「昔々、嘘しか言わない少年がいました。」

 

から始まるドキュメンタリー映画、

「プリズン・サークル」。

右差しプリズン・サークル




 

劇場に足を運んで観たのは、

久しぶりのことでした。




どうしても劇場で観たかったのは、

息子と観るのに抵抗があったからです。

一人でしっかり真剣に観たかった。

 

いいタイミングでした。

 

十三の第七藝術劇場で、坂上香監督の、

映画終了後トークショウがあり、

私はそれに真っ先に申し込んでいました。

 

私の熱視線は、

Twitterで流れる「感動して泣けた!」

のような安っぽい感想ではないです。

 

 

虐待を受けた。

児童養護施設に入れられた。

親から愛されなかった。

 

生きづらさの心の奥に大切に封印してある

この悔しさ、悲しさ、怒り、寂しさ。

 

を、誰にも言えない。

 

もしくは、言う人を間違える。

 

と、何が正しくて何が普通で

何が幸せで何が正義で何が楽しいのかが、

わからなくて麻痺してしまっている状態が、

長く長く続きます。

 

誰も信用できないし、

誰も信頼できない。

 

傷つけられる前に、

傷つけてしまえ。

が、「自己防衛」なら、

善悪の判断は、

自覚しにくくなるんだと、

思います。

 

かといって、

犯罪を犯すことは、許されません。

 

私は、依存症についても同じことだと、

思いました。

 

 

人を傷つけることとしては、

同様の「罪」があると思ってます。

 

 

この映画の更生プログラムは、

島根の刑務所の中でも限られた人だけ

受けられる特別なプログラムで、

普段は、ほとんど私語厳禁で、

黙々と日々を過ごすのだそうです。

 

400万人の犯罪者の中で、

40人だけが受けられるプログラム。

 

私は、そのことにショックを受けました。

ええ?そんだけ?

 

支援者と国の温度差が激しいのだそうです。

 

そりゃ、再犯率多いわけだわ。

「スリップ」と同じやん。




本日も、読んでくださり、

ありがとうございます。

 

 

トークショウの時に、

「社会(シャバ)はやさしい」という話に

なりました。

 

本当に、そうだろうか?

 

 

犯罪を犯して、

捕まって、刑務所で黙々と過ごすことと、

 

依存症と家族に強制的に、

あるいは自分で入院して、

病院で数ヶ月黙々と過ごすこととは、

 

大差ないのではないんじゃないかしら。

 

映画に出ておられた受刑者の方達は、

必然だったのかなあ。

偶然だったのかなあ。

 

運命だったのかなあ。

 

この社会は、問題だらけです。

 

社会問題のせいで犯罪者になったのか、

元々犯罪者の性質だったのかと

考えると、私は前者に気持ちを乗せたいです。

 

あの時、あの選択で、

人の人生が大きく変わるなら、

傷つけたくない。と思うのですが、

私を傷つけた人に対しては、

傷つけたいとも思います。

 

まっさらな魂を持って生まれてきたはず。

 

どうして傷つけられてきたのでしょう。

 

守られず優しくされてこられなかった

私は、自分で自分を守るスキルが

必要だということを、

断酒してからずっと学んでいます。

毎週通っているミーティングが、

効果的なことは、私が体感していることなので、

今日観た映画のプログラムに関しては、

なんら特別なことでは、私にはないのですが、

 

この映画を撮影するにあたっての

交渉が6年がかりだったこと、

撮影にかなりのストレスがかかったこと、

ご苦労があったこと、

自分の気持ちを言語化して、

正直になることがこれほど困難なことだと

いうことがわかり、

そのことに感動しました。

素晴らしい映画です。

これは、必見です。

 

自分から変わろうとする。

正直に生きる。

 

そういうマインドでいると、

運命的に手を差し伸べてくれる人に

いつか必ず出会います。


ただ、そのことに気づかない人が、

社会(シャバ)の「ほとんど」という

残酷なメッセージも含まれている作品

だと私は思いました。



TCプログラムや、

AA、断酒会、自助グループ、などの

「仲間」が、輪になって、

言いっぱなし、聞きっぱなしの

話、愚痴が吐露できる場が

増え続けることを願っています。

 

 

坂上香監督と、

(ごめんなさい名前間違えてました。)あせる

お目にかかったのは今日で2度目でした。

数年前、「トークバック」という映画でも、

トークショウがあって、

それにも参加したことがありました。

 

 

私は勝手に運命を感じています。笑

 

 

あなたにとって、

素晴らしい一日でありますように。音譜

 

今日一日、いま、ここ。ドキドキ

2020年7月13日水曜日12時55分加筆修正