話題の映画「ハゲタカ」を公開後すぐに観ました。
「元気がでる闘病記!~自分が変われば世界も変わる~」-ハゲタカ
(画像:© 2009 映画「ハゲタカ」製作委員会)


内容と感想は、私のもう一つの恋愛ブログで書いたので、
興味のある方はどうぞ。
http://ameblo.jp/moonriver2001-2007/entry-10278731016.html




また2007年放映のテレビドラマ「ハゲタカ」を、今年のGWに一挙放映!
その内容と感想も、次の通りです。
http://ameblo.jp/moonriver2001-2007/archive7-200905.html#main






私がこの闘病ブログで「ハゲタカ」を書くとしたら、
「元気がでる闘病記!~自分が変われば世界も変わる~」-テレビ・ハゲタカ それはテレビ放映の最終回「新しきバイアウト」の重要なシーン。
“ハゲタカ”と称されるファンド・マネージャー・鷲津政彦(大森南朋)が、
元IT社長・西野治(松田龍平)に、誤って拳銃で撃たれて片足を重症、
その後懸命にリハビリを行っているシーンが
そのまま彼の再生につながっていった、あのシーンだ。




このドラマは、偶然にも私がギランバレーで倒れる直前の2007年の2月から3月にかけて、
土曜ドラマという枠で放映していた。
3/24が最終回だったから、
私はそれから2週間後の翌日に倒れたことになる。4/8に倒れたのだから。
あの頃の私の状況は一言で言えば「閉塞感」。
書きたいことややりたいことがあるのに、「生活のため」が優先。

ジレンマの日々が続いていた。


そんな時に、バブルとは何だったのかというテーマを、経済視点で捉えたドラマが始まったが、
観てみると、非常に骨太なドラマで、「金」をめぐる人間の生き様がそれぞれ描かれるだけでなく、
金に翻弄される人間達の因縁ドラマが、緊張感漂う画面と共に展開されていた。
やがてそれは単にドロドロした金を巡る物語ではなく、
人が人としてのオトシマエをつけながら、信念を持って進んでいくという
凄いヒューマンドラマだということを思い知らされた。




でも、当たり前のことだが、ギランバレーで倒れてからは、このドラマのことなど
すっかり忘れていた。
私がこのドラマと再会したのは、
K病院を退院してから、方南町にある回復期リハ病院・Kリハビリテーション病院の劣悪さから逃げるように自主退院、
恵比寿にある簡易ビジネスホテルに宿泊して
横浜のHリハビリテーション病院へ通院していた頃だった。


「ハゲタカ」の世界的なドラマ賞・ギャラクシー賞受賞を記念して、
2007年8/19から6夜連続で再放送されるのだという。
放映時間は夜の10時ぐらいから。入院していたら、絶対に観られない時間帯だ。
あの時、私はぜひ、観ようと決意した。
あのリハビリシーンだけでも、必ず!




ギランバレーで倒れる前も、つまり最初の放映の時も
最終回の鷲津のリハビリシーンは非常に印象的だった。
“ハゲタカ”と称された外資系ファンド・マネージャー・鷲津だが
実は従業員のため、そして企業が生み出し育てた日本の宝というべき製品のために企業再生を掲げ、しかも売買した企業の再生をきちんと成し遂げているのだ。
悪いのは、驕慢な経営者。

従業員を省みず、己の利益のために会社を私物化し、食いつぶしている経営者達。
彼らを一新して、企業再生を図る。これが“ハゲタカ”の正体で、

悪魔と言われていた彼だが、企業の存続という意味で、実は救世主だったのだ。
鷲津は一見クールに見えるが、実はハートの熱い男で、
外資系の雇われ社長の彼は、日本の企業を救おうとするあまりやり過ぎてしまい、
親会社からリストラされる。
彼に残された道は何かーー




そんな時に、因縁深い元IT社長・西野の自殺を防ごうとして、誤って銃弾されてしまう。
ベッドで横たわる重症の彼の姿は、私がギランバレーだった頃の
あの出口の見えない暗闇に突き落とされていた日々と重なる。
でもやがてリハビリが始まると、
元々もっていた「生きる力」が沸いてきて、いつしかリハビリにも専念するように。
ここも、私にそっくりだ。


さらに、かつて鷲津が勤務していた銀行の貸し渋りにあったため自殺した男の娘で、
テレビ局の記者・由香(栗山千明)が、鷲津がいるリハビリ室へやってくる。、
「ここにはいろんな人たちがいるんですね」
という彼女の言葉に重なって、懸命にリハビリを行う患者の姿が、映像い映し出される。
そうなのだ、リハビリとは、自分一人だけじゃないんだ、
いろんな患者達が、それぞれいろんなことを抱えながら、PTなどのスタッフらに支えられながら、
一生懸命に回復に向かって進む姿なのだ。
だから「リハビリとは生きることそのもの」だ。
そしてそれだけではない。
「リハビリとは、リベンジである」という、あのシーン。
だから『ハゲタカ』は、私にとって、一生忘れられないドラマなのだ。




リハビリのおかげで、身体は少しずつ回復し、杖で歩行できるようにまでなった鷲津。
でも、仕事を再開する、という意欲はまだ沸かない。
自分の内なる力だけでは、あの熾烈なマネーゲームの世界へ入る決意がなかなかつかない。
そんなある日、銀行時代の元・上司である芝野(柴田恭兵)から、
鷲津をリストラした外資系ファンドから、日本企業を救ってもらいたいという申し出が。



仕事に戻る、つまり社会復帰というのは、自分の内なる声だけでなく、
人に望まれ、自分が必要とされているとわかってから、はっきりと自覚できる。
ここから、俄然、リハビリが進む。
でも最大のリハビリ成果は、自ら闘うこと。
鷲津は、「Wasizu Found」設立を決意し、彼を慕っている元の外資系ファンドの部下らと外資系のハゲタカファンドと闘うために、策を弄する……




鷲津の再生までの姿が、リハビリ室のシーンにかぶる。
車椅子でバスケットをしている患者、手すりに捕まって懸命にリハビリを行う老女などなど。
鷲津が自らファンド、つまり自分の会社を立ち上げるのを決意してから、
彼に手を差し伸べる部下、元上司、父親を自殺に追いやった彼の再生をしっかり見届けるテレビ局の女性記者…
周囲の人たちの力で、鷲津は、やがて本来の力を発揮し、そして企業再生への大きな架け橋となるのだ。




生きる、ということは、闘いの連続かもしれない。
私は気管切開をするなどギランバレーの重篤患者だったが、奇跡的に生還し、
そしてリハビリのおかげで生きる喜びを何度も噛みしめることができた。
歓喜と感謝に包まれ、両手で神様に向かって万歳をしながら退院したあの日ーー
でも社会は、善人だけでなない。感謝の気持ちも、踏みにじられることだって、ある。
生きるということは
自分を守り、時には闘うことも必要なんだということを、
私は闘病後に、さらに深く識ったような気がする。



「リハビリはリベンジだ!」
と教えてくれたドラマ『ハゲタカ』。
リベンジとは、

望ましい社会復帰の方法も含めて

やり遂げなければいけないオトシマエのことだと思う。



闘病、そして回復から2年。
社会復帰中の私にとって、リベンジというリハビリも、まだまだ続きそうだ。