最近、世界遺産に登録されたミャンマーのパガン遺跡、大平原に千近くものパゴダが点在する世界でも稀な景観だ。当時は国名はビルマ、ヤンゴンはラングーンであった。イラワジ川のほとりのパゴダの階段からイラワジ川に沈む夕陽が眺めたことが、心に染みる思い出だ。

まだアウンサン・スーチー氏が幽閉されたばかりで、社会主義の体制下、軍部が政権を担っていた。パガンからマンダレーに行く途中で事件は起きた。主要通貨である75チャットが紙屑になるという廃貨が行われた。マンダレーに到着後は、戒厳令が敷かれ、夜間外出禁止になるなど、観光どころではなくなった。

何とかヤンゴンまで航空機で移動したが、何もできなかった。お土産一つ買うこともなく、ミャンマーを後にしたが、かのサマセット・モームがパガンでは時間が止まっていると記しているが、全くそのとおりで、今も心にしっかり刻まれている。

今はスーチー氏が国家を牽引しており、急速な発展を遂げている。

思えば、35年も前にミャンマーに行けたこと、また3年後にはベトナム、カンボジアへ行き、貴重な経験ができた。ミャンマーにはもう行くことはないが、パガン遺跡は堪らなく懐かしい。

 

音楽のイメージはフランク・チャックフィールドオーケストラの「引き潮」がパガンに沈む夕陽を思い起こしてくれる。