僕が大学生の頃、高校時代の仲間と吉野に出かけた僕はドイツ文学、友人3名は英文科、仏文科、国文科とそれぞれが違う言語を学んでいた。今でも付き合いがあるが、仏文科の友人は昨年逝去した。丁度1年前に、東京から名古屋に遊びにきた友人と飲んで、旧交を温めたばかりだった。

 

話を戻すと吉野山に桜が咲く頃に、出かけたが、文学談義になった。吉野の国民宿舎に泊まったが、4人とも二十歳を過ぎていた。呑みながらも、言語に美しさはあるか?という押し問答が始まり、もともと言い出しっぺは、言語自体に美しさはないという立場で、僕と仏文科の友人は言葉にも美しさはあると譲らなかった。実に不毛な議論だった。

 

翌日、とにかく西行庵に出かけた。途中、吉野千本桜が見事に咲いており、気分爽快に戻ることができた。群立した場所だけ取れば、もっと桜が美しく撮れるが、吉野山の全部をあえて紹介した。

西行庵については、旅の目的だったので、個人の写真が残っている。意外と小さな庵で驚いたが、かの西行ゆかりという事で、全員見入った。僕が知っていたのは、この

和歌だった。

願わくば花の下にて春死なんその如月の望月のころ

何せ、昔の写真ですが、西行庵で4人で記念撮影した。友人は付箋で隠してあり、写っているのが、僕です。

 

吉野を後に僕たちは京都へ出かけ、大原三千院や龍安寺の石庭を見学し、その夜はYMCAに泊まった。

龍安寺の石庭で、男4人上の写真の右の廊下に佇み、静かに庭の風情を楽しんだこの時僕は、旅行会社に就職するとは微塵も思ってなかった。卒業後、友人は大学教授と高校教師になっている。もう一人の友人は出版社に就職していた。

 

女子大生グループも食事の時一緒したので、何とか友達になろうと声をかけたが、うまくいかなかった。青春は実に苦い思い出が多い

てな訳で、古いアルバムで始まる名曲、思い出がいっぱいを紹介します!