SNSをきっかけに彼とメッセージをやり取りするようになり、彼が患っている病気がALSであることも早い段階で知りました。発症したのは20代で、闘病歴が20年近くになることも。

 

偶然にもサービス業から介護系の会社に転職して半年を過ぎた頃で。私自身は介護職員ではないものの、ALSに特化した勉強会に参加したこともあり少しだけ知識がありました。

しかし勉強会は医療者、介護者から見た課題を中心としたもので、患者の生の声は登場しません。ただただ最難関の難病であるという印象を強く持ちました。なので「まじか〜ALSか〜」と思ったのは事実です。

 

でも彼はそんなことを感じさせないくらい明るくてユーモアがあって、大人の余裕を感じさせる人柄で、ますます素敵な人だなと興味を深めていきました。

 

やり取りは2〜3週間ほど続き、そんなに遠くないし一度会わない?という話になりました。

電車だと2時間近くかかりますが、車だと約1時間の距離。運転は好きだけど得意じゃない人間なのですが、抑えられない彼への好奇心が上回り思い切って車で遊びに行くことにしました。

 

当日は午前中だけ休日出勤するつもりが処理が長引いてしまい、大遅刻してしまったのを覚えています。

ようやく彼の実家に到着し、ご家族が部屋まで案内してくださいました(友人が尋ねてくるのは珍しくないようで淡々とした対応)

 

心臓バグバクで扉を開けると、介護ベッドに寝転んだ彼が笑顔で迎えてくれました。

その時感じた第一印象は「あ、思った以上に重度だな」でした。

こちら側に顔を向けるのも少し時間がかかる様子だったし、筋肉が衰えていく病気をありありと感じさせるほっそりとした手足でした。

 

でも!それ以上に印象的だったのは、大きな瞳がキラキラと輝くいきいきとした笑顔で。

ちゃんとコミュニケーションが取れるかなという不安と、それとは違う胸の高鳴りが相まってすごく緊張したのを今でもはっきり覚えています。