練習中、まとわりつくブロックから抜けられずに、パックを奪われてしまうハル。


練習が終わった部室で、兵頭がハルに話し掛けてきます。

兵頭:「なあ?相手のチームも毎年研究してきてるんだよ、他の人間にはマークを付けず、お前のラインを潰すことだけに集中してくる。自分だけでゴールを決めようとせずに、もっと周りを活用したらどうだ?そうすればもっとお前も生きる」

ハル:「マークがついてたらそこ突破すりゃいいでしょ?狭いスペースこじ開けんのが俺達のホッケーなんスから
 
兵頭:「俺達の?俺のじゃないのか?」  

ハル:「安西さんの

ハル:「あんたは、安西さんに嫉妬してたんでしょ?

大和や真琴に注意されるが気にせず続けるハル。  

ハル:「本場のテクニックを勉強しに行った。でもあなたの言うことって技術論ばっかりでここ(心)が全くないんですよ

冴子:「ハルさんいい加減にして!」

兵頭:「構わんよ。それで?」

ハル:「結局逃げただけでしょ?何年かかってもあの人に追い付かねぇから」

兵頭:「それで?」




ハル:「容子さんに近づくな」 

鼻で笑う兵頭。
友則もハルの様子をうかがいます。

ハル:「近付いたら容赦しないっスよ」

ハルはそのまま部室を後にします。




ハルはその後、亜樹とビデオショップへ。

ハルが勧める複数のビデオから、亜樹は共通点を見いだします。

亜樹:「全部同じヒロインね」

ハル:「うん?」


亜樹:「ずっと待ってる」





大和と百合は高級レストランに。

百合は大和の父親の仕事や兄弟について聞きます。

百合:「不安なの

大和:「不安?」

百合は母親が離婚し、お金に苦労したことを話します。

百合:「だからね、嫌な女だなって思われるかも知れないけど、そういうのって私には重要なの

大和:「はい」

百合:「もちろん、生理的に嫌な人は無理よ。最低限、ストライクゾーンにはいてもらわないと

大和:「最低限?」

百合:「付き合ったり結婚したりすると、男の人ってガラッて変わったりするでしょ?」

大和:「俺は変わらないよ」

百合:「みんな最初はそういうと思う。それでね、そのうち愛情がなくなったりされたりしても、若い愛人を作られたりしてもいい。でも、生活まで失うのは辛いわ

大和:「君は悲しい人だね

百合:「どうして?悲しくなんかない。後で悲しむのが嫌な人よ
  「嫌いになった?

大和:「正直でいいと思うよ。ただ........

百合:「ただ?」

大和:「食べようか」

百合:「うん」

お金持ちがタイプだったことに少しばかりショックを覚える大和.........





橋の上で、ハルに大和から聞いたハルの幼少期の話をする亜樹。

ハルは、両親は健在で今もラブラブだと笑いながら否定します。

ハルの目を見つめて心を読もうとする亜樹。



亜樹が本当なら紹介して、と頼みますが親を相談するような間柄ではないじゃん、と咄嗟に言うハル。


亜樹:「ゲームだから?いないんじゃなくて?」

ハル:「そう」

亜樹:「そんな絵に描いたような理想の両親なんてどこにもいないからじゃなくて?

ハル:「ゲームだからって言ってんじゃん
 
少し怒ったような口調で言うハル。

亜樹:「ごめんなさい」 

ハル:「なんで謝ってんの?」

亜樹:「大和さんの話が本当でも作り話でもどっちでもいいの」

ハル:「ああ、どっちでもいいの」

亜樹:「同情はしたわ。確かに、そういうことがあったら、なるほど、そうなっちゃうかなって。かわいそうだなって思った

ハル:「涙全然出てませんけど」

亜樹:「でもどうしようも出来ないの。多分あなたは、あたしが音沙汰のない彼を2年も待ってるバカな女だから、関心を持ったの。でもね、本当はもうとっくに諦めちゃってるの。きっと戻ってくるなんてはずないんだって、そう思ってるの。別に待ってる訳じゃないの。ただその間、特別いい出会いがなかっただけ。その程度のことなの。だからその程度のあたしに、待っててくれる、見守ってくれる、そういうあなたの理想なお母さんを重ねられても、酷な言い方だけど、重いし、迷惑なの


ハル:「じゃあ、何で俺なの?」


亜樹:「多分他の子と一緒よ。あなたはやっぱりリンクの上ではとってもキラキラして見えたから」

笑顔で話す亜樹。

そんな亜樹の言葉を聞いて、ハルは安西の話を思い出します。

ハル:「じゃあ引退して色褪せたら、その分みすぼらしく見えんのかな



ハルを横から見つめる亜樹。

ハルは亜樹にビデオを返して、歩いて行きます。

ハルの背中から、またもや孤独感を感じてしまう亜樹。 

亜樹は立ち上がり、ハルを追います。

亜樹:「とにかく、あたしそんな女じゃないの!普通のOLなの。仕事に燃えてる訳でもないし、なんかやりたいことっていうか、追いかけてる夢がある訳でもなくて、とにかく普通のOLなの」

亜樹:「古き良き時代の女なんかじゃなくて、今時のナウオンセールの女なの!合コンにだって行ったりもするし、クリスマスや誕生日には彼と一緒にいたいなぁっていう、そういうごくありきたりな普通の女なのよ!」






ハルと大和、真琴はFace Offに。  

珍しく飲んでいるハルと大和。

百合との食事であと40円しかないことを話す大和。

真琴は大笑い。

ハル:「どうでもいいけどさ、お前余計なこと喋りすぎだよ

大和:「余計なこと?」 

ハル:「彼女引いちゃったじゃねぇかよ」

やっぱり本当.........

大和:「フラレたんスか?」

ハル:「聞くな」

大和:「いいじゃないスか。ホントのハルさんを知って離れていく女なんかどうでも」

ハル:「ホントの俺?バカじゃねぇの俺がガキの頃の話引きずるわけねぇじゃん」

大和:「そんなことはねぇ。いいかいハルさん」
  「恋愛はゲームじゃないのよ」  



酔っ払ったのか言い合うハルと大和。

大和:「勝負しようぜ

ハル:「やってやるよ40円」


千佳を連れてやって来た友則。

千佳を気に入った様子。


ハルと大和が始めたのはまさかの腕相撲。     




その頃、ひとりで、家で借りたビデオを見ていた亜樹……





ハルと大和はなかなか決着のつかない勝負に.........

決着が着く前にテーブルが壊れてしまいます.......笑

弁償は友則に頼み、大和とハルはハイタッチ。

そして、楽しいパーティーを始めるハル達。






翌日。

チームは試合中。。。会場にはいない亜樹。。。

ブロックにつきまとわれるハル。

ハルはコーチの指示通り、バックパス。

兵頭:「つまらんな」

冴子:「え?」




亜樹がいたのは「グッバイブリッジ」。


ハルを家に入れた日の、ハルが言っていた言葉を思い出します。

「帰ってくるよ」
 
「バッテリー充電させてくれる女ってなかなかめったにいないからさ、最後には必ずそういう女のところに」

「電池が枯れるまで戦ったら必ず」






ベンチで亜樹の姿を探すが見つからないハル。。。。
 


大和は怪我して救急車を待つため、フロントにいた。

そこへ亜樹が駆け込んできます。

大和:「亜樹さん!」

亜樹:「あたしね、思い出したの」

大和:「え?」

亜樹:「あたし、彼と遠距離になった時、ずーっと待ってようって、最初はずっと信じて待ってようって思ってた時、もちろん寂しいときもあったけど、それでも、幸せだったの」

大和:「あの、ちょっと.........」

亜樹:「会えなくても、思ってる自分って強いな、偉いな、可愛いなって、その時ね、自分のことも好きだったの。だけどいつか自信がなくなっちゃって、諦めちゃって、寂しさに負けちゃい始めたらどんどん弱くなって、もう彼のこと、待てないってなった時、自分がだんだん嫌いになってっちゃったの

大和:「ちょっと何言ってるのか......」

亜樹:「だけどね、ビデオ見てたらね、そんな強かった自分を思い出したの」

大和:「ビデオ?」

亜樹:「あたしは、いつまでも自分のことを好きでいたいの。強くて、偉くて、可愛い女でいたいの。寂しさなんかに負けない。目を逸らさない。それが、あたしのプライドなの」



左胸のガウンを掴んで笑い、会場内へ走っていく亜樹。

冴子:「なんなのあの子?」

大和:「さぁ。でも、今日のゲームは貰ったよ



2人のマークに苦戦するハル。

ハルは、マークの壁を自力で突破しようと決意。

マークの先には.......入ってきたばかりの亜樹が。

目が合い、ホッケーの恐怖で咄嗟に目を逸らす亜樹。



「無理強いはしないけど、できれば見てほしい。目逸らさないで。そうすれば、俺はもっと強くなる」

ハルの言葉を思い出す亜樹。

もう一度、リンクのハルを見る亜樹。



亜樹と目がもう一度合い、笑顔を見せ、マークを突破するハル。


そしてゴール。


試合終了。

ブルースコーピオンズの勝利。

亜樹にジェスチャーで見たかどうかを聞くハル。

笑顔で頷く亜樹。

Thankyou!と言って銃を撃つジェスチャーをするハル。

ジェスチャーに答えるように胸を押さえる亜樹。

そして、押さえたその拳の中を見つめて微笑む亜樹。 



拳の中にはあの、ハルの奥歯が。


ハルは嬉しそうに笑い、もう一度銃を撃つジェスチャー。




亜樹:「メイビー?」



とびきりの笑顔を見せる亜樹。

また照れたように笑うハル。

亜樹に手を振ると、ベンチに滑っていき、選手とハイタッチをするハル。

ハル:「THANK YOU!」