こんにちわ。
最近、高知県の四万十川に行きたくて行きたくてしょうがない診断士の920です。
なぜ四万十川に行きたいのか?という理由は後ほど述べさせていただきます。

さて、私は社会人になってからいままで、ひたすら電卓を叩き続けるという社会人人生を送ってまいりました。
新入社員当初は、業務部というところで原価計算。
社会人3年目以降からは経理業務に携わってまいりました。
毎週、毎週、全社員の領収書をチェックして、営業マンのカラ出張精算を取り締まるという仕事に情熱を燃やしておりました(・∀・)

そして、34歳の時に転職してからは、ファンドとかファンディングとかいう何やらようわからん仕事で、ひたすら決算書等の数値を眺めながら仕事をする毎日です、、、

そんな感じで私の社会人人生はひたすら数字とにらめっこをする毎日でした。

まぁ、数字を見続けるというのは特に苦ではありませんし、最近では3期分の決算書を並べていろいろと妄想をするのが楽しくなってきました。

この会社はどんな業種なのかなぁ?

受け取った決算書以前(4期以前)の売り上げの推移はどんなんだろうか?

何が原因でこういった売上の推移になったのだろうか?

なんか大きな外部環境の変化で売り上げが激変して、固定費が収益を圧迫してるんだろうなぁ~


この会社の経営者の性格はどんな性格なんだろうか?

きっちりしているのだろうか?

おおざっぱなのだろうか?

決算の数値を理解しているのだろうか?

それとも税理士に丸投げなのだろうか?


等々の妄想を楽しんでおります!
一日中、妄想してても飽きないくらいです(^_^;)

まぁ、そんな風に何かを作り出すわけでもなく、ただ数字をずっといじくり続ける仕事をやってきたためか、実は私は「何かを作り出す」という事にとても強い憧れをもっております。

野菜や果物を作る、美味しい牛を育てる、おいしい料理やデザートを作る、美しい曲を生み出す、歌を歌う、衝撃的なデザインを生み出す、面白いゲームを開発するetc

こういった「何かを作り出す」ということができる生産者や料理人、デザイナー、音楽家、クリエイターという人々は、本当にすごい人たちなんだと思っております。
(決算書を作り出すという仕事をした事はありますが…あんまりわくわくする仕事ではありませんでした。ほぼルールが決まっていて裁量が少ないので、、、^^;)


そういうわけで、今回ご紹介する本はこちら!

ニッポンの風景をつくりなおせ―一次産業×デザイン=風景/羽鳥書店

¥2,808
Amazon.co.jp


著者は、梅原 真さんという方で、高知市出身のグラフィックデザイナーで「全ての基本は一次産業だ!一次産業は日本の風景を紡ぎだしている。風景を見れば、その国がどんな国かがわかる。一番大事なものは風景である。」という信念のもと、一次産業にデザインを掛け合わせる仕事(「一次産業×デザイン=風景」)をされています。

参考:梅原真さんのグーグル画像検索

それでは、本書に掲載されている梅原さんのお仕事を一部紹介させていただきます。



【作品1~猟師が釣って、猟師が焼いた「8年で20億、20年で50億」~】

ある時、著者の元に「このままでは船がつぶれる。力を貸してほしい。」と鰹漁船に乗っていた漁師の明神宏幸さんが訪れ、そして「きれいごと抜きでゆうけんど、おらが漁師は釣るまでが仕事やき。岸壁にあげたら最後、相手任せになっちゅうけんど、自分で値段をつけんことにゃ、ダメになるに決まっちゅうろう」と言いました。
当時、一般的に漁業者は釣った魚の価格決定権を持っておらず。価格を決めるのはあくまでも市場であり、仲買人でした。さらに当時は鰹の魚価が低下しており、それが漁業の経営を圧迫していました。
しかし、もし猟師自身が自分で価格を決めることができれば、市況に翻弄されない企業経営を行うことが可能になるのでは、そのためには加工部門への進出が不可欠であると明神氏は考え、著者に商品開発を依頼しに来ました。

その依頼に対して、著者は「手漕ぎの船で、どてらを着た漁師が操業している風景」をシンボル化したデザインを考え、そして「漁師が釣って、漁師が焼いた」というコピーも添えてパッケージ化した贈答用の商品「土佐一本釣り・藁焼きたたき」を開発しました。

参考リンク「梅原真 土佐 たたき」

そして、これが当たり明神さんの会社は年商20億円近くまでに急成長しました。

めでたし、めでたし!


……と言いたいところですが、その後いろいろとあり、明神さんは会社を追われてしまいました。
しかし、その後新たに同業の会社を興され、そちらは50億円に達するまでの会社にされました!

ちなみに、その2社目の会社も諸事情により、、、σ(^_^;)



【作品2~スタジオジブリではなくシマントジグリ「農村再生」】

四万十川沿いにある道の駅「四万十とおわ」を運営する四万十ドラマという会社があります。
この会社の依頼で、著者は商品開発やパッケージデザイン等を請け負い、栗の渋皮煮等の製品を開発しました。

参考リンク「梅原真 四万十 地栗 モンブラン」

これらの製品もあたりました。
最近では四万十モンブランというヒット商品も出され大ヒットとなりました!
そして、道の駅「四万十とおわ」はこれらにより年間16万人を超える来場者が訪れる場所となり、成功した道の駅として全国の農協や生産者が視察に訪れるような場所になっております。

また、四万十ドラマさんは数年前から四万十の栗再生プロジェクトとして、将来の栗の年間生産量を100トンを目指し栗の木10000本を植林されております。そして、その生産した栗を加工し高付加価値・高価格のモンブランや渋皮煮に加工し、全国へと販売しております。

↓「四万十の栗再生プロジェクト」
http://sanshin.pref.kochi.lg.jp/keikaku/act2012/action12.html

ちなみに、この事業者は「栗の木10000本プロジェクト」の一環として、最近流行のなんちゃらファンディングという仕組みを使い、栗の木の植林費用等を含む600万円の募集を行い、半年かけて集めようと試みられたところ、半年どころか、たったの2日足らずで満額の600万円を集めきられたようです。

諸般の事情により某なんちゃらファンディングへのリンクは貼りませんが、栗製品事業の高い収益性や事業の達成見込みの高さなどの「事業性」、地域活性化や栗農家の所得拡大等の「共感性」などがストーリーとして分かり易く、なにより本当に美味しそうなモンブランであったため全国の人々からの共感を得られたのだと思われます、、、^^



【著者の考え】

著者はバブルのころに「町おこし」「村おこし」という名のもと、町のスケールに合わない箱物がどんどん作られることに強い違和感を覚えておられました。

そして、「今あるものに目を向け活かしていく」「地域にあるものを使い環境に負担をかけず、地域の風景を活かしたデザインをする事」を心掛け、パッケージをデザインするだけではなく商品開発、イベント企画等々を行うプロデューサー的な役割から、1人でコピーライト、イラストレーター、グラフィックデザイナー、フォトグラファーなどの役割もこなされ、地域の活性化を支援されてきました。

また、著者は地方には本当にいいものがたくさんあるのに、地方に住む人は「都会にあるものや都会の価値観」と比べて、「自分の地方には何もない。」「こんなものしかないから、売れるはずがない。」「ここは寂れてしまってどうしようもない」と自分達で思い込んでしまい、後ろ向きな気持ち・ネガティブになってしまうことが多く、その考え方を変えて自分たちの足元にある本当に素晴らしいものを認識して、ポジティブな気持ちに変えていく(「考え方をデザインする」)こともされています。

昨今、地方創生という言葉が流行っておりますが、ただ補助金や助成金を使って箱物を作り、他の成功した地方のものを形だけ真似るのではなく、その地方にいる人間が自律的に考え、動き、地域の活性化を担っていくべきだとも著者さんは考えておられるようです。



【最後に】

冒頭、「四万十川に行きたくて行きたくてしょうがない」と書かせていただいた理由ですが、最近よくSNS上で高知県の美味しいものをよく見るようになったのと、高知県の事業者と一緒にお仕事をする機会があったことから、一度は高知県、そして四万十川に行ってみたいと思うようになりました。

(実は私は、四国本島では愛媛県と香川県に2~3度しかいった事がありません、、(^^;)
なので、一度、本場の「鰹のたたき」や四万十川の「天然鰻」「鮎」が食べたいと思っております(・∀・))


以上のように、本書には著者の作品・仕事がたくさんの写真と共に掲載されております。
特に四国や高知県の地場産業に関わる作品・仕事が多く掲載されてますので、最近話題の高知家や四万十川にご興味がある方、また地方創生、地方活性化にご興味のある方、デザインや一次産業等にご興味がある方、楽しいことや美味しいものが大好きな方々にお勧めの本です!












あと、四万十川ウルトラマラソンに参加されるような酔狂な方々にもお勧めです!w