ウエンズ問題(解答) 民法 20130807問題 行政書士試験 | 行政書士試験スマート勉強・合格法のブログ

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一度書いた解説記事が、とんでしまいました;;;


今週から、猛暑が続いてますね。

それ以上に熱い気持ちで負けじと精進して参ります。

“気持ちは熱く、頭は冷静に”



今週のウエンズ問題は、民法からの出題でした。

ひっかけの要素もあるので、注意してください。



Aは,Bに対し,家屋を購入する代理権を与えた。

Bは,Cとの間に,Aのためにすることを示して特定の家屋の購入契約を締結したが,

その家屋はDの所有するものであった。

この場合における次の記述のうち,誤っているものはいくつあるか。


1.Cが自己の責めに帰すべき事由により,その契約を履行することができない場合でも,

  Bが契約の当時その家屋がCの所有でないことを知っていたときは,

  Aは,Cに対し,損害賠償請求をすることができない。


 これは、誤りです。

 民法561条本文によると、

 他人の権利の売主が、その売却した権利を取得してこれを買主に移転することができない場合、

 買主は、解約の解除をすることができることになっています。

 つづけて同条ただし書によると、

 買主が、契約の当時、その権利が売主に属さないことを知っていたときは、

 損害賠償請求をすることができないことになっています。

 そうすると、本肢では、

 Cの所有でないことを知っていたのであるから、 損害賠償請求をすることができないように思えます。

 しかし、売主の権利移転義務の履行不能が売主の責めに帰すべき事由によるものであるときは、

 買主は、民法561条にかかわらず、債務不履行一般の規定(民法543条、415条)によって、

 契約を解除し、損害賠償請求をすることができます(最判昭41.9.8)。

 したがって、売主Cの責めに帰すべき事由がある本肢では、

 買主Aは、Cに対し、民法415条に基づいて損害賠償請求をすることができます。



2.契約の際,CはBに対しその家屋が自己のものであると偽っていたが,

  Bがその家屋がD所有のものであることを知っていた場合には,

  Aは,詐欺を理由としてその契約を取り消すことができない。


 これは、正しいです。

 意思表示の効力が、意思の不存在、詐欺、強迫、またはある事情を知っていたこと若しくは

 これを知らなかったことにつき過失があることによって影響を受けるような場合には、

 その事実の有無は代理人によって決することになっています(民法101条1項)。

 代理行為において意思決定をするのは、代理人だからです。

 本肢では、Cが代理人Bに対し欺罔行為を行っていますが、Bは錯誤に陥っていません。

 したがって、購入契約は、詐欺による意思表示によって締結されたものではありません。

 よって、Aは、詐欺を理由として契約を取り消すことはできません。



3.その契約がCの詐欺による場合でも,Aがそのことを知った後に,

  Cに対しその契約の履行を請求したときは,

  Aは,詐欺を理由としてその契約を取り消すことができない。


 これも、正しいです。

 代理行為が相手方の代理人に対する詐欺によりなされた場合、

 本人は、その行為を取り消すことができます(民法101条1項、96条1項、120条2項)。

 もっとも、本人が、その行為について追認することができる時より後に、相手方に対し、

 履行の請求をした場合には、その行為を追認したものとみなされ(民法125条2項)、

 取り消すことができなくなります。

 本肢では、本人Aが詐欺行為を知った(追認することができる時より)後に、

 契約の履行を請求しているので、追認したものをみなされ、取消しができなくなります。

 したがって、Aは、詐欺を理由として契約を取り消すことができません。



4.Cが自己の責めに帰すことのできない事由によりその契約を履行することができない場合でも,

  AおよびB共に契約の当時その家屋がCの所有でないことを知らなかったときは,

  Aは,Cに対し,損害賠償請求をすることができる。


 これも、正しいです。

 他人の権利の売主がその売却した権利の移転義務(民法560条)を履行することができない場合、

 それが売主の責めに帰すべき事由によるか否かを問わず、

 買主は、契約を解除することができます(民法561条本文)。

 また、買主が、契約の当時、その権利が売主に属さないことを知らなかったときは、

 損害賠償請求をすることができます(民法561条ただし書)。

 したがって、買主Aは、Cに対し、民法561条ただし書に基づいて損害賠償請求をすることができます。

 なお、本肢の場合、Aは、Cに対し、民法415条に基づく損害賠償請求をすることができません。

 Cに責めに帰すべき事由がないからです。肢1と異なることに注意しましょう。



いかがでしたでしょうか。

肢1と4は、売買契約の各条文と、債務不履行一般の話の区別を問う問題です。

この部分は、信頼利益と履行利益との区別とも関連してきます。

キチンと学習しておきましょう。


肢だけをみて解いてみよう → コチラ





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