為替変動と米と消費者

輸出と輸入が拮抗する

2025年1月24日付日本農業新聞1面トップ記事で①米の民間輸入が拡大と、同一紙面で②食品輸出が過去最大と言う記事が載ってました。この様に相反する記事が同じ紙面に載っていることが大変珍しい事だと思いました。

同一紙面と言うことは、農産物世界市場のプールと国内市場プールを繋ぐ為替がほぼ拮抗したと言うことになるのではないかと思われます。円安円高のバランスが取れてきたと言う意味なのかも知れません。

 この意味はウルグアイランド関税341円を生かしながら米の流動性が高まったと言うことになるのでしょう。確かにウルグアイランドで77万トンの無関税輸入は厳しかったけれど1㎏当たり341円の関税341円はそれ以上に農家と言うより良田を救ったのです。当時は60kg当たり20,460円の関税は、輸入禁止と同義語でした。まさか関税を支払ってでも米を輸入するなどと言う時代が来ようとは予測もしていなかったのです。本当に日本は「あり得ない時代」に突入しているのです。

 農家にとっては国内市場でも海外市場でも米を捌ける時代が到来しようとしてます。

一方で消費者にとってはどうでしょうか。関税を支払った後の外国産の米が多量に輸入されます。うまい米即ちブランド米は付加価値を求めて海外に輸出されていきます。

 昔、多くの農家は、うまい米を持っていながら売却しなければなりませんでした。換金しなければ生活が出来なかったのです。粉を買いうどんを打って代替えカロリーをとって何とか食いつないでいました。

米の流動性が高まると言う意味は、低所得者層は量的に多い輸入海外産米か国産とのブレンド米を、一方で「ブランド米」は高所得者層と輸出へという構図に成りかねないのです。

                                                                                                                           (No2)