「えっ!見殺しにしたの? ひどいね~」
傍で聞いていた彼女は、おもわず声をあげました。
「ちょっと待ってください!あなたの説明は言葉が足りません。」
ガイドは、ギョッとした顔をしました。
ねずさんの ひとりごとより
立ち上がろう日本
沖縄に「対馬丸記念館」という施設があります。
ホームページは、以下の通りです。
http://www.tsushimamaru.or.jp/index.html
この対馬丸記念館で、ある女性が実際に体験されたお話です。
彼女が一人で見学していたときのことです。
館の関係者らしき初老男性ガイドが、5~6人ほどの男性客を案内しながら入ってきました。
展示パネルを指さしながら対馬丸の悲劇を説明していました。
「沖縄からの疎開のための学童を乗せた輸送船の対馬丸は、22時10分に魚雷攻撃を受けました。
大爆発を起こした対馬丸は、22時23分頃沈没し、子供たちは海に投げ出されました。
皆は救助を求めましたが、対馬丸を護衛するはずの2隻の護衛艦は、黙ってそのまま行ってしまいました。」
男性ガイドは、ここで言葉を切りました。
そして、その言葉がじわり、と浸透するように、わざと沈黙しました。
客の一人ひとりが、小さな声で言いました。
「えっ!見殺しにしたの? ひどいね~」
ガイドはこの言葉を確認すると、
満足したかのように
「では次の展示に行きましょう」と移動しようとしました。
傍で聞いていた彼女は、おもわず声をあげました。
「ちょっと待ってください!
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