前回は手術のお話でした。
今回は無事手術を終え、リハビリや経口摂取に勤しむはずが一筋縄ではいかず…というお話です。
 

 

  痛みとの戦い

 

「切っているわけなので、当然痛いです。しばらく辛抱するしかない。痛み止めが切れたら声をかけてくださいね」
と看護師さんが言った通り、術後ジワジワと痛みに襲われるようになった彼。
痛み止めを飲んで耐え、切れたらまた飲むの繰り返し。
 
そしてまだカニューレが挿入された状態に慣れておらず違和感マックス。
少しでもカニューレがずれると刺激されて痰が大量に出て出て苦しくなる。
すると寝返りもまともに打てなくなり、頭や肩が痛くて堪らなくなる。
マッサージをしたり一時的にアイシングして気を紛らせたり、と対処療法で乗り切るしかありませんでした。
 
さらに採血でも痛みとの戦いが。
血管が細いことで採血しにくいらしく、針を刺してグリグリとえぐるように動かされる。
一度では上手くいかず、一旦針を抜き再び刺してグリグリ…
普段ポーカーフェイスの彼もこの時ばかりは悲痛な表情で。
ほんっとに見てるだけで可哀想でこちらが泣けてきました。
 

 

  カニューレ内の吸引

 

手術する前は痰が絡むと口からカテーテルを入れ、届く範囲を吸うという処置でした。

術後はカニューレをつけた状態の吸引を家族と私も練習するようになりました。

カニューレ内とは言え気管に直接挿入するのは怖くてまともにできず。

 

カニューレの構造をよく分かっていないから余計に怖いのかなと思い、付き添い中にネット調べたりしていました。

看護師さんに聞くとざっくり説明はしてくれますが、やっぱり自分で調べて学ぶからこそ身になると思います。

その上でどうしても理解できないところをピンポイントで聞いた方が早い。

 

看護師さんが来て吸引してくださる時は毎回じっと見ていました。

カテーテルを入れる、クルクルと回して吸う、抜くの動作もですが、前後の消毒、物品の洗浄や破棄方法などの衛生管理も大事だと思いました。

予感は当たり、退院後の自宅での衛生管理については悩みの種になりました。

色々試行錯誤してきたので、これもその内書きたいと思います。

 

 

  カニューレが干渉して移乗ができない

 

最初に装着したカニューレが合わず、担当医に相談して違う形状のタイプに変更しました。

新しいタイプは人口鼻を装着すると本人の顎よりはるか前に飛び出した状態に。

ベッドから車椅子に移乗する時などに介助者の体に当たってそれが刺激になり痰が大量に出てしまう、という課題ができてしまいました。

 

 

これ、飛び出し過ぎじゃないですか?笑

対策として頸部カラーを勧められましたが、カラーより飛び出してるからあまり意味がない…

何度か移乗の練習をするも改善の糸口が見つかりませんでした。

 

 

  カニューレを日中はつけないという選択

 

再度担当医と相談した結果、日中はカニューレをつけずに過ごし、呼吸器をつける夜間だけ装着することに。

カニューレの着脱は基本的に医師が行うことで看護師も下手に触れないものらしいのですが、担当医の指導を受けた家族やヘルパーが毎日行っても良いことになりました。

 

同時に多方面から情報を集めたところ、

・分離手術をしたあとカニューレをつけずに生活する人が増えており、今後の主流になるかもしれない。

・カニューレの着脱は医師が行うことだが、訪問医がいない山間部や小児だと家族が着脱するケースもある。

ということが分かりました。

 

ということで日中はカニューレ無しとなり、飛躍的に楽に過ごせるように。

手術から2年半以上経ちますが、現在もカニューレはつけず永久気管孔から直接吸引しています。

 

続く