思い出に浸った時間

『THE BEST OF MUSICAL CONCERT』

昨日クリスマスイルミネーションが広がる大手町のホールで、素敵な再会をしてきました。

平日昼間にも関わらず満席。

それもそのはず。。出演は・・・

保坂知寿さん、鈴木壮麻さん、福井昌一さん、木村花代さん。

長年の四季のお客様ならこのメンバーの共演はご覧になりたいはず

私だって、このコンサートのフライヤーを見た時に『えー楽しそう！』と思いましたよ。

当初出演予定だった沼尾みゆきちゃんがご懐妊というオメデタイ展開になりまた上手い事スケジュールが空いていた花代にバトンタッチ！

四季時代からこの2人。

こうやって交代しながら作品を支えていたなぁと思い出しました。

花代が貴重なチケットを抑えてくれて

素敵な時間を共有させて頂きました。

ありそうで無かったコンサートでした。

元四季メンバーが四季時代やった役の歌を外部でまたこんなに歌うなんて。。

何だか不思議な感覚でした。

ゲネプロを観ているような？

客席センター辺りに浅利先生がいらっしゃるのではないか？

という錯覚に落ちそうな程。。

知寿さんのマリアやグリザベラに出会い

壮麻さんのビーストやスキンブルに出会い

福井さんのトニーやラムタムタガーに出会い

花代のベルやシラバブに出会い

1曲1曲に思い出がありすぎて

知寿さんのグリザベラを聴きながら、今は亡き志村幸美さんが見えるような気もしたり。。

どんな作品にも歴史があり

それを繋いできた先輩方がいらっしゃる。

でも、オリジナルキャストで聴ける機会はなかなか無く

知寿さんが話されたファントム日本初演の時の稽古場の話や、壮麻さんが話された美女と野獣の初代ビースト達の裏話etc

現役の人達にこそ見て欲しいコンサートでした。

現場にいると、やらなければならない事、覚えなきゃいけない事に追われるのですが、自分が頂いた役が生まれた時の話を聞くと、もっと作品を好きになれたり、衣装やセット１つにも愛情が湧くはずで。。

毎日毎日のステージがより深く、段取りをこなすだけにならなくなるでしょうね。

そんな自分も、今改めてそんな事を思うわけですから、現役の頃は役作りがまだまだ浅かったなぁと思いますが、今思うと、先輩方には色んなお話を聞かせて頂き、動きを見て頂きました。

2回公演の合間にリハーサル室でどれだけウォーキングや回転の稽古を衣装付きでやったか。

休まれたいであろう先輩方が付き添ってくださり、アドバイスをくださるのです。

オリジナルキャストの方々は作品が出来ていく熱い現場を知っていらっしゃいますからね。

少しでもクオリティが落ちると『稽古しよ！』と常に作品の質を落とさない努力をされる。

恵まれていました。そんな現場にいれたこと。

昨日はそんな思いに感謝した時間でもありました。

人は思い出に浸り懐かしんだり、思い出に助けられたり、その頃と今の自分を比べてみたり、あの頃もっとこうだったら違っただろうなぁと思ったり。。

でも過去に戻れるのは頭と心だけ。

だからこそ、今を大切にしなきゃなと思いました

役や作品との出会いは奇跡のようなもので

発表会１つにしても今この歳のこの子の踊りを見れるのは今回だけだ！と思います。

だからこそ稽古にも熱が入ります

いろんな事を改めて考えたいい時間でした。

終演後、知寿さんにお会いしました

10年以上ぶりなんですが、そんな気がしませんでした。其れ程に、10年なんてあっと言う間なのかもしれません。

でも『やのかな元気なの〜？』と抱きしめてくださった瞬間に涙が溢れてしまいまして

『あれ泣いてる』とサバッと突っ込んでくださる知寿さんがまた変わらなくて

私の劇団四季最後の舞台は『夢から醒めた夢』でした。

ピコは知寿さん。マコは花代。

知寿さんはピコ卒業の時でした。

最後のステージの後、袖で拍手でお迎えしましたが、その次の日四季卒業だった私を力一杯抱きしめてくださったあの時の感覚が蘇りました。

温かい方なんです。

今回のコンサートではなんと2人で

『二人の世界』を歌われたんですよ。

『ちょっと今から無理します（笑）』って仰って

感無量でした。

この曲をまたこの2人で聞けるなんて。

16年前ぶり？！

本番中、この曲の間の楽屋裏の動線まで、まだはっきりと覚えてます

この作品はその後、たくさんの人に受け繋がれ

実は今、再演に向けオーディションが控えているそうです。。

どんな方たちが作品を繋いでくださるのかなぁ？

作品、音楽、役、それを生きた仲間、あの頃の自分、今の自分etc

いろんな形の再会にとても幸せな気持ちを貰いました。そして気づきました後悔はないです。

最後に4人が歌われたコーラスラインの名曲

『愛した日々に悔いはない』

その歌詞が深く心に染みました。

今なら私にも心から歌えそうな程に。。。（笑）

またがんばれます元気に歩いて生きたい