義理の母 | ちょっち、「代表取締まられ役」が考えたこと。

義理の母

私は外の風景をずっと見続けていた。そして時折「そうですね」「ふ~ん」「そうだったんですか」などと相槌を打った。

義理の母はおしゃべりだった。

一度話し始めると話題が転々としながらいつまでも続いた。そして、それば私にとって苦痛であった。

もう、一昨年前になる。冬から春にかけての頃だった。病院の窓の風景は前の月に来た時より緑が茂り、何の花か知らないが濃いピングがちらほら見えていた。

病院に行く前に巣鴨の刺抜き地蔵のお守りを買った。手渡すと母は「ありがとう」と言いつつティッシュにくるんで大事そうに引き出しに入れた。

私は、相変わらずの母の長話を聞いていた。この日だけは、何故か飽きることはなく、ずっと母の顔を見ながら聞いていた。

その日、母は特に上機嫌だった。前の日に手術を終えたばかりだというのに…。鎮痛剤でモルヒネパッチが張られているのを私は見た。

母の話は、自分の幼い頃から入院前の社交ダンスの話題にまで及んだ。まるで大河ドラマのようだった。

誰にも言えなかったが、私はなぜか妙な予感があった。

3日後に義理の弟からすすり泣く声で電話があった。カミさんはあまりの急変に絶句し、嗚咽した。

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読者になってくれた給料泥棒のblogさんのブログを読んでこんなことを思い出した。