『ハプニングEve'』の各試合の見どころ。 | 酒井正和 オフィシャルブログ Powered by Ameba

『ハプニングEve'』の各試合の見どころ。

今年3月に旗揚げしたSMASHの2010年ラストを飾る12・24『ハプニングEve'』(新宿FACE)がいよいよ目前に迫ってきた。そんな中、プロレス部門のプロデューサーを務めるTAJIRIに『ハプニングEve'』の各試合の見どころを語ってもらった。


■「本編の続きと言ってもいいぐらい濃いものになってきた」
今回の『ハプニングEve'』に関して、ボクも最初はスピンオフイベントと言ってましたけど、真琴選手のアピールだったり、ボクが余計なことを言って華名との遺恨を生んでしまったり、あとは朱里がメインを任されたりとか、気が付いたら本編の続きと言ってもいいぐらい濃いものになってきましたね。だから、これを単なるお祭り騒ぎのクリスマスイベントだと思って見逃してしまうと来年以降の本編を見る際に支障が出てしまう恐れがあるんじゃないか、そのぐらいのイベントになりそうです。ということで、さっそく各試合の見どころを語っていきましょう。


■第0試合:AKIRAvsバンビ
「AKIRAさんがキリストになる」

【見どころ】
バンビ選手は、AKIRAさんが最近おかしなことになっているという噂を聞きつけてムチで叩きに来たと言ってましたよね。で、クリスマスにムチを持った人ということでゴルゴダの丘がボクの頭の中に思い浮かんだんですよ。ということは、必然的にAKIRAさんはキリストになりますよね(ニヤリ)。何かそういう、いにしえの洋画の歴史大作みたいな壮大な世界が繰り広げられるのはないかと予想してみました。


■第1試合:ジェシカ・ラブvsさくらえみ
「どっちがヒール的な立ち位置になるのか?」

【見どころ】
男女問わずプロレス界において、これは個性の塊、個性vs個性の対決ですよね。とにかくパンチパーマのおばさんにいたぶれる美しいオカマ、あるいは美しいオカマにいたぶられるパンチパーマのおばさん、もう考えただけでボクはゾクゾクしてきちゃうんですよね(笑)。そしてもうひとつポイントなのは、どっちがヒール的な立ち位置に試合の中でなっていくのか、これが見どころだと思うんですよ。そして、そうなってしまったほうがボクは美しさで負けているんじゃないかなと。
それと、さくらはこの前のJCBホールでも底力が試合の中で見えてましたよね。やっぱり凄いなってボクは思ったんですよ。SMASHのファンはアイスリボンのさくらをまだよくわかっていないと思うし、逆にアイスリボンのファンがジェシカのことをよくわかっていないと思うから、お互いを知り合うきっかけになればいいかなと。あとは、ジェシカは日本で女子レスラーとシングルで闘うのは初めてなので、ジェシカのオンナ度が試される試合になると思いますね。


■第2試合:植松寿絵&中川ともか&チェリーvs志田光&藤本つかさ&帯広さやか
「これはもうオバサンvs若者ですよね(笑)」

【見どころ】
わかりやすく言ってしまえば、これはもうオバサンvs若者ですよね。まあ、ひとり年齢不詳の方が混じってるみたいですけど(笑)。で、この前、ボクが19時女子プロレスにゲスト出演したときに若い3人の試合を観ているんですけど、凄く機動力があるいいチームだったんですよね。この3人が“素の植松寿絵”とは初対決となるんですけど、どう立ち向かうのか興味がありますねえ。
あと、チェリー選手ですよね。さっきオバサンvs若者と言ったんですけど、ファンタジーを売りにいまブレイクし始めている彼女がこの闘いに加わることで、この構図がどう味付けされていくのか。これも楽しみのひとつと言っていいでしょう。


■第3試合:小路晃vs倉垣翼
「男vs女というのを超えてどっちが強いのか?」

【見どころ】
男して、あるいは女としての深さの競い合いというか、そういう勝負になると思うんですよ。ボクは倉垣選手の試合はあまり見たことがないんですけど、会見のときに倉垣選手は腕まくりをしていたじゃないですか。あの腕を見たときに「これは強そうだな」っていう感じが伝わってきたんですよ。そもそも小路さんにあえて勝負を挑んでくるわけですから、いい度胸をしてますよ。いずれにしても、男vs女というのを超えてどっちが強いのか、理屈抜きに観たほうがいいかもしれませんね。


■第4試合:大原はじめvsリン・バイロン
「リンにとってはここが正念場」

【見どころ】
これはSMASHのナンバーシリーズに入っていてもおかしくないような好カードですよ。リンは飛んだり跳ねたりのスタイルなので大原と手が合うのは間違いないんですよね。だけど、前回『SMASH.11』でKUSHIDA&Mentalloと闘ったときにも、ボクはそういうことを彼女に期待してマッチメイクしたんですが、正直言って全然ダメだったと思います。なので今回、大原と闘ってダメだったら、リンについてはボクもちょっと考えないといけないな、というところまできてますね。リンにとってはここが正念場だと思いますし、ボクはリンがここできちんと結果を出してくれると信じてます。


■第5試合:ハードコアマッチ AKIRAvsKAORU
「二人が遭遇したその後の展開も楽しみ」

【見どころ】
こんなにキャリアの長い二人が初めて遭遇する。そして、AKIRAさんにとっては初めてのハードコアでの闘い。第0試合の流れから含めても、これはAKIRAさんのプロレス人生にとってひとつの事件となる日になるんじゃないかなと。あと、KAORUさんはハードコアにかけてはエキスパートじゃないですか。そういうKAORUさんのエキスパート力が性別を超えてどれくらい通用するのか。つまり経験と技術は絶対的な体力をくつがえすことができるのかっていうことですよね。
逆に、AKIRAさんはこの試合をいい形で消化することができたら、またさらに面白いAKIRAさんになってしまうような気がします。例えば、AKIRAさんがラダーの上からムササビプレスをやって勝ったりしたら、たぶんAKIRAさんはクセになってハードコアの道に入っていくような、そんな予感がボクの中でするんですよ。だから、二人が遭遇したその後の展開も楽しみですね。


■第6試合:KUSHIDA&都宮ちい&みなみ飛香vs木高イサミ&真琴&児玉ユースケ
「真琴選手の一言からドラマとしての味付けが加わった」

【見どころ】
なんだかいつの間にか真琴選手がボクの中でだんだん主役になってきてるんですよね。そういう意味で、この試合は真琴選手が正義のヒロインで、KUSHIDAはそこに現れて邪魔をする悪者みたいな感じにファンには見えるんじゃないかなと。最初はなんてことのない6人タッグマッチだったのが、真琴選手がボクと闘いたいと言った一言から、この試合にドラマとしての味付けが加わったと思うんですよ。
そうすると、単なるミックスドマッチじゃなくなってくるんですよね、プロレスっていうのは。だから、もしかすると真琴選手のプロレスキャリアの中でも重要な試合になるんじゃないかなと。いまの真琴選手の勢いならそういう予感をさせてくれますよね。


■セミファイナル:TAJIRIvs華名
「試合の中でちょっとでも“やっぱりダメか”と思ったときには……」

【見どころ】
華名は最近丸くなってしまったような気がするんですよ。例えるなら、元レディースが結婚をして家庭に入ったことで幸せになって、トゲだったりキバが抜き取られたような、そんな感じですよね。そんな中でボクが、「もはや華名は賞味期限切れの女かもしれない」と発言したんですけど、ご存知の通り先日の会見でああいうことになってしまったと(笑)。でも、これによって以前の華名が戻ってきたような、そんな兆しが見えてきたと思います。
ここからは、ボクが華名に負けることは絶対にないと確信した前提で話しますが、もしもボクとの試合でやっぱり華名は“賞味期限切れの女”であったとすれば、SMASHでの華名の役目はもう終わったことになるんじゃないかなと。やっぱり華名はブーイングを浴びてなんぼ、人から心底憎まれてなんぼのレスラーだとボクは思うんですよ。まあ、こんなことを言ったら「余計なお世話じゃ、ボケ!」って、また怒られちゃうかもしれませんけどね(ニヤリ)。だけど、試合の中でちょっとでも「やっぱりダメか」と思ったときには、一気に試合を終わらせようとボクは思っています。いろんな意味で。


■メインイベント:朱里vs米山香織
「朱里っていう子は別格の潜在能力を持っている」

【見どころ】
前回『SMASH.11』での試合から、米山選手は自分のスタイルを築いているというか何か新しいものを生み出して身に着けているような、そういう印象をボクは感じたんですよ。正直に凄いなと思ったんですよね。一方の朱里なんですけど、ボクと普段話しているときなんかは使っている言葉は幼稚なんですけど、彼女が持ってくる言葉の隅にあるスケールの大きさみたいなのがひしひしと伝わってくるんですよね。だけど、やっぱり朱里はまだ経験が足りない。その手助けを米山選手がしてくれたらいいなとは思うんですけど、その反面、そういう才能の持ち主からちょっと引き出してみるとドバドバッと才能があふれ出てくる可能性があって、そうなると米山選手が逆に食われてしまう可能性もあるわけですよ。負けちゃうかもしれない。それぐらい朱里っていう子は別格の潜在能力を持っていると思うんですよね。
いままで世界でいろんな光景をボクは目にしているんですけど、キャリア1、2年の人がたった1日でキャリア10年の人をくつがえしてしまうことっていうのが実際にあるんですよ。そういう才能を持った人というのが。朱里にもそういうものを感じるんですよね。で、もしこの試合がタイトルマッチになったとして話を進めていきますが、朱里は長与千種さんのようなダイナミックな生き方が自分の中で究極の目標であると言ってたんですけど、実際に彼女も初めてチャンピオンベルトを手にすることができたら、きっと何か感じるものがあると思うんですよ。それもまた彼女の人生の中でいいスパイスとして加味されてくると思うので。
そして、この一年間で一番成長した朱里が、今年最後の試合を締めるという、これはボクも全然アリだと思うので、それがベルト奪取という結果になれば最高の形でこの一年間を締めくくることができるんじゃないなと思います。だから、米山選手には申し訳ないけど、ボクは朱里にぜひベルトを獲ってもらいたいですね。


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■12・24『ハプニングEve'』(新宿FACE)開場18:00 開始19:00(※第0試合は18時45分に開始予定)
[メインイベント]
朱里
vs
米山香織(JWP女子プロレス)
※24日の時点で米山がJWP認定無差別級王座を保持していた場合は同王座戦となる。


[セミファイナル]
TAJIRI
vs
華名


[第6試合]
KUSHIDA&都宮ちい(アイスリボン)&みなみ飛香(アイスリボン)
vs
木高イサミ(ユニオンプロレス)&真琴(アイスリボン)&児玉ユースケ


[第5試合 ハードコアマッチ]
AKIRA
vs
KAORU


[第4試合]
大原はじめ(FCF)
vs
リン・バイロン


[第3試合]
小路晃
vs
倉垣翼(JWP女子プロレス)


[第2試合]
植松寿絵&中川ともか&チェリー(ユニオンプロレス)
vs
志田光(アイスリボン)&藤本つかさ(アイスリボン)&帯広さやか(19時女子プロレス)


[第1試合]
ジェシカ・ラブ(FCF)
vs
さくらえみ(アイスリボン)


[第0試合]
AKIRA
vs
バンビ(KAIENTAI-DOJO)