【働き方改革】という言葉を覚えていますか。
安倍政権下で関連法が施行されてから、約8年が経ちました。
厚生労働省「毎月勤労統計調査」によれば、
法律施行前の2017年における
年間実労働時間(事業規模30人以上)は1,781時間でしたが、
2025年には1,693時間と、年間で88時間減少しています。
1日8時間労働とすると、約11日分の労働時間が削減された計算になります。
そんな中、弊法人のお客様の中に、労働時間、
特に残業時間が増加している会社がありました。
中でも経理部門の残業が突出しており、
今回は私がその会社で実施した「残業時間削減の取り組み」をご紹介します。
なお、2024年度の残業時間は以下の通りでした。
この会社は「紙の受注からクラウド型業務システムへの移行」など、
残業削減に向けた取り組み自体は行っていました。
しかし、実際には残業が減らず、
特に経理部門はむしろ増加していました。
社長や経理部門にヒアリングしたところ、
残業増加の要因として次の3点が浮かび上がりました。
① 業務量の増加
事業拡大により、単純に仕事の総量が増えていた。
対応策:社員とパート社員の役割を明確に区分する。(特に社員の行わない業務を決める)
② 仕事の進め方が20年間変わっていない
クラウド型システムを導入したにもかかわらず、紙ベース時代と同じ流れで仕事をしていた。
対応策:業務フローを見直し、担当者が自分の業務に集中できる仕組みに変更する。
③ 業務量の偏り
事業拡大に伴い、部署間で業務量の偏りが発生していた。
対応策:業務フローを変えることで偏りが自然と解消されると予測。
まず着手したのは、②の「仕事の進め方の変更」です。
“やらないこと”を明確にし、残った業務を誰が担当するかを決めました。
(やらないこと)
・紙の見積書作成を廃止・・・クラウド型システムでタブレットから作成できるため
→2回行っていたことを1回で済ませる
・請求書作成時の経理による商品チェックを廃止・・・経理は値引き・割引の確認に専念する
→システム登録者を固定化させることにより実現できる
(その他)
・追加注文のシステム登録を担当者がその場で行う・・・経理に負担が集中しないようにする
次に①の「社員とパート社員の役割分担」を明確化しました。
パート社員が担当する主な業務(社員はやらない)
・来客対応(一次対応)
・電話対応
・請求書の作成・発送
・領収書の作成・発送
・社内報発信、社内連絡など総務業務全般
これにより、社員は指示・判断が必要な業務に集中できる環境が整いました。
この他、データベースを活用したシステム連携も行い、業務全体の効率化を進めました。
私がコンサルティングを開始したのは2025年度の7月からですが、
残業時間は次のように改善しました。
残業をゼロにするところまでは至っていませんが、
2026年度はそれ以前と比べて約半分にまで削減されています。
なお、残業代も2名で月間約13万円の削減も行われています。
(社長は両名に残業代削減分を賞与で支給されていました)
私自身、業務効率化を考える際には次の3点に絞っています。
1.やらない業務範囲を決める(二度手間・三度手間・不要な作業を排除)
2.システムに合わせた業務フローにする(システム導入の効果を最大化)
3.データベースは1つに統一する(事業ごとに別システムを使わない)
特に1は即効性が高く、効果も大きいと感じています。
まずは社内で「やらない業務」を決めるところから始めてみてはいかがでしょうか。
担当:堺 友樹


