私は姉と二人で南6条西22丁目に住んでいたことがある。
友人が泊りがけで遊びにきた次の日は朝日が丘公園にいってみようと決めた。
二人で歌を歌いながら丘の中間ほど上がってきたその時、
白の大型のロールスロイスがとまり
後部のガラスがゆっくりと下がり、
中に50代中ぐらいの男性が声をかけてきた。
オール巨人さんにちょっと似てると思った。
「お姉ちゃん達は公園にいくのかい?」
私達は「ハイ」と答えたのだ。
「良かったら車に乗りなさい。連れて行ってあげるョ」
と車は動かないのだ。
私達は静かに車に乗って公園まで行った。
車から降りると巨人さんも一緒に降りてきた。
「今日はいい天気だナー」と言った。
「そうですネ」
本当にきれいに晴れ渡り街の遠くまで見る事ができた。
巨人さんが私に「親子さんは何をしているの?」
と聞いてきたのだ。
「あー、横浜でニコヨンをしています。」
と答えたのだ。すると巨人さんは
「う~ん、横浜でかー。よかったら帰り私の部屋によってから帰りなさい」と言われ
流れのまま巨人さんは大きなマンションに車を止め、
「楽にしなさい。さあ、上がって。」
と言って部屋に入って行った。
別の男性に何か言いつけて、別の部屋に入って行き
スーツ姿から着物姿になって出てきたのだ。
しばらくすると特上のお鮨が届き、
巨人さんは「遠慮しないで食べなさい」と言った。
また、別の男性がお茶を持って私達に「どうぞ」と言ったのだ。
20才ぐらいで何回もお鮨屋に行けるようなお金などあるわけなどないので、
言われるままに全部きれいにゆっくり味わって食べた。
美味しそうに食べている私達を巨人さんはだまって見ているのだ。
しかし、私達のいる部屋の部屋はドアがなく、
その中にブラジャーをせず、パンティだけの姿の女性が10人ぐらい暗い顔をして座っているのだ。
何か変だナー。
もしかして、とんでもない所に私達はいるんだと思いながら、
丁寧にお礼を言い「帰ります」と言うと
「下まで車で送ってあげるョ」と言われたのだが
ゆっくり歩いて帰ります。
「本当にありがとうございました。」
マンションをあとにゆっくり帰ってきた。
友達も私もこれってヤクザの家に行ってごちそうになったって事、
あの女の人達は普通の仕事をしてるわけではないと思うなど
何事もなく帰ってこれ、ホッとしながらも
会ったばかりの私達にごちそうまで、なぜしてくれたのかと思った。
ちっこ
