TAJIRIが語る8・30『SMASH.7』完全ガイド! | 酒井正和 オフィシャルブログ Powered by Ameba

TAJIRIが語る8・30『SMASH.7』完全ガイド!

TAJIRIが語る8・30『SMASH.7』完全ガイド


スマッシュの挑戦!


いよいよ開催間近となった8・30『SMASH.7』(新宿FACE)。今大会では、新日本プロレスのIWGPジュニア王者プリンス・デヴィット推薦選手のポール・トレイシー&WWFライトヘビー級初代王者TAKAみちのく&女子プロレス界きっての“豪腕娘”中川ともか参戦、“カナダ版名勝負数え唄”Mentallo vs ケニー・オメガ、KUSHIDAの“対FCF”始動、フィンランドで誕生した“師弟コンビ”スターバック&大原はじめ電撃合体など、見どころ満載の全6試合がラインナップされている。そんな中、プロレス部門のプロデューサーを務めるTAJIRIに『SMASH.7』の各試合の見どころを語ってもらった。


■『ワールドトライアウトマッチ』AKIRAvsポール・トレイシー
TAJIRI ポール・トレイシーは、プリンス・デヴィット推薦選手ということで、かつて二人はタッグを組んでいたんですよ。まあ、デヴィットが推薦してくるぐらいなんで、間違いなくスキルは高いですよ。飛び技も使えるし、ヨーロッパ特有のレスリングテクニックも兼ね備えているんですよね。僕の師匠であるウィリアム・リーガルを小さくしたような感じもするな。だけど、デヴィットから渡されたポールの写真を見たときに、僕は何か不吉な予感を感じたんですよね。なんかジョーカーみたいな男だなって。
――ジョーカーですか?
TAJIRI SMASHに何か嫌な影響をもたらすんじゃないかなっていう……不吉なカードを引かされた感じがするんですよ。でもまあ、写真がそういう風に見えただけで、僕の勘違いかもしれないんですけどね。試合に関して言えば、AKIRAさんの勝利は間違いないと言っていいでしょう。AKIRAさんにはトライアウトの査定人という重要な役割を担ってもらっているんですが、その中でしっかりとSMASH色を出しているのは流石ですね。身体の奥底からから溢れ出てくるAKIRAさんのオーラと言うかパワーが、SMASHに凄く良い影響を与えてくれていると思います。ヨーロッパの香り漂うポールとの試合は楽しみですね。


■児玉ユースケvsTAKAみちのく
TAJIRI 前回に続いて急なオファーにも関わらず快く受けてくれて、TAKAさんには本当に感謝してます。児玉に関しては、毎回同じことを言ってますけど、若いうちなんだから先輩と当たるときはとにかく当たって砕けてこいと。それが児玉にとっての使命ですよ。その中で1ミリでもいいから目立てば、なお最高ですよね。児玉のような新人レスラーが、AKIRAさんやTAKAさんのような素晴らしいレスラーとシングルで当たれるなんて、そうそうないことですよ。そういう部分で、児玉は本当に幸せだと思うし、だからこそ、このチャンスをしっかりと物にして、たくましく成長して行ってくれればなと思ってます。


■朱里&リン・バイロンvs植松寿絵&中川ともか
TAJIRI 植松&中川のタッグチームというのは、例えるならニック・ボックウィンクル&レイ・スティーブンスみたいな……って言っても、わからない人が多いか(笑)。まあ、とにかく朱里&リンにとっては厄介なタッグチームを相手にしてしまったなと。リンは前回、植松さんと当たってますけど、朱里は植松&中川のようなテクニシャンタイプの女子レスラーと当たるのは初めてじゃないですか。はたして、朱里が二人と対戦してどういった化学反応を起こすのか、僕はきっと良い方向に転じて行くんじゃないかっていう期待をしているんですけどね。
――リン選手は、女子レスラーとの対戦に不満を持っているようですが、その点については?
TAJIRI リンは、9月にアクション舞台の出演が決まって、「私はアクションスターになるという夢をかなえつつあるから、カッコイイ男を相手にプロレスをしたい」って言ってるんですよ(笑)。まあ、自ら主張して行動することは大いに結構なんですけど、もしここで負けるようでは、それは単なるわがままだし、そんなことも言ってられなくなりますよね。だったら、それなりのものを試合で見せればいいんですよ。


■Mentallo vs ケニー・オメガ
TAJIRI Mentalloとケニーは、カナダで師弟関係にあったんですよね。そして、二人のシングルマッチは、2002年にカナダでマッチ・オブ・ザ・イヤーに輝いているんですよ。もう二人のサイドストーリーを聞いているだけでも、うらやましい関係を築いてますよね。僕なんかもスペル・クレイジーとそういった関係を築いていたんですけど、凄く期待して良い試合ですよね。
――Mentallo選手は11・22『SMASH.10』(JCBホール)で、ある大物選手との対戦を希望しています。
TAJIRI Mentalloは、JCBホールでの大会が決まったときに、SMASHの中ではいち早く主張して来たんですよ。もちろん、僕もMentalloの夢をかなえてあげたいし、全力で応援したい。そして、Mentalloは、その大物選手を振り返らせるような試合をケニーとの勝負で見せないといけないですよね。でも、それぐらい大きな目標が今のMentalloにはあるわけだから、きっとケニーとの試合でも大勝負をかけてくると思いますよ。


■KUSHIDAvsヘイモ・ユーコンセルカ
TAJIRI ユーコンセルカは、前回の来日で物凄いインパクトを残したと思うんですよ。入場時からただならぬオーラを放ってましたよね。本当に怪獣でしたよ(笑)。一方、KUSHIDAは、デヴィットや内藤(哲也)選手との“近未来的”な闘いの中で持ち味を発揮してきましたけど、ユーコンセルカはKUSHIDAが今まで闘ってきた選手の中ではまったく異なるタイプですよね。
――タイプもそうですし、体格も大きく異なります。
TAJIRI ユーコンセルカはまさに“原始的”な闘いをするじゃないですか。そういった部分で細かいテクニックがなかなか通用しない怪獣相手に、KUSHIDAがどういった試合を見せるのか。あくまでも近未来的な闘いで立ち向かうのか、それとも原始的な闘いで真正面からぶつかっていくのか。「俺はWWEを目指す!」と言ってるKUSHIDAにとっては、本当の意味で力が試される試合だと思います。


■TAJIRI&小路晃vsスターバック&大原はじめ
TAJIRI 大原がフィンランドに行って、あっという間にスターバックと師弟関係を結んでしまったじゃないですか。さっき、ポール・トレイシーのことをジョーカーに例えましたけど、スターバックはそれ以上の破壊力を持ったカードですよね。物凄いパワーでSMASHが揺れ動かされてますよ。専門誌のインタビューで、大原が「自然のエネルギーを身にまとった仙人のように見えた」とスターバックについて語っているんですけど、スターバックはどんどん神格化してますよね。
――TAJIRI選手にとっては、7・24『SMASH.6』(新宿FACE)のFCF王座戦で、スターバックを相手にタイトル防衛を失敗しているだけに、雪辱を期したいところだと思うのですが。
TAJIRI 前回の防衛戦では、今年2月にフィンランドで闘ったレスラーとの再戦という意識でしかなかったんですけど、たったこの1ヵ月間でそういう意識ではなくなってきましたね、スターバックに対しては。僕の口からこんな言葉は使いたくないんだけど、神と闘う覚悟と言うか、否が応でもそういう言葉がつい口から出てきちゃうくらい、スターバックに対する意識というのは変化してますね。
――そして、この試合ではTAJIRI選手のタッグパートナーとして小路選手が名乗りをあげました。
TAJIRI 大原とああいうことになってしまって音信不通になったとき、一番最初に大原への怒りを見せたのが小路さんだったんですよね。やっぱり小路さんは昔気質のところがあるんで、仲間だと思っていた大原の行動を許せなかったんだろうし、だからこそリング上で身体をぶつけることでわからせようという気持ちがあったんじゃないかな。もちろん、大原をそういう方向に導いていったスターバックに対する怒りもあると思うんですよ。逆に、僕にとっては本当に心強いタッグパートナーですよね。小路さんが怒ったら鬼のように恐ろしいというのは僕らもよく知ってることなんで、その怒りをスターバック&大原に思う存分ぶつけて欲しいです。


■「人生の縮図がSMASHにはある」
TAJIRI まあ、世の中、良いことだけでもないし、悪いことだけでもない。前回はそれを凄く感じましたよね。今のSMASHではそういうことが偶然なんだけど上手く表現できているのかなと。人生の縮図がSMASHにはあるんじゃないかなっていう気がします。ということは、この秋にJCBホール大会(11・22『SMASH.10』)という大きな目標があるわけじゃないですか。つまり、この先、いろんなことが起きてくるんですよ(ニヤリ)。