勝率ゼロへの挑戦
勝率ゼロへの挑戦 史上初の無罪はいかにして生まれたか/光文社

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勝率ゼロへの挑戦~史上初の無罪はいかにして生まれたか
国税局査察部が刑事告発して、検察特捜部が起訴した場合の
有罪率は100%、しかし2013年3月1日初めてその有罪神話
が崩され無罪判決がおりました。
クレディスイス証券集団申告漏れ事件において、給与の一部はストックオ
プションで支払われており、その分は源泉徴収されていませんで
した。
しかし、会社は社員にきちんと説明をしていなかったため、ほ
とんどの社員が修正申告を行う事になりました。
300人もの人が修正申告し、なかには当時のコンプライアンス部長もい
たにもかかわらず、何故か八田氏のみが起訴されます。
本書では、取り調べから起訴、そして裁判で無罪になるまでの
課程が描かれていますが、常識的に考えてありえないだろうと
思われる事が、検察の思惑一つで起訴まで持ち込まれる事に背
筋が凍る思いがします。
そもそも、会社から支払われる給料、つまり明確に証拠が残る
収入を脱税しようなどと考える人などいないと思うのですが。
八田氏も、最初は話せば理解してもらえると思い、積極的に検
察の捜査に協力しますが、調査が進まないまま長期間かかって
いることに抗議したところ、返ってきたのは
「証拠がまだ見つかっていない、私たちの仕事はあなたを告発
することです」
真実を追求するのではなく、無罪であっても起訴したければ起
訴するということが検察の行動原理だと気づいた八田氏は、有
罪率100%という国税告発、検察起訴に戦いを挑んで行く事にな
ります。
日本の刑事裁判の有罪率は99.9%だそうですが、理由の一つに
証拠の全面開示が認められていないということがあります。
検察は収拾した証拠のうち、有罪に都合の良いもののみを証拠
として提出する、これでは冤罪はなくなるどころか作り続けら
れると言わざるを得ません。
では、検察が最初から冤罪を作り出したいのかというと、そん
なことはなく、理由は
「初動ミス」+「引き返す勇気の欠如」
だと八田さんは言っています。
最初に、起訴前提で捜査を始めると、途中でおかしいと思って
も引きかえす事ができない、だから強引な証拠で起訴に持ち込
む。
立場は違えども、途中で誤りに気がついてもなかなか引き返す
勇気がなく、ずるずると状況が悪化してしまうのは、誰しもあ
りえる事かもしれません。
捜査が始まって無罪獲得まで5年4カ月。
八田氏は語ります
――――――――――――――――――――――――――――――
有罪であっても無罪であっても、判決自体が私の人生に影響す
る事はない。私の幸不幸を決めるのは、国税局でも検察でも裁
判所でもなく私自身だ。
――――――――――――――――――――――――――――――
長期間、挫けずに闘い続けることが出来たのは、自分自身を信
頼することが出来たからではないかと思いました。
なかなか読みごたえのある本です。

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勝率ゼロへの挑戦~史上初の無罪はいかにして生まれたか
国税局査察部が刑事告発して、検察特捜部が起訴した場合の
有罪率は100%、しかし2013年3月1日初めてその有罪神話
が崩され無罪判決がおりました。
クレディスイス証券集団申告漏れ事件において、給与の一部はストックオ
プションで支払われており、その分は源泉徴収されていませんで
した。
しかし、会社は社員にきちんと説明をしていなかったため、ほ
とんどの社員が修正申告を行う事になりました。
300人もの人が修正申告し、なかには当時のコンプライアンス部長もい
たにもかかわらず、何故か八田氏のみが起訴されます。
本書では、取り調べから起訴、そして裁判で無罪になるまでの
課程が描かれていますが、常識的に考えてありえないだろうと
思われる事が、検察の思惑一つで起訴まで持ち込まれる事に背
筋が凍る思いがします。
そもそも、会社から支払われる給料、つまり明確に証拠が残る
収入を脱税しようなどと考える人などいないと思うのですが。
八田氏も、最初は話せば理解してもらえると思い、積極的に検
察の捜査に協力しますが、調査が進まないまま長期間かかって
いることに抗議したところ、返ってきたのは
「証拠がまだ見つかっていない、私たちの仕事はあなたを告発
することです」
真実を追求するのではなく、無罪であっても起訴したければ起
訴するということが検察の行動原理だと気づいた八田氏は、有
罪率100%という国税告発、検察起訴に戦いを挑んで行く事にな
ります。
日本の刑事裁判の有罪率は99.9%だそうですが、理由の一つに
証拠の全面開示が認められていないということがあります。
検察は収拾した証拠のうち、有罪に都合の良いもののみを証拠
として提出する、これでは冤罪はなくなるどころか作り続けら
れると言わざるを得ません。
では、検察が最初から冤罪を作り出したいのかというと、そん
なことはなく、理由は
「初動ミス」+「引き返す勇気の欠如」
だと八田さんは言っています。
最初に、起訴前提で捜査を始めると、途中でおかしいと思って
も引きかえす事ができない、だから強引な証拠で起訴に持ち込
む。
立場は違えども、途中で誤りに気がついてもなかなか引き返す
勇気がなく、ずるずると状況が悪化してしまうのは、誰しもあ
りえる事かもしれません。
捜査が始まって無罪獲得まで5年4カ月。
八田氏は語ります
――――――――――――――――――――――――――――――
有罪であっても無罪であっても、判決自体が私の人生に影響す
る事はない。私の幸不幸を決めるのは、国税局でも検察でも裁
判所でもなく私自身だ。
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長期間、挫けずに闘い続けることが出来たのは、自分自身を信
頼することが出来たからではないかと思いました。
なかなか読みごたえのある本です。