敵を知り己を知ったニミッツが初めに考えたことは「絶対に負ける」という確信でした。
「勝てるわけがない。では主力部隊はなんのために出てくるのか」
ニミッツはスプルアンスを呼んで言います。
「南雲の空母が発見できない場合は犠牲が出てもかまわんから全軍突撃して大和に乗っている山本を殺せ」
ニミッツは役人根性のない日本海軍士官は山本だけだ、と思っていたかのようである。
(他には小沢治三郎と山口多聞を買っていたようです)
このとき、ニミッツはワンサイドゲームの零敗だけを避けたかった。
しかし、ニミッツはやがて、こんなふうに考え出したように見えるのです。
思考の焦点にはふたつの事実がある。
「日本海軍はアリューシャン攻略とミッドウェイ攻略というふたつの作戦目的を立てている」
「大和武蔵を中心とした艦隊主力が機動部隊の500キロ後方をついてくる」
日本の本にはよくアリューシャン作戦(AO作戦)はミッドウェイ作戦(AF作戦)の「陽動作戦」であった、と書いてありますが、
AO作戦は陽動作戦の体をなしていません。
これに敵がつられて出てくる、というのは相当バカな参謀でも考えるはずがないことです。
では、AO作戦はなんのためにあるか。
大和武蔵を中心とした三十隻を越える(!)「主力部隊」は陣容こそものものしいものの、
機動部隊に較べると鈍足な亀足部隊で後で実際にも実証されてしまうように
前方の機動部隊が戦闘を始めても戦闘に加われるわけがない。
では「主力部隊はなんのために出てくるのか」
ニミッツは「ははーん」と思います。また日本人のビョーキが出たな。
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