これは私の仮説である。米は本当にあるのだろうか。食料農業農村白書令和6年版P62一人一日の消費カロリーベースの数字(所謂家庭の食卓)を基に検討したものです。

 これを米、畜産物、油脂類、その他の農産物で見てみました。

(図1)(人/日/㎉)

 

3. 食卓の変遷

年代が進み図2から図3へ移行していくに従い円が360円から79円台を経て2021年には109円迄進み日本の食卓は大きく様変わりました。主食だったコメは畜産物、油脂類に陣地を奪われしまい、そして豊食時代へと発展していったのです。

 

以上の数値は食料・農業・農村白書令和6年版P62、食料消費構造の比較より抜粋したものです。

 

4. 国産から輸入へ

図1の食卓では米は、ほぼ国産で賄われています。しかし米の摂取カロリー量は1965年に比べ2022年は43.7%で半減しています。構成比では21.1%と米は大幅に下落。一方畜産物は2022年は構成比で18.1%と増えている。それにも拘わらず畜産の国産構成比は47.1%から16.7%へと減少し、輸入品が増加したのです。油脂類はもっと酷い、構成比でも2022年は14.5%と大幅に増えているが国産の構成比は僅か2.8%へと激減。殆ど輸入になってしまいました。要するに日本の食卓は大きく変わったのです。構成比でみると米が21.1%と1965年に比べると半減、畜産物、、油脂類の合計は32.6%となり米を大きく上回りました。そして日本は豊食の時代を経過して行きます。

 

5. この50年間で何かが起きた

1965年は1ドル360円でした。それが2021年には109円まで円高が進み日本は豊かになりました。豊食の食卓の多くの農産品は既に申し上げましたとおり、輸入食品によって賄われていくようになりました。

 

6.円安の時代到来

2022年頃からコロナパンデミック、ロシア侵攻などがあり、円安が進み始め一時は1ドル160円を超えたこともありました。今迄は経済拡大し、円安から徐々に円高に移行して来たわけです。日本では言わば可処分所得が増えた効果があったと思います。昨今円安になり今後も不安定化やら不確実性が高まると予測されてます。円安は、輸入品について言えばもう一品減らさねばならないと言う可処分所得が減った効果があります。

この様ななかで、まず1965年からみて食卓に増えた食品(輸入食品)から値上がりが始まりました。畜産品の元餌を中国に買い負けすると言うニュースも入ってきました。円安に起因し、食物カロリー連鎖が始まります。肉類から油脂類、小麦へ、その他農産物まで次々に値上がりし消費者は安い方へ安い方へ傾斜し、最後に米に辿り着いたのです。遡って見るに、米が値上がりし始めた時は米の外堀は既に埋め尽くされていたのだと思われます。米値上がりのマグマは溜まりに溜まり2024年7月頃より約半年間で一挙にしかも爆発的に値上がりしたものと考えられます。円安が続けば図3から図2へと逆移行し始める可能性があります。そして米の不足が考えられます。与件が変わらなければ農業は為替に左右される状況が続くのではないかと考えられます。

もしかして、今回の米不足、一種の食料危機は神が与えた「食料安保見直しの助言」かも知れないのです。

 

 

 

この数値は食料・農業・農村白書令和6年版P62、食料消費構造の比較より抜粋したものです。

 

以上の数値は食料・農業・農村白書令和6年版P62、食料消費構造の比較より抜粋したものです。