年末が近づくと思い出すとあるご夫婦を思い出す。

お金でなんでも出来ると思っている奥様で、二つの難題を僕に依頼してきた。当時、僕は営業課長をしながら、難しいお客様を担当していた。

①ホーフブルク宮殿の年末の舞踏会のチケットとダンスレッスンしてくれる男性の手配と美容師の派遣

②ニューイヤーコンサートの入場券を2枚手配する事

航空機はビジネスクラス、ホテルはウィーンのブリステルホテル、これは問題ないと思われたが、ブリストルのスィートは既に満杯だった。

問題のブリストル ウィーン ホテルとスィート。

ここから、僕の胃はキリキリ痛み始めた。幸い、ウイーン支店がホテルは、現地で交渉してくれ、何とか収まった。①も時間はかかったが、お金で何とかなった。美容師も時間を詰めて、何とか出来た。問題はダンス教師だが、この時期引っ張りダコでビギナー用の教師しか空いていなかったが、何とかお客様を説得し、了解してもらった。

下の写真はホーフブルク宮殿の舞踏会の様子、右はニューイヤーコンサートの会場ムジークフェラインの外観だが。大ホールで行われる。

最難関が、楽友会協会(ムジークフェライン)のメンバーにしか配られないチケットを手配する事だった。メンバーは無料で配布されるが、それを手に入れるのに悩み続けた。ブリストル ホテルの支配人に手紙を送ったり、ウィーン支店にも再三再四督促したが、ダメだった。

 

たまたま、ウィーン支店へ派遣されていた社員が支店回りの途中に、僕をたずねてくれた。こうなればしめたもの、彼を接待しまくった。その夜は名古屋の盛り場をハシゴした。

 

別れ際に、手配できたら、ファックスで○を送ってくれる様に再依頼した。彼がウイーンに戻って、1週間後に待望の返事が届いた。だった。

 

これで全てが整ったが、チケット一枚72,000円もした。依頼を受けてから、2ヶ月頭が痛かった。このご夫婦には、その後も年末に悩まされることになった。

 

旅の御用命は名古屋市中村区のJFまで