽はいらないかな?と思います。
音楽をいれないことで、
人の声そのものが個性のある楽器のように、それぞれの方の
世界を創るからです。
音楽はかえって邪魔なように感じたり
音楽でごまかしているように感じてしまいます。
人だけの力で創る世界も、生身の人の温もりが
とても心地の良いものだと思っています。
さて、お話は戻り
ナレーターの頃のお話ですが、
現場に出て、テレビ番組など映像が仕上がってくる間に
原稿をさっと下読みして自分なりの表現を決めてみたりします。
すると、いざ本番になると、その原稿のイメージとは違う音楽が入っていたりすることも多々あって・・・
そのときは
「あ、ディレクターさんが創りたい世界は、こうなのか・・」と
即時対応でした。
お仕事には役割があるので、人のお仕事にまで意見せず、
自分の役割を的確に果たすことがいいかなというのは私の場合の考え方です。
だから、絵本の読み聞かせを始めた時、嬉しかったことは
読み方も選ぶ音楽も演出もすべて、
自分で決められたということです。
作者と絵の意図を理解していれば自分の世界を創れたことです。
わたしがこのお話を伝えるとすると、というような・・・です。
アナウンサーから声だけのお仕事に特化していった年代・・
そこからまた絵本の読み聞かせというジャンルに
特化していった年代・・・
これからも変化を自然にして
これからも楽しいと思うことをお仕事にし続けて
80代になったとき・・・
まだお仕事をしていて(笑)
子どもたちが
お目目がくりくり、きらきらするようなお話をしている
大好きなお話おばあちゃんになりたい。
お仕事は年齢とともに少なくなってゆくものではなくて
その年齢でできるものに変化してゆき
増えてゆくものだと思っています。
その為に、新たな努力も必要かなと感じます。
心理を新たに学びながら、その道の先生に取材をしながら
自分の前で起きていることを理論付ける為に、
研究するために、
学びは続けています。
暗記力が衰えていることを実感しますが
回数でまかなってゆこう・・と
嘆く前に
方法を考えますよ(*^-^*)
80代のおばあちゃんのわたしは
笑い皺でいっぱいでいたいから・・・♪
