皆様、暑い夏、いかがお過ごしでしょうか。台風被害が出ませんように。
天王台ふれあい夏祭りが開催されますように。
さて、久々のブログ、このあいだ、感動したことがありましたので。
息子が0歳のときに始まった番組、Eテレの にほんごであそぼ 。
独創的な衣装と宮澤賢治さんの言葉が心地よいリズムで使われているのが印象的な、日本語の豊かさを伝える齋藤孝さん監修の番組です。
番組のコスチュームとセットのデザインを担当しているのは ひびのこづえさん。
ドリカムやゆず、あの衣装、あの舞台もひびのさん担当だったのか!と感心します。
いま、番組で使われた衣装や、放送の内容を伝えるパネル展示が銀座のギャラリーで開催されています。
通りがかった大人が、カラフルなチラシと、素敵なポスターに引き込まれるようにギャラリーに入っていきます。
萬斎さんら出演者がひびのさんの衣装とセットのなかで躍動する姿が壁いっぱいに展示され、
ジオラマのように可愛らしくて芸術的な仕掛けおもちゃの実物が、放映時の映像とともに展示されています。
地下には、身体のパーツをモチーフにした衣装が、薄暗い照明のなか、
浮き上がるように展示されています。
思わず見入ったのは、出演者のひとり、
世界的ダンサー森山開次さんとひびのさんの出会いが語られるビデオ。
森山さん39歳、ひびのさん55歳。
年齢も性別も違うお二人が、表現の方向性、人生にまで影響を与えあっていることが、
それぞれの言葉から感じられます。
なんて幸せな出会いだろう、と思います。
子ども時代、内向的で人前に出るのが苦手だったという森山さん。
たまたまみたミュージカルに衝撃を受け大学を中退。
そこから自分のためだけに、肉体改造に取り組み、ひたすら練習し、世界で活躍するまでに。
自分のために踊っていた森山さんが、自分以外にも意識を向けて踊るようになったのは、
この番組で、ひびのさんの衣装をまとって踊ったことが転機だったそうです。
これならどう、と意地悪なくらいにハードルを上げても、やっぱり彼はそれを越えてくる、とひびのさん。
それを聞いてか聞かずか、もっと衣装に命を吹きこんで
生き生きと踊らせてあげたい、と静かに語る開次さん。
素敵な出会いです。
自らの欲求こそが興味ある分野を深めるモチベーション。
それを突き詰めて、突き詰めて、それを、
だれかに手渡してみたい、と思ったとき。
その世界はたちまち新しい風を迎え入れ、
豊かに可能性を広げるのかもしれません。
いま、息子は、ものがたり文化の会との出会いで、賢治童話を身体で表現する人体交響劇と出会い、自分を表現することに夢中になりました。
いまは、自分のために、その世界をもっと深く知りたいと切望していると思います。
他者にどう見せたいか、を意識する日がくるかどうかはわかりませんが、そのときを迎える日がきたなら、
私は、森山さんとひびのさんを思い出すだろうな、と思います。
自分が好きだと思うものを、人前で表現する。自分を豊かにしてくれるもので、ひとを喜ばせることにまたひとつの喜びを得る。
心が豊かになれるなあと思いました。
もうひとつ、強烈に印象に残った開次さんの言葉。
人前で踊るのは恥ずかしい。なんで人前で踊ってるんだろう、って思います。
えー(笑)!!
流れるBGMは、泰基博さんのグッバイ アイザック。合いすぎて、泣けました。
ひびのこづえさんの展示、からちょっと私の視点はずれましたが、そんなふうに、
ひとのあり方を変えるひびのさんのパワーを
リスペクトします。
興味のあるかたは、銀座gggでぜひ検索を。