もう何回目の投稿かもわからなくなるくらい、すっかりこのブログも波に乗ってますね~。
会社の繁忙期が少しマシになりつつあり、余裕が出てきたいわもんです。


小説ジャンルの投稿が少ないので、最近読んで面白かった小説をセレクトします。
チョキ

民王 (文春文庫)/文藝春秋

¥670
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「半沢直樹」で一気に有名になり、作品がどんどんドラマ化されている池井戸潤さんの作品です。中小企業診断士や診断士を目指す方には「下町ロケット」が有名ですが、池井戸さんは元銀行マンという経歴をもっているため、銀行を舞台とした話や、中小企業の生きざまを描く作品が多く、そのリアリティさからも、診断士であれば楽しく読める作品ばかり!ニコニコ
ちなみに私は井戸作品は8作くらい読んでいますが、流行りものに乗りたくない主義なので、原作を読む前にドラマ化してしまって流行ってしまった「半沢直樹」はまだ原作もドラマも見たことがありません。あと数年したら読もうと思います(笑)


さて、この小説の舞台は銀行でも中小企業でもなく、『政治』が舞台です。総理大臣がコロコロ代わっているところから話が始まるので、恐らく麻生さんが総理大臣になった時期の政治を少し皮肉っているのでしょうね。パンチ!

主人公は二人。一人は、新たに総理大臣に選ばれ総理大臣として世に名を残そうと意気込む政治家「武藤泰山」。もう一人は、絶対に政治家にはならないと父に反目する馬鹿な大学生「武藤翔」。
リアリティのある話が多い池井戸作品ですが、この物語の進行は破天荒!何と、父と息子の精神が入れ替わってしまいますショック!とある陰謀に巻き込まれてしまうのですが、こんな状況を公にするわけにもいかず、それぞれの立場を演じることになります。そのため、心がバカ息子の総理大臣が国会に出て派手に漢字を読み間違えたり、心が総理大臣の父親が息子の就職面接で政権を馬鹿にする面接官に説教をしてしまったりともう滅茶苦茶。あせる

野党やマスコミに対して、イライラしてつい思っていることを口にしてしまい度々問題を起こす息子。困りながらも、息子のそういった素直な言動や就職活動をへの想いに触れ、「政治家としてやるべき事」「かつての信念」を思い出す父。


破天荒な設定ですが、予算委員会で予算の話をしない野党、不祥事を騒ぎ立ててばかりいるマスコミに対して、息子が言い放つ一言にとにかくスカッとします!ワイドショーを見ていて、視聴者がつっこみたくなることをはっきり言ってくれます!アップ

「空飛ぶタイヤ」や「鉄の骨」、「七つの会議」のようにリアリティのある真面目な作品が池井戸作品の王道かもしれませんが、この作品のようにクスッと笑ってしまうギャグを多くしながらも芯に問題提起を織り交ぜる作品もあり、本当に振り幅が広い作家だな~、と驚きました。にひひ

予想外に面白かったので読み終えてすぐに次の当番で書こうと思ったのですが、なんと7月からドラマ化されるではありませんか!

旅行のお供としてたまたま積読から引っ張り出し、放映前直前にたまたま当番が回ってくるとは何たる偶然!普段ドラマは観ないですが、これだけ偶然が続いたので観ないわけにはいかないですね。目

興味の沸いた方は、ドラマ経由でもいいので、ぜひ読んでみてください!チョキ