ブータンのサッカー代表選手とコーチング | 鶴嶋厚子のコーチングライフBLOG

ブータンのサッカー代表選手とコーチング

先日、NHK大分放送局が制作したおもしろい番組がありました。


幸せの国といわれているブータンのサッカー代表選手と日本人監督の話です。


ブータンという国は、国民の9割以上が「幸せ」と感じている「幸せの国」です。


サッカー後発国のブータンの代表監督は、J2大分トリニータで暫定監督を


務めたことがある日本人の松山博明さんです。


松山監督が日本に家族を残しての単身生活をしながら、


ブータンのサッカー代表チームを強くするための奮闘の日々が紹介されていました。


選手たちは19歳以下の若者。


国の代表選手といえども、ブータンではサッカーだけでは食べていけないので、


練習もさぼりがちです。


しかも、平気で無断で休みます。


集合時間も守りません。




経済的にもとても充分とは言えません。


選手たちは、合宿生活をしているのですが、施設はシャワーが壊れていて


練習後の汗を流すのも一苦労です。


食事はと言えば、育ち盛りの若者にとってはとても満足とは言えない、肉が入っていない


野菜中心のメニューです。


練習グラウンドには牛も参加するというような、日本では考えられない環境です。



その中で、グラウンドでは松山監督の指示する声だけが響いています。


なかなか指示通りには動いてくれません。


なんと、大きな声を出す習慣がないブータンでは、サッカーの練習と言えども


例外ではないのです。


「こっちへボールをパスして!」とか


「走って!」とか


大声を出して指示を出したり、要求したりという習慣がないそうです。


みんな、無言のまま静かにサッカーの練習をしたり、試合をしたりしているのです。




国が違えばこうも違うのかと本当に驚きました。


練習試合でもコミュニケーション不足から意思の疎通ができずに負けてしまいました。


そのときから、松山監督は練習方法を変えました。



これまでは一方的な指示や命令で進めていたのですが、


選手たちに考えてもらうことにしました。


「しばらく時間をとるので、試合をどのように進めていってらいいか自分たちで


考えて、その結果を聞かせてくれ」


と指示を出しました。


すると、どうでしょう。


最初はとまどっていた選手たちが、声を出し、話し合い、活発に意見を出し合っています。


私は、まさに、コーチング的だと思いました。


人は、言われてするよりも、自分で決めたことのほうが動く。


と言われています。


ほんとうにそのとおりだと思いました。


選手たちは、自分たちで考えて、声を出して動くようになり始めました。


世界ランクの下から10番以内に入るくらいの弱小チームですが、これからの成長が


とても楽しみです。


日本の次に、ブータンを応援しようと思います。


再放送が6月11日(土)NHK10:05から10:48にあります。


ぜひご覧になってみてください。


感じるところは、人それぞれだと思いますが、感動するのは間違いなしです。