昨日、とある場所に妻とお別れに行ってきました。
マッサージ屋さんです。
僕が20代の頃から通っていたマッサージ屋さん。
おばちゃん一人で40年以上やっているところ。
新宿の小さな古いビルで40年ですよ。
僕は、お母さんと呼んでます。
現在、69歳。
ブス恋にも登場したこのお母さん。
体は小柄で山田花子さんみたいな感じ。
まあよく喋る。笑う。パワーをくれる。
めちゃくちゃ手の力が強い。
20代で、仕事がキツすぎて、ヘロヘロな僕を、フジテレビのプロデユーサーが紹介してくれました。
小さなマッサージ屋さんで、お母さん一人でやっている。
新宿のうらびれた路地の奥にあるビルなんで、最初は大丈夫かな・・・と思ってましたが、いやー、凄い力。テクニック!
僕はよく、首を寝違えた状態になるんですが、そこのお母さん、なんと、30分ほどの施術で治してしまう。
神の手と僕は呼んでいます。
マッサージが終わると、味噌汁を出してくれたり、本当にお母さん。
あの頃から、お母さんは僕を「先生」と呼びました。私が「先生」と呼べば、先生になるからね・・・と言ってくれました。
結婚する時は、妻にプレゼントをくれました。
マッサージのプレゼントです。
妻に、マッサージを教えてくれたのです。
僕の体だけに効くマッサージを妻に伝授してくれた。そのマッサージのおかげで、僕は妻にすくわれている。
何て素敵なプレゼント。
このお母さん、60代前半で再婚しました。
その相手は、脳梗塞で倒れてしまった男性。
お母さんが、後遺症が残ったその体を、マッサージ師として揉んでいました。
揉み続けること半年くらいでしょうか、なんと歩けなかったのに歩けるようになったのです。
後遺症もほぼなくなったのです。
当時、お相手の男性は70代後半。
男性からプロポーズしたそうです。
お母さんはその時言いました。誰かの役に立てて生きれるなら嬉しいと。
あれから6年ほどがたち、旦那さんは85歳だそうです。
お母さんは69歳。
旦那さんが言ったそうです。そろそろ店を辞めてくれないかと。
お店をやっている以上、一緒にいれるのはほぼ週末のみとなります。
お母さんは多分悩んだでしょう。
ずっとやってきた仕事だから。
だけど、お母さんは僕と妻に言いました。
ー旦那さんは85歳。あと何年いれるか分からない。確かに仕事に未練はあるけど、一緒に旦那といることを選ぶ!ーと。
あとで後悔したくない!!と。
なんか、それを聞いて、僕と妻、泣きそうになりました。
凄い勇気のある選択。42年間やってきたその小さな部屋は片付け途中。
僕はそこで最後のマッサージを受けました。
妻も。
力強い。あったかい。
お母さんにマッサージしてもらったあと、僕は握手をして、お疲れさまと言って妻と出てきました。
愛する人と、命を削ってやってきた仕事。
選択。
お母さんは、未練を断ち切る!!と言いました。
格好いいな~~~!
写真は、ずっと僕が揉んで貰って来たマッサージ台。
お母さん、本当に本当にお疲れ様でした。ありがとう!!!!!!!
幸あれーーー!!
僕の体が故障してしまったら、呼ぶからねーーー!その時は治してねーーー!!
みなさん。
自分の魂を込めてやっている仕事があるとします。
愛している男性に、やめて一緒にいてほしいと言われたとします。
あなただったら、どうしますか??
****************************************
「芸人交換日記~イエローハーツの物語~」
太田出版より 大好評発売中です★
↑ご購入はコチラから
鈴木おさむメールマガジン
↑ご登録はコチラから