隠れた名曲☆スマッシュヒット-葉っぱっ子

すっかり御無沙汰しているうちに如月に。
厳冬に震え上がっていた人に朗報です。
今年は暖春になるという情報をキャッチ。
そう言われてみれば2月中旬になり
ここ数日、暖かい日が続いている様な…。
そんな本日141回目に綴るのはCMソング。

CMソングと言ってもタイアップの
アーティストの楽曲では無く
CMで一瞬流れるCMジングルです。
どんだけマニアック!と、云うなかれ。

このCMの数秒間に流れるメロディには
意外にも印象的で胸に残るものが多いのです。
とゆーわけで、今後はCMジングルも
もりもり綴って行こうと思っている次第。

さて本日、紹介するのは
最近では桃屋と共に「食べるラー油」で
ラー油ムーブメントを起こした
ヱスビー食品のスナック菓子「葉っぱっ子」。

発売の時代など定かでは無いが
筆者が幼少期なので70年代末か80年代前期。
明治製菓が「きのこの山」「たけのこの里」、
森永が「くるみの森」などを発売した時に
なんとなく着想を得た様な気がしないでもない。

このCMは内容はタヌキ扮する女子高生が
葉っぱ(葉っぱっ子)を食べて変身するとゆー
内容なのだが、女子高生に男性も扮しており
それが芸人の響が扮する「ミツコ」を彷彿。
大股開きで四股を踏む様なポーズなので
記憶の中では女子高生じゃなく力士の印象が…。
とまぁCMとしてもインパクトがあります。

で、音楽の方はいきなり
ハァ~という祭囃子的な掛け声のもと
プリミティブな民族的なメロディが。
この、繰り返されるオリエンタルな旋律が
未だに、タラリラティンティン♪と
頭の中を駆け巡る程に妙に余韻を残します。

そしてラストに商品名を唄う
♪そこで手が出る ヱスビー葉っぱ子ぉ~♪
と男性ヴォーカルが入って終るのだが
この「ヱスビー葉っぱ子ぉ~」という部分が
これまた何故か強烈に自分の中にインプットされ
ふとした時に、良く浮かんだフレーズ。

結局、お菓子自体の味等は一切思いだせず
CMソングだけが身体に残ってしまったという…。
たまーにCMソング集とかCD発売されてるので
このヱスビー葉っぱっ子も収録して戴きたし。

ちなみに奇特な方がこのCMを
youtubeにアップされているので
しょうがないなぁ、見てやるかと言う方は
チェックしてみて欲しい。こちら
なんか妙に記憶に残るメロディなはず。
短いけれど、忘れては、いけない隠れた名曲。







隠れた名曲☆スマッシュヒット-平沢進

東京は、二ヶ月ぶりくらいの雨。
セシウムの含有量がちょっと気になったり…。
そんな本日140回目に綴る隠れた名曲は
平沢進の唄った「世界タービン」。

1990年5月にポリドールから発売された
ソロシングルとしては第一弾である。

平沢進は日本のJ-POPに置ける
テクノムーブメントの先駆けに置ける
重要人物の一人であり、その音楽キャリアは
多岐に渡り、とても簡単には語れない人物。

79年に結成され91年迄の約10年の
P-MODELとしての活動が顕著である。

自分が彼を知ったのは弟やその友人等が
P-MODELや平沢にハマっており
日本にも、こんなPET SHOP BOYSや
O.M.DやErasureみたいな深みのある
テクノバンドが存在したんだなぁと言う印象。
欧米のエレポップバンドのモダンさより
さらに一歩突き抜けており無機質さや
実験的な雰囲気にどこか和的なニュアンスも有り
とてもサブカルチャーの香りが漂っていた。

「世界タービン」は平沢進のセンスがうねる
独自の世界観を突き進む感覚的な歌詞と、
構築された前衛的なメロディがオーラを放ち
極めて形容し難い内容でありながらも
どこかコマーシャルな雰囲気も併せ持っている。

そのせいか一般チャートでのランキングは
チャートインを果たせなかったものの
当時のカレッジチャートではNo.1を独走し続け、
一部の層に高く支持されていた記憶が在る。

いきなり意味不明な平沢の雄叫びから幕をあける
このナンバーは当時聴いても革新的だが
改めて現在に聴いても少しも古さを感じさせず
未だに未来への繋がりを感じさせるから凄い。
中盤のこれまた印象的にフェードインする
曖昧なコーラスは交流のあった戸川純が務めている。

複雑怪奇なテクノナンバーを唄いながら
当人が生真面目なオジさん風のルックスのギャップが
これまた堪らなくテクノしている。
PVは流石に、現在、視聴すると技術的な面から
古さを感じてしまうが楽曲に関しては煌めいている。

もし、平沢進を素通りしてしまっていた方々には
ちょっと聴いてみて欲しいナンバーであるし、
そんなんあったけど忘れとったわ!という人には
もう一度、改めて、ほじ繰り返して聴いて戴きたし。
80、90年代JーPOPも捨てたもんじゃないな!と
再発見の扉を開けてくれるのが、
まさに、この平沢進の「世界タービン」である。





隠れた名曲☆スマッシュヒット-松田聖子

2012年、本年も宜しくお願いします。
あまりの寒さに冬眠状態で
すっかり2ヶ月近く放置しておりました。…。
気を入れ替え精進して参りたいと思います!。

2012年、一回目に紹介する
139曲目の隠れた名曲は
松田聖子の「涙がただこぼれるだけ」。
2007年発売の68枚目(!!)のシングル。
約5年経過したので懐メロ扱いにさせて戴きました。

ソニーレコードから07年の5月に発売された
壮大なメロディのバラッド・ナンバー。

昨年の紅白では成人した娘との共演で
健在ぶりを表明していた松田聖子。
デビューは1980年ですから32年前。…。
年齢は重ねても未だにアイドルと言う印象を
極端に壊さないまま現役で居るのは
エイジレスな現在の時代の象徴の様な人である。

80年代という時代を語る上で
欠く事の出来ないアイドルであった松田は
抜群の歌唱力を誇るアーティストでもあった。
佐野元春、ユーミン、財津和夫、細野晴臣、
大瀧詠一、尾崎亜美ら多くのアーティストが
彼女に様々なタイプの楽曲を提供したが
独自の世界観に取り込み、唱いこなしヒットに繋げ
歌唱力に加え才能とセンスに溢れた人の印象が強い。

85年に結婚後も、出産、離婚等を経ても
独身時代よりはヒットの連発は落ち着いても
アイドルと言うイメージをキープしながら活動し
「きっとまた逢える」(92年、32.3万枚)、
「大切なあなた」(93年、38.4万枚)、
「輝いた季節へ旅立とう」(94年.37.1万)、
そしてミリオンセラーを記録し25曲目のNo.1曲
「あなたに逢いたくて」(96年、110.1万)
などコンスタントにヒットを飛ばし
その後も一定の人気を保ちながらランクイン
し続けているのは立派としか言いようが無い。

しかしヒットに繋がる楽曲はCMタイアップや
明るい彼女のイメージに合った印象の楽曲も多く
「哀しみのボート」や「もう一度、初めから」
「素敵にOnce Again」、「We are Love」など
スマッシュヒットの中にも名曲は多い。

今回の「涙がただこぼれるだけ」は作詞、作曲を
松田聖子本人が手がけておりアレンジは小林信吾

その時々で様々なイメージを感じさせる松田であるが
この楽曲はヨーロピアンなイメージを想起させる。
No.1を連発していた様な頃は、一度聴くとサビが耳に残る
そんな印象の楽曲が多かった様に感じるが
小倉良と組んで独自で作品に関わる様になってからは
ジワジワと聴いているうちに胸に滲みる楽曲が増えた様に思う。

メロディアスで高低もある奇麗な楽曲だが
歌詞を見ると別れの切ないナンバーである。
しかし松田らしいと思わせるのは、けして別れても
悲しくて泣いているばかりでは無く
さよならを受け止めて元気に前向きな未来に向かう。
泣いているのも、涙がただこぼれるだけと言い切る
(強がりとも取れるが)のがウェット過ぎずにいい。

歌詞の出だしのフレーズが、いきなり
♪いいえ わかってるわ♪と否定から始まるのも
なかなか印象深くドラマティックである。

彼女の唄の巧さは、単純に音程や音感、リズム感が
良いだけに止まらず声の良さと感情表現にある。
デビュー時はサンディ・ショーみたいなパンチのある
低い声質だったが勢いに任せている様な印象もあった。
その後、ハスキーな要素と甘い要素が声に加わり
ドラマティックな表現力が人生経験からか増した。

この「涙がただこぼれるだけ」は彼女のまさに
ドラマティックな感情表現が感じられる真骨頂で、
まるで1本のフランス映画の短篇でも見ている様。
静かにストーリーが始まり、徐々に盛り上がり
サビ前の♪これが最後だから♪の
♪だから~♪で一気にボルテージがハイになり
サビの♪あなたのいない この世界は♪で
どっと波が押し寄せて来る様な印象がある。
そして最後のワンフレーズにおける
♪泣いてないわ ただ涙がこぼれるだけ♪の
♪泣いてないわ♪が絶妙なフックとなっている。
そのまま♪ネスカフェ~♪とか続けられそうな
ヨーロピアンな美しい繊細なナンバーである。

本曲はチャートインは最高位38位に止まっているが
ここ数年の松田の楽曲の中では非常に素晴らしい構成の
楽曲の様に思える。今までサラッと聴き流していた人は
改めて2、3回じっくり聴いてみると徐々に胸に滲みて来るはず。







隠れた名曲☆スマッシュヒット-マッハバロン

すっかりオデンが美味しい季節に。
サンクスのオデンは週末は嬉しい全品70円!
そんな本日、138回目に綴る隠れた名曲は
すぎうらよしひろの唄った「マッハバロン」。

1974年にポリドールから発売された
「スーパーロボット マッハバロン」の主題歌。

マッハバロン?なんぞやそれは?と
思ったあなた!マッハバロンとは
1974年~75年に日本テレビ系で放映された特撮。
70年代~80年代はウルトラマンや仮面ライダーや
ゴレンジャーなど特撮ヒーロー番組が
わんさかと存在していたものだった。
この「マッハバロン」が希有なのは多くの
特撮ヒーローは人間が変身するのがメインだったが
このマッハバロンは人間がロボットに乗り込むのだ。
大雑把に言えばガンダムとかマジンガーZとかの
実写を想像して頂ければお解りか?。

実は本作品は1973年から74年に放映された
「スーパーロボット レッドバロン」の
続編的扱いなのだが、共通項はあまりない。
ただレッドバロンが5頭身くらいのダサい
デザインだったのだが、マッハバロンが6頭身くらいで
かろうじてスマートに見えるのが救い。

小さな頃に再放送で見ていた記憶が在るが
ロボットに乗り込むアイディアが珍しくて
なんとなく記憶の片隅にある程度であった。
しかし最近、友人がカラオケで主題歌を披露し
あまりの楽曲の斬新さと素晴らしさに度肝を抜かれ
是非、世間にも知らしめねばと今回、御紹介。

作詞が、なんと阿久悠。作曲とアレンジは井上忠夫。
井上忠夫は、あの井上大輔氏のことである。
もう、とにかく井上氏が弾けまくって
UKロックンロール全開のご機嫌なナンバーに
仕上がっており、一説ではギターを弾いてるのは
あのCharだという説があるくらいの名曲である。

ダンダンダンと響くドラムがベイシティローラーズを
なんとなぁく彷彿させ、とにもかくにも
特撮ヒーロー番組の主題歌とは思えない格好良さ!!。
2011年の現在に聴いてもちっとも古さを感じさせず
何度も聴いてしまいたくなる名ロックナンバーである。

井上氏は加瀬邦彦氏なんかと共に洋楽風のメロディの
名曲をいくつも創り、J-POPの幅を広げるのに
大きく貢献した作曲家のひとりだと言える。
この「マッハバロン」は彼の代表作のひとつではないか?。

歌唱している、すぎうらよしひろは、あのNOBODY
相沢行夫とノラと言うバンドを結成していた人で
抜群に歌のセンスがあり「マッハバロン」で弾けてくれている。
彼は、傑作アニメのひとつ「ガンバの冒険」の
エンディングテーマでの名唱もあったりする人である。

この「マッハバロン」は軽快な主題歌に合せて
スタッフもなかなか映像で頑張ってくれているのもイイ!
かっこいいギターイントロが一段落し
♪悪の天才が~ 時に野心を抱き~♪と始まるが
この「あっくの~」と唱い出しのパンチの効いた
すぎうらの歌唱が最高にカッコ良く特撮主題歌を超えている。

そしてBメロの♪今だ出撃 マッハバローン♪における
♪バロォォォン♪と音が大胆に下がる旋律にクラクラ。

その後、転調してサビになるが、最後の♪たのむたのむたのむ♪
のあとに続くタイトルの♪マッハバロォォーン♪のすぎうらの
ヴォーカルの響かせ方と、遊びまくったアレンジが最高!。
とても1974年の子供向け主題歌とは思えぬハイクォリティ。
この楽曲を知らないのは音楽好きなら損だと言えよう。
レコードジャケットのイラストにビビらずに
是非とも、YouTube辺りで聴いて欲しい名曲である。


ちなみに、なかなかキャスティングも興味深い顔ぶれで
ナレーションの担当をしているのが岸田森、
子役もレギュラーで出ているが、この内海敏彦は
「あらいぐまラスカル」のスターリング役の声優だったり。
そして主人公を演じた下塚誠氏が、かなり怪しげで
霊能宗教家に生まれ、当人も霊能力があるとかで(…)
当人のHPをうっかり見たら、「終末への序曲 真理の書」
なる著作が、ドドーンとアップされていたのでした。…。









隠れた名曲☆スマッシュヒット-西司

晩秋の雨降る東京。気がつけば、もう霜月。
フィギュアスケートも開幕し冬の到来を予見させる…。
そんな本日137回目に綴る隠れた名曲は
西司(にしつかさ)の「ON THE WAY TO HOMETOWN」。

1990年3月に、メディアレモラスより発売された
3rdシングルにあたる珠玉のバラッドナンバー。

90年代初頭は、男性ソロシンガーが次々と
各レコード会社からプッシュされデビューしていた。
そして、それぞれに歌唱力のクォリティが高く
中西圭三、KATSUMI、林田健司などなど
男性としては高音で音域が広いのも特徴だった。
この西司も音域の広い高音が印象深い。

彼は、もともとコーラスなどで活躍していた様で
デビュー曲からタイアップが付いていたので
かなり期待されていたと思われる。
しかし、なかなかヒットには恵まれず
武田真治や山本太郎が出演した「幕末高校生」の
主題歌であった「ぼくらのヒストリー」(94年)を
唯一TOP100の40位にチャートインさせている。
これは4.8万枚のスマッシュヒットとなった。

しかし、この「ぼくら~」のファンキーで
ユニークなナンバーのイメージも良いが
是非に知って欲しいのが今回、紹介する
「ON THE WAY TO HOMETOWN」である。
吸い込まれてしまいそうなAORナンバー。

この楽曲も、ACジャパン(公共広告機構)
の~樹木のお医者さん~のタイアップだったので
うっすらと聴くと記憶にある人も居るかもしれない。

絶妙に洋楽臭の中にJ-POPがブレンドされ
聴いてるうちにジワジワと胸に滲み渡る名曲。

作詞は森生遊子、作曲は西司本人で
アレンジも西が自身で手がけている。

彼のヴォーカルは前述した様に音域が広く
それを活かす様なナンバーとなっている。
ファルセットも終盤に駆使しているが
ややファルセットだとヴォーカルが弱くなる。
やはりAメロなどの地声に近いトーンが
力強く、よく響いて聴かせる。

なかなか捻られた構成の楽曲であり
アレンジもピアノや、シンセサイザーを重ね
ドラマティックで聴きどころ満載なのだが
自分がこのナンバーで聴く度にガッチリ
耳を捉えられて好きなパートが在る。
それはCMでも使われていたパートの
♪DESTINY~狂い始めていたぁ~♪の部分。
この琴線に触れる旋律は素晴らしい。

元気なAメロから壮大なサビへと繋ぐ
印象的な詩的なメロディラインだと思う。
その後コーラスの♪Spmebody~♪を
挟んだ後の♪In My Heart♪の部分の
声が、まんまピーター・セテラを感じさせ
直後リフレインするメロディも
セテラの「Stay With Me」を彷彿させるが
それもオマージュだと受け止めて聴いて戴きたし。

それにしても何度聴いても胸を打つ名曲であるが
TOP100チャートイン圏外は残念な限り。
曲のタイトルが憶えづらく損をしていたのかも。

秋から冬に向かう、これからのシーズンに
暖かい部屋で、窓から冬の星座を見上げながら
ココアでも飲みつつ、じんわり聴いて欲しい…
そんな忘れてはならない隠れた名曲である。