8回目はアーバンなNOBODYの代表曲「ディア・マイ・ハート」。
85年、4月にTDKから発売されたシングルです。
80年代と言えば海外ではMTV全盛期で
空前のPVブームだったのですが日本では、まだまだ。
そこでArtistが利用したのがCMタイアップです。
勿論、現在でもPVと並行してCMタイアップは多いですが
80年代当時はCMの映像自体が、Artistや、楽曲のイメージと
見事に合致した作風のものが多々あったのです。
大沢誉志幸やバービーボーイズのヒットを生んだカップヌードル、
早見優のほとんどPVだったコカコーラ、
杏里や稲垣潤一の楽曲が見事にハマったカナダドライ等々。
前置きが長くなりましたが、このNOBODYの「ディア～」も
サンキストのCFソングとして登場し
彼らにとっては41位という最高位にチャートインし
スマッシュ・ヒットになっています。
矢沢永吉のバンドとして活動していた彼らは、
矢沢の渡米に伴いNOBODY結成後
数々の映画のサウンドプロデュースや他Artistへの
楽曲提供で、その洋楽の様なクールなサウンドに定評を得ます。
初期の吉川晃司の一連のヒットは全て彼らの手に寄るものです。
他にもアン・ルイスや早見優、荻野目洋子らに
ロックテイストなナンバーを提供しています。
この本作、イントロに続く二人の声の感じで
すでにジーンと泣けてしまう。
都会的なのに懐かしく、明けて行く夏空のイメージ。
Aメロから印象的なのですが
やはり「♪Oh～Dear my heart～、oh~」と
繰り返されるコーラスの旋律とユニゾンが
鳥肌が立つくらいに胸に来ます。
全体を通じ、どこかデカダンな美しさを
感じさせてくれるところは
洋楽で云えばモダンな
ロキシー・ミュージックなんかに
通じる様な印象が在ります。
実はメンバー二人のうちの
相沢氏が道産子だと知り、
（木原氏は神奈川出身）改めて贔屓に。
やはりどこかスケールの大きさを感じさせる
サウンドには北海道の雄大さも関係しているのか。
80’sテイストのジャケットデザインですが
イマイチ楽曲のイメージに合っておらず
夜明けの空の写真ジャケットとかなら
20位くらいのヒットに繋がった様に思う。