胃腸炎が流行してきました

テーマ:
こんばんは。いつもお世話になりありがとうございます。

インフルエンザはかなり下火になっているようですが、その代わり少しずつ胃腸炎が流行してきています。例年はもっと早い時期からノロウイルスが流行り、春前にロタウイルスの流行に変わるのですが、今年はノロウイルスのピークがなく、かなり遅れてそろそろ来るのかもしれません。

今回はウイルス性胃腸炎について少しまとめたいと思います。主なウイルス性胃腸炎には、ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスが挙げられます。

ノロウイルス
一般的には11~12月に爆発的に流行します。主に水からの感染になりますが、牡蠣など二枚貝による食中毒が大きな問題になります。潜伏期間は12~48時間で、非常に感染力が強いです。便や嘔吐物からも容易にうつります。症状は激しい嘔吐、下痢、腹痛ですが、2、3日で症状は軽快します。

ロタウイルス
一般的には1~4月に流行します。ノロウイルスとは違い食中毒ではなく人から人への感染になります。潜伏期間は1~3日で、感染力は強いです。便は白っぽく、酸っぱい臭いがするのが特徴です。下痢、嘔吐、腹痛、発熱などの症状があり、軽快するのに2~7日ほどかかります。

アデノウイルス
アデノウイルスと言えば、夏場に流行るプール熱が有名ですが、腸炎も起こし、腸炎には季節性は見られません。潜伏期間は3~10日ほどになります。熱や嘔吐はあまり強くありませんが、水様下痢が1~2週間ほど続く場合があります。血便や血尿、目の充血や咽頭炎などを起こす事もあります。

流行し問題になるのが、ノロウイルスとロタウイルスです。上のような特徴がありますが、ノロウイルスは嘔吐がしんどく、親御さんもうつり家族中が大変な事になります。しかし数日すれば回復する事が多く、むしろこどもにとって心配なのはロタウイルスの方になります。下痢や嘔吐、発熱で脱水が強くなり、乳児では痙攣重積や脳炎脳症、心筋炎などで命に関わる事も少なくありません。

ノロウイルスは、抗原が変化しやすい特徴からワクチンがまだ商品化されていませんが、幸いロタウイルスは既にワクチンがあります(ロタリックス、ロタテックの2種類)。自費にはなりますが、このワクチンのお陰で、入院や命に関わるほどの重症化がかなり減ったように感じます。生後2ヶ月からの接種になり、小さな赤ちゃんの命を守ることになりますので、どうぞ積極的に接種するようにしてください。

またノロウイルスとロタウイルスは、アルコールの消毒が効きません。消毒したと思っていても実際にはできていませんので、注意してください。消毒は適切に薄めたハイターやミルトン(次亜塩素酸)が有効になります。

治療は全てウイルスなので、抗生剤などの特効薬はありません。整腸剤や吐き気止めで症状を抑えつつ、日にち薬で治るのを待つしかありません。食事は無理して摂らなくて良いので、とにかく脱水にならないよう少しずつ水分を摂るようにしてください。特に乳児では脱水予防のため経口補水液(商品名OS-1)を飲むようにする事をお薦めします。水分が摂れずぐったりする、おしっこが出ない、意識がぼーっとするなどの兆候があれば点滴や入院が必要になる事がありますので早めに受診しましょう。

最後に胃腸炎に関連した興味深い話題を1つ。ノロウイルスは、血液型によってかかりやすい人とかかりにくい人がいるのを御存知でしょうか??実はO型とA型の人はかかりやすく、B型とAB型の人はかかりにくいという特徴があります。ウイルスの型によって一概には言えないので必ずしも全ての場合に当てはまる訳ではないのですが、そういう傾向があるので少し覚えておいてくださいね。