第1話
「子どもが欲しい。」
そう願っていました。
26歳で妊娠しましたが、切迫流産の危機。
毎日、不安でいっぱいでした。
「どうか無事に生まれてきて。」
その願いだけでした。
そして、無事に息子は生まれてきてくれました。
本当に嬉しかった。
これで幸せになれる。
そう思っていました。
でも、現実は違いました。
私は、お母さんになれませんでした。
もちろん、息子は可愛くて仕方ありません。
愛しています。
でも…
家事ができない。
育児が思うようにできない。
毎日、余裕がない。
私は、理想のお母さんとはほど遠い存在でした。
「なんで私はこんなにダメなんだろう。」
ありがとうと思うよりも、
自分を責める毎日でした。
ホテルの仕事に復帰すると、
会社では評価してもらえる。
「ありがとう」と言ってもらえる。
でも、家に帰れば、
育児も家事も当たり前。
誰も褒めてくれない。
誰にも弱音を吐けない。
そして、追い打ちをかけるように、
大好きだったフロント業務から異動。
やりたくない仕事を続ける毎日。
その時、初めて思いました。
「私の人生、このままここで終わるのかな。」
でも、あの頃の私は、
「子どもが小さいから転職なんてできない。」
そう思い込んでいました。
本当は、「できない」のではなく、
「できると思えなかった」だけだったのです。
(第2話へ続く)
