言わずと知れたマイケルの名曲で、ショートフィルムが好きな方もかなり多いんやないかと思います。

私自身も1、2を争うくらい大好きですドキドキ


前半ではマイケルの“キレがあって力強く、気品が漂うしなやかなダンス”が存分に楽しめ、
後半ではかなりセクシーな、そして爆発した怒りのような強い感情がこもったダンスが見られ・・・
2度おいしいっ!!

いやぁ、もう鳥肌が立つほどのダンスですよね・・・
感情をそのままダンスで表現する。
これぞマイコー、誰も真似出来ない所以です。

実は私のトップ画像はこの後半のダンス部分のマイケルなんです( ´艸`)
あまりにセクシーだったもんでつい・・・



ちなみにこのショートフィルムは、後半部に“暴力的かつ性的な表現が含まれており過激である”として放送禁止になったことでも有名です。

ただ性的表現に関しては確かにかんなり(笑)セクシーな部分はあるんですが、マイケル自身「踊っている時にSEXのことなんて考えたことは無い」ときっぱりおっしゃってましたので、そういったことを表現したかったのでは無いと思います。
どっちかって言うと、不満や怒りを表現しているのではないかとうちは勝手に解釈してます。
・・・In the Closetとかは明らかにそっちを意識してそうやけど(笑)


さて、日本語に訳して“黒か白か”というこの曲は、タイトル通り人種差別がテーマとなっています。
そしてBlack or Whiteの歌詞やショートフィルムには、そんなマイケルのメッセージが随所にちりばめられています。
とても興味深い内容なので、これから紹介していきたいと思います!!


正式な日本語訳付きのショートフィルムがあるので、まずはこちらをどうぞ!!


このショートフィルムでは、アフリカ人、インドネシア人、アメリカンインディアン、インド人の女性、ロシア人といった様々な国の人々とマイケルがあらゆるジャンルのダンスを繰り広げ、様々な人種の人々の顔が繋がっていくモーフィングの技術を駆使した有名な場面へと繋がっていく前半部と、
黒ヒョウをダンスで表現したという後半部で構成されています。



まず前半部で注目すべきなのはやはり、軽快なリズムから急に曲調が変化して激しいギターサウンドが鳴り響き、燃えさかる炎の中からマイケルが歩いてくる場面です。
まさにマイケルの一番伝えたいことが詰まっている部分です!!

I Am Tired Of This Devil
I Am Tired Of This Stuff
I Am Tired Of This Business
Sew When The
Going Gets Rough
悪い奴にはウンザリなんだ
こんな話はウンザリなんだ
事態が悪くなったときにお茶をにごすような仕事にはウンザリなんだ

I Ain't Scared Of
Your Brother
I Ain't Scared Of No Sheets
お前の兄貴なんか怖くない
シーツなんか怖くない

I Ain't Scare Of Nobody
Girl When The
Goin' Gets Mean
僕は誰も恐れない
どんなにみじめになっても



どんなにみじめになっても誰も恐れないという歌詞に込められたマイケルの強い意志・・・
悪い奴とはいったいだれなのか?
この時すでにマイケルは何か大きなものと闘っていたんじゃないかと考えてしまいます。

それを解く鍵となるのが“Sheets”という言葉。
これは後半部の黒ヒョウダンスの中に答えが隠されているので、後でまとめて書きます。


そして曲の終盤でのこの歌詞。

I Said If
You're Thinkin' Of
Being My Brother
It Don't Matter If You're
Black Or White
君が僕のことを兄弟だと思っているなら
白か黒かなんて関係ないだろ


これはマイケルの兄ジャーメインが同じく1991年に出していた「Word To The Bad」という歌に対して反論した歌詞です。
この歌でジャーメインは人気者のマイケルに嫉妬して
“自分のことしか考えていない。” “改造した、色を変えた可愛そうな弟”などと言っています。
今はあれほどマイケルを擁護しているジャーメインの昔の暗い部分です・・・
一応歌詞と曲のリンクを載せておきます。
http://thecount.com/2009/08/07/jermaine-jackson-word-to-the-bad-lyrics/



そして後半の黒ヒョウダンスの部分についてです。
ここではマイケルが車や店の窓ガラスを割るという暴力的なシーンが多数含まれていますが、そこに書かれている文字にこそ彼のメッセージが隠されています。
是非注目して見てみて下さい。


まず車の横に書かれている文字です。
ないものねだり。-右卍


左側の窓に書かれた右卍は、ナチス党のシンボルマークであるハーゲンクロイツです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%8A%B4%E5%83%8D%E8%80%85%E5%85%9A
ナチスについてはこちらを参照下さい。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%BC%E3%82%B1%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%82%A4%E3%83%84
このようなヒトラーによる反ユダヤ人思想は、現在もネオナチという形で受け継がれています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8D%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%83%81#.E3.82.B9.E3.82.AD.E3.83.B3.E3.83.98.E3.83.83.E3.83.89

そして右側の文字はまさに“HITLER LIVES”
“ヒトラーは生きている”という独裁政治や反ユダヤ感情を支持・肯定するものです。



次に車の後の窓にかかれた文字です。
ないものねだり。-nigger

“NIGGER GO HOME”
このNIGGERは黒人に対する差別用語であり、“黒人はうち(アフリカ)へ帰れ”という意味が込められています。


そしてフロントガラスの文字。
ないものねだり。-wet back

“NO MORE WET BACKS”
WET BACK = 背中が濡れた人 = 川を渡ってきたメキシコ人などのヒスパニック系移民やその子孫を侮辱する言葉で、特にリオグランデ川(Rio Grande river)を渡りテキサス州に不法侵入した者のことを指しています。
“ヒスパニック系移民は入ってくるな”という意味です。



そして、ハンドルを投げて叩き割った窓に書かれている文字です。
ないものねだり。-KKk

“KKK Rules”
このKKKとは、白人至上主義の秘密結社「クー・クラックス・クラン」のことです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%BC%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%83%B3
昔は多くの罪も無い黒人を、ただ黒人の血が混ざっているという理由で暴行してきました。
このKKKのメンバーには政治・経済界の大物も多数含まれており(又は含まれていた)、大きな力をもった組織であることが分かります。
以前に比べ勢力は衰えたものの、現在でもいくつかの組織に分かれて確かに存在しています。

そして、始めのほうで言っていた“Sheets”という言葉こそが、このKKKを指しているのです。
ないものねだり。-sheets

この歌詞の部分を歌っている時マイケルの背景では十字架が燃えていますが、これこそKKKが行なうセレモニーであり、KKKのメンバーは白いシーツのような衣装を身にまとい三角頭巾をかぶっていることから“シーツ”と表現されています。

これは本当に私の推測ですが、後にマイケルを苦しめる理不尽で不平等な警察の捜査や裁判には、KKKなどの大きな力を持つ差別組織が関与していたのではないかと思います。
マイケルのこういった真っ直ぐな発言や作品が差別主義者を刺激し、その様な人たちが彼を落としいれようとしたのではないかと思えてなりません・・・



そして最後はゴミ箱を投げつけた窓に書かれていた文字です。
ないものねだり。

見にくいですが黄色で囲った部分に、“SEE YOU NEXT WEDNSDAY”と書かれています。
この文字はマイケルのメッセージではなく、ショートフィルムの監督を務めたジョン・ランディス監督が自身の作品のどこかに必ず忍ばせる言葉です。
同じくランディス監督が撮ったマイケルの“スリラー“のショートフィルム内では冒頭の映画のシーンで、映画館を出る彼女をマイケルが追いかける時にこのセリフが流れます。
残念ながら意味は分からないのですが、もともとランディス監督が15歳の時に考えた映画のアイデアが“SEE YOU NEXT WEDNSDAY”というもので、映画を作ろうとしたがそれが叶わなかったためにその後の作品内でこのフレーズを必ず登場させているようです。
http://www.popculturemadness.com/Trivia/Bits/See-You-Next-Wednesday.html



この様に、Black or Whiteの歌詞やショートフィルムには細部にまで様々なメッセージが詰め込まれています。
そしてそこから、差別に対する憤りや人種なんて関係ないという強いマイケルの想いが感じられると思います。

でも、そのような重いテーマをこんな軽快なリズムで踊りながら表現してしまうんだから凄すぎる・・・
マイケルの計り知れない才能を感じます。



私はこの曲を通して、日本はもちろん世界に根強く残る様々な差別の現状を知り、マイケルのような差別に屈しない強い信念を少しでも受け継いでいかなければならないと思いました。
もちろん、マイケルに対しての偏見も含めてです。

でも悲しいことに、差別を訴えるマイケルの歌を聴いた人から「差別なんて絶対無くならへんよ。」と言われることもあります。
「そういう気持ちでいるから差別が無くならへんねん!!」って言い返しますけどね(笑)

そんな風に思えたのもマイケルのおかげです。
ファン以外のもっと多くの人にも、マイケルのメッセージをちゃんと知ってもらいたいと本当に思います。



このショートフィルムの最後にマイケルが残したメッセージが胸に突き刺さります。

ないものねだり。