正月早々の出来事
腕時計の調子が悪いので修理に出かけた。
秒針が動かないことを店員さんに伝えるとこれに記入してくれと紙を渡された。私の腕時計は身につけるモノとしては唯一のブランド品なのでそういう儀式が必要なのかと素直に従った。
「そちらのテーブルをご利用ください」の声に振り返ると大きな丸テーブルには若い男性と女性がいた。
椅子に腰掛けて、たくさん項目があるなぁ、と受付用紙を面倒に思った瞬間。若い男性の靴が私のズボンに触れた。
テーブルの下を覗くと足を組んでいて長く伸びた足の黒いエナメルの靴が私の膝元にあった。その瞬間。私はムカッとして持っていた手帳で奴の額を叩いた。
正月早々ロクなことがない。と嘆いても仕方ない。
受付用紙の記入を終えてカウンターに持ってゆくと背後から囁く声が…。
「さっき、見てたわよ」
ん?と振り向くと先ほどのテーブルにいた女性だとわかった。美人だった。どこかで見かけたことのある女優かもしれないとも思った。
「食事でも」と誘われた。
残念ながら初夢はそこで終った。続きを見ようと二度寝をしたけれど駄目だった。