今日、以前から興味のあったら「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」
に行ってきました。
全く視界が利かない程の真暗の暗闇の中で、90分過ごすという
体験をするのです。一体それが自分にとってどんな経験になるの
だろう?という好奇心がありました。
正直言って、はじめは想像していたよりも、暗闇が恐ろしく、
90分も私はもつのだろうか?と恐怖心が襲ってきいました。
(別に暗いところが苦手ではないんですけどね。)
しかし・・・いざ中に入ってみると様々なことが体験できるように
なっており、視覚がない状態で色々なものを触ってみたり、
聞いてみたり、感じてみたり、遊んでみたり・・・!そんな
仕掛けがいたるところにあるのです。
すると不思議と怖さはなくなり、逆に純粋にその場を楽しむ
ことができるのです。8人のグループで体験していくのですが、
初めてあったばかりの人達が声を出し合ったり、手でサポート
しながら協力しあうのです。
言葉では表現しがたい、とても豊かな時間でした。
まだ体験したことがない方はぜひお勧めします!!
終わった後には、自分の五感が研ぎ澄まされているのが
分かりました!
「こんなに日常には色々な音があったっけ?」
「いやーー、様々な音が頭に飛び込んできて、うるさい」
「手に付いた粉のこの感覚を味わってるのが楽しい♪」
「触れなくても、隣に人がいるのが分かる」
本当はこれだけの感覚を人は持っているのですね。
しかし、視覚があまりにも情報量が多く、おそらく人間
の感覚の中で大きな部分を締めているので、他の感覚を
鈍らせてしまっているのだなと思いました。
そう、はじめは「暗闇」だと思っていたのですが、
「闇」ではなく、なんともいえない素晴らしい時空間でした。
禅の言葉で
「自己を学ぶとは自己を忘るるなり」という言葉がありますが、
「自我を捨てる」「自我を意識しない」というのは難しいものが
あるのだな・・・と思っていたのですが、真っ暗の中では、
ただ無我夢中になって、その瞬間生きているだけなので、
「私が・・・」という感覚は無くなりました。
すると不思議なもので、人を自然とサポートしたり、
新しいものがあると自然と伝えたくなるんですね。
自我を忘れて、いま、ここを生きる、そんな感覚が自然と
出来ていた気がします。
最後に・・・
いただいたパンフに
「いわゆる健常者と障害者者の立場が逆転してしまうこと」
というくだりがありました。
今日真っ暗の中を案内してくださったのは視覚障害者の方。
そうなんですよね。今日案内してくださったSさんには
その会場の立体的地図がすでに頭に入っており、
目は見えなくても、見えているのです。
そして初めて見えない感覚になった私達を温かく導いて
くれたのです。たったの90分でしたが、この体験ができた
こと本当によかったです。
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