「儲け」のためにできること

「儲け」のためにできること

日々お客様の「儲け」のための事例やスキームをご紹介します。

社員教育を生業にする企業が主催する「新春セミナー」に今年も参加しました。

毎年選りすぐりの経営者が登壇して、その経営者の失敗談や成功事例、

考え方などを学びますが、経営者の関心が時代の流れと共に、

どのように変化しているかの定点観測的な場でもあります。

 

今年の講師は、某有名グループウェア会社社長、某有名化粧品会社女性社長、

幼児施設等運営国内大手企業、などなど業種業態は様々でしたが、

今年のセミナーで一様に、かつ強烈に感じたのは、

社員の採用と定着に相当の苦労をしているという点でした。

 

それぞれの経営者の発表する講演テーマを並べてみると、

「個人主義」「多様性」「ダイバーシティ」といった言葉のどれかが必ず入っていて、

その講演内容も、言葉を選ばずにいえば、わがまま放題になった社員や、

あまり働きたくない社員でもいかに繋ぎ止めていくか

そんなところにほぼ全神経を注いでいるのではないかと思わせるほどです。

 

残業したくないITエンジニアへの対応、週三日だけ働きたい人への制度づくり、

通勤で疲れちゃう人の在宅勤務希望者への制度づくり、とにかく有休が欲しい人への対応、

社員寮完備、社員食堂お昼タダ、企業内保育、トレーニングジム無料(家族も)などなど、

社員の欲には際限がないようです。

 

百歩譲ってこれで生産性が上がっているならまだしも、

経営者のストレスはハンパではなさそうです。

 

目線を変えてみると、上記のような大手や中小企業の中でも比較的大きな会社でも、

これほどまでに社員へ迎合する戦略を用いているなら、

弊社の顧問先企業のような中小企業が人材を確保するのは、

限りなく困難であるというのが今回の講演でもっとも印象に残ったことでした。

 

今後の中小企業の人材戦略は

①    会社の規模を追わずに、できるだけ少ない社員で成果を出す方法を模索する

②    給料を同業他社平均で1.2倍以上支給し、稼ぎたい社員だけをターゲットにする

消去法にするとこんな感じになりそうです。

 

どうしても会社の規模を大きくしていきたい経営者の方は、

個々の社員のニーズを真摯に受け止め、腹を立てず、忍耐強く向き合って、

そのニーズを基本的にはすべて満たしてあげるというのが条件になります。

 

関根 威

「他社よりも早く届けることができれば、強みになる。」

そう考え、製造ラインの見直しに踏み切ったある製造業の経営者がいらっしゃいました。

 

その会社は職人の技術も高く、24時間自動で加工する機械の導入も進めており、

現場のクオリティは十分に高い会社でした。

しかし、どれほど現場が改善を重ねても、なぜか全体の納期が思うように短縮されません。


「もっと最新の機械を導入しなければダメなのか…。」

経営者がそう悩んでいたとき、

改善すべきは製造現場とは全く別の「営業部門」にありました。


その会社では、ルート営業マンがお客様のところを回り、

加工が必要なモノを預かってくることから仕事が始まります。

外部の私だからこそ営業マンから聞き取りができ、

判明した実態があります。


• 「不在」への対応が非効率
営業先が不在でも事前の連絡をせず、「とりあえず行ってみる」を繰り返していました。

不在であれば、時間を空けて1日に何度も同じ場所を訪問。

結局、預かるべきモノの回収や、加工が完了した製品を届けることができないまま、

移動時間だけが積み重なっていました。


• 「早く帰ること」への罪悪感
営業担当者の間には、「早く会社に戻ると、外でサボっていたと思われるのではないか」

「定時近くまで外にいるのが美徳」という無言のプレッシャーがありました。

そのため、14時や15時に本来のルートを回り終えていても、

17時頃まで時間を潰して会社に戻ってきていたのです。


ここでの最大の問題は、営業マンが夕方まで戻ってこないことにより、

「製造ラインにモノが届くのが数時間遅れる」という事態です。

営業マンが17時過ぎに帰社し、そこから総務課へ預かったモノを渡し、

仕分けを行い、ようやく製造現場へモノが流れる。

この時点で、どんなに優秀な職人であっても、その日のうちに作業を終えることは困難になります。


つまり、製造ラインがどれほど即納に対応できる能力を持っていたとしても、

入り口である営業部門が「数時間のロスタイム」を生み出している限り、

全体のスピードは上がらないのです。


この会社における「真のボトルネック(全体の流れを制限している場所)」は、

製造ラインではなく、営業マンの行動パターンと、それを是とする社風にありました。


ボトルネックを特定した同社が最初に取り組むべきこととして、

機械への投資ではなく、以下のことを提案しました。
・顧客の在籍状況を事前に把握し、最短ルートで回収を行う仕組みを整える
・評価基準の転換


「外に長くいること」ではなく、

「一刻も早くモノを持ち帰り、後工程にバトンを渡すこと」を高く評価する文化へ変える。

これらによって、夕方ではなく昼過ぎに材料が現場へ届くようになれば、

製造ラインはその高いポテンシャルをフルに発揮し、

最新機械を入れずとも納期短縮が可能になります。


業務改善において、全体を俯瞰せずに一部だけを強化するのは、

細いホースの一部だけを太い管に取り替えるようなものです。

どれだけ一部を太くしても、他の場所が詰まっていれば、流れる水の量は増えません。


「投資をしているのに効果が出ない」「現場は頑張っているのに成果に繋がらない」

そう感じたときこそ、一歩引いて全体を見渡してみてください。

 

もしかしたら、会社のボトルネックは、改善しようとしているところではなく、

営業のやり方や、事務所の書類の山の中に隠れているかもしれません。

投資のアクセルを踏む前に、まずは「どこで流れが止まっているか」を俯瞰してみて、

検証してみることが大切です。


担当:中瀬 拓哉

先日、お父さんが亡くなって、娘さんとお母さんが相続の相談にお見えになりました。
娘さんいわく、「お父さんの出生から死亡の戸籍を取得したが、

どこまでが相続人がわからない」とのこと。戸籍を確認すると、

お父さんと養子縁組をしている方がいました。

お母さんが「実は、私の前の主人との息子で、

相続の時に養子にしておいた方がいいと言われ養子縁組した」とのことでした。

お父さんと養子縁組した息子さん(お母さんの連れ子)は相続人になりますが、

今どこにいるかわからず、連絡もとれないとのこと。

 

以前は、たまにふらっと顔を出したりしていたようですが、

ここ7~8年は会っていないとのことでした。
(ちなみに、養子縁組をしていなかった場合は相続人になりません)




 

お父さんは遺言書を作成していなかったので、

相続人全員でお父さんの遺産をどのよう分けるかを話し合って決めなければなりません。

そして、話し合って決めた内容が書かれた「遺産分割協議書」に

相続人全員が署名捺印したものがなければ不動産の名義変更や預金の解約はできません

 

今回のケースの場合、養子になった息子さんを探して相続人全員で

遺産分割協議を成立させなければなりません。


まずは、行方がわからない息子さんの住所を調べ、配達証明付で手紙を出しました。

手紙の内容は、息子さんに法定相続分4分の1の預金を

相続してもらう方針でどうかという内容にしました。

 

幸い息子さんと連絡が取れ、お母さんと娘さんの希望の方針で

納得してもらえることになりました。

そして無事、遺産分割協議書に相続人全員が署名捺印することができました。

今回は、疎遠になっている息子さんと連絡がとれ、

遺産分割協議もまとまったので良かったのですが、

息子さんの行方がわからず連絡がとれなかった場合、

お父さん名義の不動産を相続人に変更することはできません

 

又、預金も解約できないため、お金を引出して葬儀費用や生活費に充てることもできません。

このように相続人と疎遠になっているケースは少なくありません。

 

生前に遺言書を作成しておくなど、事前に準備できることはしておくとよいでしょう。

遺言書があれば基本的には相続人全員での遺産分割協議は必要ないので、

遺言書の内容に従って手続きが可能です。

 

ただ、後で遺言書の有効性などについてトラブルにならないように

公正証書遺言(第三者である公証人が作成する遺言書)を作成することをお勧めします。
(注)配偶者、子、親が相続人の場合、遺言で遺産をもらえなかった人でも、

最低限遺産をもらえる遺留分という権利がありますが、兄弟姉妹には遺留分はありません 。

 

担当:江原智恵子