娘が日本舞踊のお稽古で着ている浴衣の襟元に、ほころびを発見しました。それも、よく目に止まる位置で目立つうえ、私の知識ではどうにも繕いようのない場所です

さあ、困りました



今の時期に浴衣は売っていないだろうし、仕立ててもらう時間もありません。どうしようか、と考えているとき、姉から「おばあちゃんが縫ってくれた浴衣、古いけど使って」と渡されていたことを思い出しました。小学3年の娘にはまだ大きいと思い、仕舞ってあったのです。
早速、娘に合わせてみると、相当丈を直す必要はあるものの、どうにか着られそうです。和裁の経験はないけれど、見よう見まねで肩上げと腰上げをしました。
やってみると、意外に簡単です。真っ直ぐに縫うだけですから、ひたすら針を進めていきました。そして、黙々と縫っているうちに、子どもの頃の懐かしい記憶が次々によみがえってきました。
小学5年生の学芸会のとき、村人役でこの浴衣を着たこと。ステージ裏で友達同士、着せあいしたこと。学芸会の当日は父が仕事で来られず、母がおっかなびっくりカメラを握っていたこと、後日現像した写真が見事にピンボケだったこと。
中学2年の夏、仲良しのAちゃんとこれを着て夏祭りに行ったこと。
姉の浴衣だとばかり思っていたけれど、私も何度か袖を通していたようです。
それから、学校から帰ると、アイロンと針箱を脇に置いて縫い物をしていたおばあちゃんの姿も懐かしく思い出しました。
この浴衣、よくよく見てみると、どうも大人用の既製品を祖母が少女サイズに直したものであることに気づきました。身幅も直してあり、ミシンの縫い目の脇を、手縫いで数センチ縮めてあるのです。
洋服でも、小学校高学年から中学生の年頃だとなかなか合うサイズがなかったり、似合うデザインがなかったりで選ぶのに苦労するものですが、着物も同じ理屈だったのでしょうか。
それとも、少女サイズの着物は大人のものを直して着るのが常だったのでしょうか。
遠方に暮らし1~2年に一度会う祖母はもう、世事を認識していないので、聞いて確かめる術はありません。
けれど、こうして一枚の浴衣がいろいろなことを思い出させてくれました。また、世代を超えて着ることのできる着物の魅力に改めて気づかせてもらいました。
おばあちゃん、ありがとう!

ひ孫が、浴衣を大事に着ますね。
長々と読んでくださり、ありがとうございました



