少し前のことになりますが、着物スタイリストのBlancaさんが、黒留袖についてインスタでこのように書かれていました。
さて留袖は、今は礼装ですが
昔はハレの日に着る
着物ではなかったそうです。
(中略)
留袖は江戸時代の後半から
人々の間で既婚女性の
礼装となりました。
そして、黒留袖は黒く染めた
留袖に五つ紋を入れ、
裾だけに模様を配した着物です。
黒なのに礼装?
と不思議な気もしますが
正式な場での礼装となった理由は
諸説あります。
有力なのは明治時代以降、
西洋からのブラックフォーマルドレスの
文化が入ってきたあたりに
西洋文化を真似して
黒留袖を礼装の場で
着るようになったそうな。
↑インスタの文章中から一部をそのまま抜粋させていただきました。
この留袖とってもステキ
これを読んだとき、なるほどと思いました
もちろんBlancaさんも諸説あると仰っている通り、色んな理由があるのでしょうけれど・・・。
私の心に一番引っかかったのは
西洋文化を真似して
という部分。
江戸時代には日本人の普段着だった着物が、いつしか普段着でなくなってしまったのは、日本人が西洋に追い付け追い越せという意識で西洋文化の真似をしたことが大きかったのだと思います。
大河ドラマ「青天を衝け」のオープニングで、栄一が初めは和服なのにだんだんと洋服になって行くのですが、まさにその時代、日本人は西洋の真似をして着物を脱ぎ棄ててしまいました。
着るものだけではなく、生活様式も西洋化していったため、ますます着物は「着にくい」衣服になってしまいました。
たとえば、お家きものを楽しんだことのある人にはわかると思いますが、着物の袖はドアノブによく引っ掛かりませんか
昔の日本家屋は引き戸でドアノブがなかったから、引っかかるなんてことはなかったのです。
背もたれのある椅子に座るときは、帯が邪魔になりますよね。お座敷で正座するなら、そんなこともないわけです。
生活様式が変わったのだから、着るものが変わっていくのもある意味当然のことですよね。
だけどやっぱり日本人は、着物を完全に捨てることはできなくて、だから正装の時には着物を着るという風習が残っていったのかな…と思います。
ただちょっと残念なのは、それが男性にはあまり残らなかったこと。
結婚式で新郎新婦のお母さんは留袖のことが多いのに、お父さんが和服って、あまり聞かないですよね
確かに今の時代、日常に着物を着るって、残念ながらあまり現実的ではないのかもしれません・・・。
・・・実際、私だってそれはできてないし
でも、たまにはちょっと着物を着る日を作ってみるのもいいのではないかな、そんな風に思って実際に着てみる人が少しでも増えてくれたらいいな…
そうそう、だからやっぱり
気軽にきものを着てみよう