くも膜下出血と硬膜下血腫で急遽入院した父。
最初の検査結果では、くも膜下出血の原因になる脳動脈瘤が見つからず
手術を見送り、安静にということで、引き続きICUへ。
そして5日目。MRIやCT、そして2回目のカテーテル検査の結果
ようやく治療方針が決まりました。
これだけ検査をしても、実はまだくも膜下出血の原因が判明しないのです。
「もしかしたら・・・」という小さな小さな瘤はあったものの、これが原因とは
考えにくく、かといって、万が一ということもあるので、手術して処置するという
手段もあり・・・。
あらゆる可能性とあらゆる危険性を説明された上で、
「手術をする」という選択肢と「このまま安静」という選択肢を
提案され、最後はご家族で決めてください、と言われました。
これって、親切なようで、かなり酷なことです。
だって、どっちにしても危険な可能性があるのです。
家族としては決めかねます。
絶対的な答えはないわけですし。
まさに父の命を預かっている、そんな気持ちになってしまいました。
もちろん、先生に一方的に決められてしまうのではなく、
いいも悪いも全ての可能性を提示された上で患者サイドで最終
決断を下すというのは、家族の意志を尊重してくれていることでも
ありますし、家族にきちんと納得してもらった上で判断するという覚悟
をさせてもらう時間でもあるのだと、後からきづきましたが・・・。
でも、患者としては、選択肢を出された上で、先生の勧めてくださる
処置方法を教えていただきたいものなんだというのを肌身で感じました。
私は医療の現場でのコミュニケーションを教育する立場として
改めてほんとうに深い学びだらです。
先生や看護士さんの表情一つでどれだけのインパクトがあるのか
先生や看護士さんの発する一言がどれだけ患者の動揺につながるのか
先生や看護師さんの関わりがどれだけ救われるのか
痛いほど分かりました。
また、今回、母と兄と私の3名で話しを聞いているのですが、
人は動揺するといかに話を聞けなくなってしまうのか、
それも本当によくわかりました。
そして、情報がいかに大切で、そして同時に情報がありすぎると
どれだけ混乱を招くのか、本当に大切な情報を見極めていくこと
そんな大切さも知りました。
また、人はどれだけ事実ベースではなく、憶測に迷わされ、悩まされる
のかも実体験として感じました。
そして、なによりも・・・
「助けてください」「教えてください」と声を挙げたときに
本当に様々な人がその人なりの関わりで、励ましてくれたり
パワーを送ってくれたり、情報を探してくれたり、アドバイスを
くれたり、人の温かさを感じました。
私が知っている方からも、そしてソーシャルネットワーク上でしか
接点のない方からも沢山のサポートをいただきました。
大変な事態にも関わらず、家族が一致団結してなんとかしようと
していることへの絆や生きていることへの純粋な感謝、人の温かさ
さまざまなギフトをいただいているように感じます。
本当にありがとうございます。
エールをくださったみなさま、本当にありがとうございます。