イロトリドリ ノ セカイ | パリジェンヌに憧れてンヌ!

イロトリドリ ノ セカイ

バイト先で僕のフライパンさばきや包丁さばきを見ると、
そのテクニシャンッぷりから周りの人は決まってこう言います。

「自炊とか結構やってんの?」

やってません。
家でもう何年も米を炊いてないんです。

何故なら腐らせるから。

家で米を炊いてもまずいんです。
何が悪いのかはわからないんですが、とにかくまずい。
その臭さといったらもうドブ水の如く臭く、
これが都会の力かと思わせるんですが、
単に、愛情という名の調味料が足りなかったから不味かったんでしょう。

初めて米を腐らせた日を今でも覚えてますか?
僕は、いまでもあの日のことを昨日の事かのように覚えています。
そう、僕はアナタを3週間くらい電子ジャーの中に放置してました。

不思議と恐怖感はありませんでした。
逆に楽しみでしたね。
封印をとくのが。
電子ジャーを開ければ米でなく、魔封波で閉じ込められたピッコロ大魔王
が出てくるんじゃないかってくらい楽しみにしてました。

そして御開帳!

そこには色とりどりの赤や緑、青で覆われた何やらよくわからない
物体がありました。

わぁ、キレイ!
僕が純情パインな乙女ならそう思ったことでしょうが、
事の成り行きを知ってるだけに、
うげ、ちょっとくせぇ!
としか思いませんでした。

とりあえず捨てようと思ったんですが、
これがまた凄く硬い。

僕のアレより硬いんです。

苦労してジャーから米を出したんですが、僕は誓いました。
もう米をこんなに放置するのはやめよう、と。

そんな流れから、僕は白米を炊くのはやめて、
スーパーで売ってるような『炊き込みご飯の素』にチャレンジしました。

米を炊くときに混ぜるだけで簡単だし、
これなら味も付いてるから、そこそこ食えるだろう。

まぁ、案の定これも腐らせました。

でも僕は前回の反省を生かして、
今回は1週間で米をジャーから救出する事にしたのです。

これなら前回よりもカビは生えてないだろうし、
硬度も僕のアレより低いだろう。

しかし僕は炊き込みご飯のポテンシャルをみくびっていた…。

そして御開帳!!

うげぇ、くせぇ!!

もう前回も臭かったんですが、そんなの比じゃないくらい臭い。
カメムシって自分の臭さで死ねるらしいんですが、
密室にいたら僕もこの腐った炊き込みご飯で死ねるくらい臭かったです。

というか、臭すぎて何度も吐きそうになりました。
貰いゲロとかそんなレベルの臭さじゃないんです。

しかも驚愕すべきは液状化してるんです。
鼻水みたいな炊き込みご飯がそこにはありました。

僕の期待を悪い意味で裏切りすぎです。
前回腐らせたよりも硬くないどころか、柔らかすぎ。

人生は日々勉強です。
僕は学習しました。

白米は腐らせてよい。
ちょっと臭くて、アレより硬くなるだけだ。
ただ、炊き込みご飯だけは腐らせるな。
液状化して死ぬほど臭い!

そんな僕の家の冷蔵庫には卵が入ってます。

そう、賞味期限が2月23日の卵が…。