小学生のころ読んだ本のなかで印象に残っている1冊、「ぽっぺん先生と帰らずの沼」。空想の世界にどっぷりとつかり、ぽっぺん先生と一緒に冒険している気持ちになりました。空想のチカラで、心のなかに映像や音声をつくりだしていく本の世界。詳細は覚えていなくても、読後感は、色褪せず鮮明に心に残っています。ところどころにしか出てこない挿絵のぽっぺん先生が、心のなかでは、生き生きと全編にわたって、止まることなく動き、話し、飛んでいました。
1人シアターのように贅沢な時間。
店内のキッズスペースで、器用にページを1枚ずつめくり、じっと絵に目を凝らす1歳児のMちゃんの姿がありました。おすわりして、絵本のページを自分でめくり、じっと絵に見入るようになったころのわが子の9年前の姿が重なりました。
いまでは息子も、文字ばかりがびっしり並ぶ本を読むようになりました。心のなかは、彼がつくる映像や音声でいっぱいになっているのでしょう。
最近は梨屋アリエさんの「ココロ屋」を息子と順番こに読みました。
最後にムフッと笑ったのは私だけでした。